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女装メイドは冷酷公爵の執着から逃げられない。女の子として育てられた身代わり僕娘、正体を暴かれ夜に咲く花となる   作者: 雨音 美月


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プロローグ 没落貴族の「花」として育てられた、女装少年の僕

 

 僕には、秘密がある。


生まれた時から、ずっと隠してきた秘密。

僕は男だ。でも誰も知らない。

女の子として十八年生きてきた。

ピンクの髪を伸ばして、レースの服を着て、「ラナ」として笑ってきた。

理由は単純だ。母が「言ってはいけない」と言ったから。それだけ。


母は僕が七つの時に死んだ。

でも、その言葉だけは守り続けた。


ヴェルナ男爵家は没落していた。

父は毎晩飲んだくれていた。銀食器は消え、絨毯は擦り切れた。

そんな家に、ある日話が来た。


「お前に奉公の口を見つけた」


父がそう言って差し出したのは、セヴェラン公爵邸への紹介状だった。帝都でも名の知れた公爵家。

そこのメイドとして仕えることになった。


「はい、父上」


断れるわけがない。

でも後から気づいた。父の手が震えていたことに。書類に、知らない紋章が捺されていたことに。


――その意味を知った時には、もう遅かったんだけど。



帝都の北端、丘の上の公爵邸。石造りの重い扉をくぐって、振り返ったら、もう外に出られない気がした。



花は、嵐の気配を知らない。

摘まれるその瞬間まで。




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