13 緊迫した状況
「今はここまでだな」
俺はボールペンをポケットにしまう。この状況で圧倒的に優位な立場に立っていなくても、この少女が俺になにか仕掛けてきたってあしらう自信がある。それはさっきまでのやり取りで思った。
昼食のゴミは別のポケットにしまってある。つまりこれ以上荷物がない。
教室に戻ろうとはしごに近づく。
「え?」
少女は振り返って、帰ろうとする俺の姿を見て目を丸くする。
「え? え?」
俺へ何か問いたそうにしているが、うまく質問が定まらないのだろう。軽くこちらに手を伸ばしフラフラと振っている。
「お前も授業あるだろ。サボる気か?」
「い、いえ・・・・受けるつもりですが・・・・え?」
はしごに辿り着き、降りるために手をつく。
「さっきまでの緊迫した状況は・・・・?」
「状況の変化が不思議か?」
「はい・・・・」
答えは簡単だ。最初から緊迫していなかったのだ。ボールペンだし。
「話すのが面倒くさい。とりあえず、スケボーを返して欲しかったら放課後に俺の教室に来い。3年5組だ」
一方的に要件を告げ、さっさとはしごを降りる。
「え? え?」
彼女は最後まで戸惑っていた。どんだけ頭弱いんだ。
ほかの作家さんは話数のストックを持つみたいですけど、私ないんですよねー。
不真面目ってことですかね・・・・。




