表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女装メイドは冷酷公爵の執着から逃げられない。女の子として育てられた身代わり僕娘、正体を暴かれ夜に咲く花となる   作者: 雨音 美月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/5

第四話 「お前は、自分が何者か分かっているのか?」初めて呼ばれた名前

 数日後。


「ラナ。こちらへ」


書類を渡す時、彼の指が僕の指を包んだ。


「手が冷えているな」


「す、すみません」


「謝らなくていい」


顎を持ち上げられた。目が合った。


「……ラナ」


はっとした。今まで「お前」か「メイド」だったのに。名前で、呼ばれた。


「はい……旦那様……」


「お前は、自分が何者だと思っている」


刺さった。

何者? 分からない。

女の子として育てられた男。偽りの名前を持つ道具。本当の僕なんて、どこにもいない。


「旦那様の、メイドです。それ以外ありません」


「……そうか」


親指が、頬をなぞった。やわらかい触れ方だった。


「精々、私に摘み取られないよう美しく咲いていろ」


守る、ってことなのか。それとも、そのうち摘み取ると言ってるのか。どっちにも聞こえた。



その夜、鏡の前でコルセットを外しながら考えた。


名前を呼ばれただけで、こんなに動揺するなんて。

まずい。本当にまずい。

この人に情を持ったら、最後だって、分かってるのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ