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鳥の国から  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
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68 鳥の国から 風かおる  1992年6月

鳥の国から  風かおる   すずがも通信74号 1992年6月


 薫風の5月、いやあ、気分は最高!窓を開けるとスイカズラの香りが漂ってくるし、夜などたいていセイタカシギの声が聞こえるんです。これでオオヨシキリの歌がもっとにぎやかだったら、とか、ヒクイナの声が聞こえたら‥‥‥なんて、ぜいたくを言ったらバチが当たるかも。

 バザーは楽しく終りました。昼ごろから風が強くなり、売りもののてんぷらなべが飛んだとか。わが家の満30歳になる家宝の電気釜がフル回転して、8キロ(60人分くらいかな)ものお米を炊き上げてくれました。なによりうれしかったのは、カレーがほとんど売り切れたこと。だって、もし売れなかったら、わが家はむこう1ヶ月間カレー続き!たくさん食べてくださったみなさまに大感謝!!

 実はこのバザー当日の夕方、新池を見に行った方々は、期待のカワセミはおろか、セイタカシギにも会えずじまいだったのです。せっかく4月18日に島を作ったり、草刈りをして準備をしたのに、どうなることかと気がかりでした。

 でも、安心してください。少し時間ができた5月10日の夕方、見に行ってみたら、ちゃんと2箇所で巣が見つかりました。13日現在、たぶん4つがいが営巣中。雌のうちの2羽は頭からえりにかけてくっきりと黒い個体なので、見分けるのが楽。3つがいまでは雄雌ともに成鳥でしたが、4番目のつがいの雌はどうも昨年生まれの若鳥のように見えました。翌11日には巣穴から飛び出すカワセミをばっちり目撃。カワセミは4月上旬から巣穴に入っているので、きっともうヒナがかえっているはず。楽しみです。

 春の渡りはそろそろ一段落。あざやかな赤茶色の胸をしたメダイチドリや、くっきりと白黒に染めわけられたダイゼンも北へ向かったようです。水辺で目だつのはサギ類やコアジサシくらい。10日の夕方、すぐ目の前で何度もダイビングしているコアジサシがいました。失敗するとまたやりなおし、うまく小魚をとった時はまっすぐに近くの岸辺に向います。岸に待つ彼女へプレゼントするのです。見ている間に次々に3回ほど求愛給餌をしてから、休憩のためか、漁場を変えたのか、行徳高校の方へ飛び去りました。残された彼女は満腹したらしく、落ちついて満足そうでした。

 雨がふると、小ぶりのヒキガエルが何匹もわが家のまわりではねています。こんなにたくさんいるのに、猫どもは捕まえようとしません。毒腺があるおかげです。毎年この季節にはスズメやムクドリやヒヨドリやキジバトの子にも毒腺があって、猫が敬遠してくれればいいのに、と思います。わが家の悪猫ども、今年はあんまり悪さをしないといいんだけど。



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