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鳥の国から  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
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85 みなと新池 現在進行   水草 大躍進   1994年10月

みなと新池 現在進行   水草 大躍進   すずがも通信88号 1994年10月


 「えーっ、これがあの棚田?」

 みなと新池をのぞきに行くたびにぎょっとします。みごとですよ。植物の生育が。

 6月に1枚目の棚田にバケツに2杯ほど入れたホテイアオイは、1週間から十日ごとに倍増の勢いで、一枚目の棚田のほぼ全部をおおいつくしています。ほぼ、というのは、稲を植えた部分だけ8月末にとりのぞいたからです。草丈約1m、花もグラジオラスくらいの大きさになったのがところどころに咲いています。薄紫のきれいな花です。根を張らないので抜き捨てるのは簡単で、各地で水の浄化用に使われるのももっとも。それでも、抜こうとすると「キューッ」ととても悲しそうな音を出すんですよ。

 稲もいちおう元気。特に赤米はノギのついた稲穂を垂れてなかなか立派です。コシヒカリはだいぶカルガモなどに食べられて、実が入った穂は少なそう。

 オモダカやミズアオイなど、一緒に入れた水田雑草もいたってよい出来で、本来は30~50㎝くらいのかわいい草だったはずが、ホテイアオイに負けじと育っています。オモダカの葉は里芋なみのサイズ。ちなみに植えたわけではないヒエ類などのイネ科植物があぜ道や棚田を埋めつくし、2度や3度の草刈りではびくともしない様子。

 池本体ではトチカガミが大躍進をとげました。4分の1にあたる浅い部分は全部トチカガミの天下です。ロータリークラブが植えてくださった蓮もがんばっていて、ちゃんと花も咲いたそうですが、トチカガミに比べるとだいぶ影が薄いようです。マコモやガマもいちおう健在で、8月末にはヒシとミクリを入れてみました。来夏の様子はどんなものでしょうか。

 7,8月には毎日のようにカワウやサギ類の群れが何十羽も入っていて、島にはえた松の上の枝はいつもカワウが止まるのでひしゃげてしまいました。干ばつでもいつも水があって、鳥にも虫にもよいすみかだったようです。ウシガエルがおそろしいほど増えましたが、他のカエルの健在を祈ります。

 そうそう、このところショウジョウトンボがいつもいます。そのうちに、アキアカネが群飛することでしょう。

 水質の方では、水源である「湊排水機場遊水池」の状態が水車を動かす前に比べてとてもよくなりました。黒くて油が浮き、いつも臭気が漂っていたのが、今では水車のきわに立つとようやく「ちょっと臭うかな」と言う程度。水も緑色。ということは、植物プランクトンが窒素やリンをかなり消費して大増殖しているということです。その通り、パックテストによるアンモニアやリン酸のデータも以前の数分の1に落ちています。池本体の測定値もだいたい安定しており、このままの状態が維持できれば安心です。


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