12 無知
「屋上へ来た理由はなんだ? 俺を見つけて尾行したのか?」
「・・・・はい」
やっぱそうかー。
「俺を尾行した理由はなんだ?」
「・・・・スケボーを返してもらうのと、色々聞くためです」
ああ、はいはい、スケボーね。スケボーか。
「スケボーなら心配するな」
「え?」
「俺んちの地区のルールに則った方法で、きちんと分解して処分したぞ」
「なっ!」
「ウソだが」
「なっ!?」
彼女の肩が俺の発言の度にピクピク動く。やっぱり人をおちょくるのは楽しーなー。
「からかっているのですか!?」
「いや、話をするにあたってお前がどれだけ冷静か見ていた」
はい、嘘つきました。それっぽい嘘つきました。本当はからかっていました。
「スケボーなら無事な状態で俺の家にある。返して欲しいなら今日の放課後にでも返してやる」
「ほ、本当ですか・・・・!」
「俺にとっては無価値に等しいし、もともとお前のだからな。で、聞きたいことって?」
むしろ俺の方こそ質問があるのだが、おそらく彼女からの質問に、俺が知りたいことのパーツが含まれているだろう。ならこちらの質問内容で俺が無知だと知られる前に、質問させてやる。
「まず、どうやって私のスケボーを盗ったのですか? この世界に帰ってからも、ずっと持ってるのですよね?」
ふむ? ならこの世界に帰ったと同時に返品されていなければおかしかったんだな?
少し考えて、思い出す。この世界に帰ってくるとき、俺はもともといた信号待ちしていた場所にワープしていた。つまりもしかしたら、時間が止まっているあいだの物理的移動は、人であろうと物であろうと時間が再び動いた瞬間に無かったことにされるのではないか。だから彼女は、時間が動き出しても俺の手にスケボーが残ったことに疑問を感じた。有りうる。
「・・・・その手法を教えることはできないな」
俺も分かんないから、という真実は言わない。無知なことバレちゃう。
────キーンコーンカーンコーン・・・・
こんな時にチャイムが鳴りやがった。午後の授業開始5分前。
は、初めて読者様から感想をいただきました・・・。
お気に入り登録も2件も増えていました・・・。
すごく、すごく、嬉しかったです。
ありがとうございました。




