84 鳥の国から 古代米 野鳥病院繁忙 1994年10月
鳥の国から 古代米 野鳥病院繁忙 すずがも通信88号 1994年10月
ツバメの姿が急に少なくなりました。ハシビロガモやコガモがそろそろ渡ってきています。毎日毎日まだまだ暑くて、9月の熱帯夜なんていやだ!とうんざりしているのですが、もこもこのダウンジャケットを着こんだカモくんたち、いくら水の中といってもやっぱり暑いんじゃないかなあ。
バケツやトロ箱に植えた稲が穂をつけてくれました。コシヒカリの穂は黄色く色づきかけています。黒米はなんと穂まで黒い!発芽した時から赤い茎と黄色っぽい葉ですぐほかのと見分けられましたが、すくすくと伸びた赤い茎に黒い穂がきれいです。もっと変わっているのは赤米。籾の先に麦のような長い禾がついています。赤い禾をつけた穂は稲穂らしくつつましく首を垂れているので、麦に似て見えるわけではありません。トンボが茎に止まったりすると、ミニ田んぼの雰囲気満点。
干天のためか高温のためかわかりませんが、鳴く虫の羽化はいたって順調で、暗くなると虫の音楽会がみごと。エンマコオロギの澄みきった美声を中心に、カンタン、クサヒバリ、カネタタキをはじめ、名前がわかるのだけでも10種類以上がいながらにして聞かれます。アオマツムシだけが鳴きたてていた昨年とは大ちがい。夏バテと気ぜわしさでわが家の前はいつもながらの草ぼうぼう、網戸にはいあがったヤブカラシを日除けがわりにしているありさまですが、ことのほか虫の音がみごと。これ、草とりをさぼる口実。
晴天、高温でススキの出穂は遅いようで、9月も10日近くになってからようやく穂を見かけるようになりました。ナンバンギセルのかわいい赤紫の花も、ススキのかげでひっそり開いています。どこでもあるわけではないので、花を見つけるとうれしくなります。
野鳥病院でも、ようやく入院ラッシュが終わったようです。週に20羽平均だった入院がお盆すぎに急に5羽程度に落ち着き、これで峠を越えたかとほっとしたのに、8月末から9月初めは20羽ペースに逆もどり。幸い繁殖盛期のように小さなヒナ中心ではなく「育ててきたヒナがなかなか飛べない」とか、「片足がないので放せない」といった既に餌づいた患者さんや短期入院の渡り鳥が中心。
それにしても今年の野鳥病院は(毎年同じことを言っているような気がするけど)やっぱりきつかった。昨年、4月からの入院数が300羽をこえたのは9月28日だったのに、今年は8月30日と1ヶ月も早い! それも昨年はカルガモ・セット、オカヨシガモ・セットといった一腹分のヒナの丸ごと入院が多く、数のわりには手がかからなかったけれど、セット入院が少ない今年は300羽入れば300回の受付、受け入れが必要。人件費を増やしてもらったおかげで週平均5~7日もバイトさんが来てくれているのに、いやあしんど。忙しいというよりただただ時間がかかるのです。ちょっとこわいのは、入院数、飼育数とも毎年増加の一途で、来年になれば楽になる、という見通しがまるっきりないこと。ひええ。
来月になれば手がすくことは(たぶん)確かです。涼しくなるし、実習生さんも来るし。もうひとふんばりしましょう。




