表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鳥の国から  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
70/100

70 鳥の国から  干ばつ  1992年10月

鳥の国から  干ばつ  すずがも通信76号  1992年10月 


 今朝、ぱらぱらっと雨が降りました。雨が降る―大ニュースです。1ミリ未満であろうと、ほんの霧雨であろうと、もう1ヶ月近く降っていないんですから。7月19日に梅雨が明けてからというもの、東京地方の降水量はたった9ミリ!それにまあ、こともあろうに、その9ミリのうちたぶん7,8ミリ分が降ったのは、8月1日夜、クリーン丸浜川まつり恒例のバーベキューをやっているまっ最中!!

 その後は待てど暮らせど台風も夕立もなんにもありません。保護区の中の池は次々に干上がってしまいました。北池はからから、ぱさぱさ。工事による水位低下でポンプ揚水ができなくなった新池も一面の干割れ。どのみち「土用干し」をやるつもりだったので、いいようなものですけれど。干上がる直前はサギたちがいっぱい集まって、せっせと魚捕りをやっていました。サギに捕ってもらえなかった大きなウナギやコイはからからに乾いて死にました。中でも最後まで水が残った深みでは、ぬかるみの泥の表面に、ウナギが必死にのたうって進んでいた跡がくっきり‥‥‥その先端にはだらりとのびて息絶えたウナギ。

 塩で白く干割れた池の底。歩いてみたら、きらきら光る金属粉。よくよく見ると、ミジンコの死体。これも最後の水たまりに集まったものでしょう。マスクラットの通路がくっきりしたくぼみになっています。トンボたちも産卵場所がなくて困っているようでした。

 田の字池の最深部と旧淡水池のビニールプール部にはまだ水があります。でも、ずっとよどんでいた水なので、水質がひどく悪いのです。9月6日、瀕死のオオバンとカルガモが旧淡水池で拾われ、間もなく死にました。ボツリヌス中毒ではないかとぞっとしています。それでもうコガモがたくさん渡ってきて、淡水を求めて池に集まっています。

 ともかく早く雨降ってくれえ!


 日照りで気が気でないのはさておき、この秋はシギ・チドリがけっこうたくさん入ってくれるので、喜んでいるところ。8月なかばは百羽以上のメダイチドリ、その後は百羽近いムナグロがウラギク湿地に群れています。何よりうれしいことには、ただ休息だけしているのではなく、ちゃんと餌をとっているものが多い!見ている間に次々にゴカイをひき出したり、カニをつまんだり。秋恒例のベントス調査が楽しみ。久々にエリマキシギが入ったり、コアオアシシギがいつもいたり、9月8日にはセイタカシギが17羽も群れたりして、このくらいシギ・チドリが見られればまあまあだなあ、と気をよくしています。

 暑い暑いと言っているうちに、9月6日から一挙に気温低下。沖ではしっかり青潮が出ているそうで、ウミネコがちゃっかり保護区から消えました。大盤振舞の魚のごちそうに集まっているのでしょう。北風に乗って、カモたちが毎日数を増しています。夜ごとの虫のオーケストラも、フルメンバーで見事。ススキやクズの花のきれいなこと。季節の変わり目の思いきりのよさ、見習わなくっちゃね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ