或る猿の独白
あれ、死んだ?
あれれ? なんで??
おーい! おい、おいおいおーい!
……っかしいな死んでねコレ? な? 死んでるよなコレ?
いや、聞いてたろォ、だってェ。
ほら、なんかオマエらあれダロ?
『未開の地の猿』?のオレらに、教えてくれんダロ?
あるって言ったじゃんか、ほら、あのぉ……そう、『生きる権利』ってヤツ!
権利は守られて、みんな従わなきゃいけないんダロ? あと奪えないとも言ってた! ホラ! オレちゃんと聞いてたんだよ、へへッ!
けどさ、そんなモン見たことも触れたことも無いからさ、試すしか無いってことじゃン? なんか色々言ってたけどさ、えー……なんか、ほら、ダイナンジョーの権利がドウコウとかコウコウとか。
なんか、ゼーキン?てヤツが欲しんだよナ?
そのかわりに、ギムと『権利』をくれんだよナ?
てことは交換だもんナ、それサ!
じゃあ、先にそれ見せてくんなきゃ、ウソじゃンッ!
だから試しに殺してみたってワケ。ケモノ一匹獲れないクセになんかバカにしてきてムカつくし、それにウソ言うヤツ嫌いだしサ!
ッたらホラ見ろ! 死んだじゃんか! な? その……そう、『生きる権利』ってヤツ? 無いみたい!
うんうんうんうんうんうん、で、で、で、で、で、オマエにはあんの?
うん。……うん? いやほら、『生きる権利』。あんの?
もしィ? なんでもしもの話? 急だなァ!
ま、もし『生きる権利』ないならサ、ブッコロでしょッ! だって『生きる権利』無いんだし、じゃあ生きるの守られないってことじゃン! ウソツキってことじゃン!
あるゥ? あんだ。じゃあ試してみるしかないっショ!
だってまだ見せてもらってねえもン。守られるとこを見れたら、オレも信じるし欲しいやソレ。
けどウソならオマエが死ぬだけ!
ウソ言うヤツは殺すから、ちょうど良いよナ! うん!
……ん~……なんか……時々言うな、それ。それも権利なのか? その……『ナマハイシン』って。
みんなって誰だ? 観て……んん?? さっき言ってたエーセーがかァ? みんなァ??
ッしょーい!
も一発おいしょーいッ!
目、覚めたかァ?
ここにはオレと、オマエ。
そんだけ。
いねえジャン、誰も。いるなら『みんな』はなんでオレを止められなかった? 殴られなくて済むはずだろ、オマエ。
なんで急に謝るんだ? やっぱ変なヤツだなッ、オマエ!
いないヤツをいるとか、無いものを有るとか、バカだナ! ハハハっ!
うーし、じゃあもう良いよ、ブッコロブッコロ。
『生きる権利』が無いならサ、『生き返る権利』持った方が良いヨ! フツーに考えて! あんの? ……それは無いのかァ。つまんねー。
いやいやいやいや、落ち着け落ち着け!
ウソ言ってないなら生きれるから! 大丈夫、ウソツキじゃないダロ?!
『グン』? また権利かァ?
『グンタイ』ってのが来るのか? オマエが死ぬと?
さっきのヤツが死んでも来てないじゃンッ。難しいこと言ってないで、フツーに話せって!
わっかんね。その、今したんだろ? 『みんな』?がツーホー?っての。 …………で?
お、なんか強気ンなってら。キモチワルッ。
うん、うんうんうん、話長っがいな!
もう待たネッ!
…………………………………………あれ、死んだ?
…………ありゃ~……これァ……へへ。
やっぱァ無かったみたい。
『生きる権利』サ。




