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第一話 壊れた出会い

初の長編作品です、良ければ見てください!

 「はぁ、はぁ、はぁッ!」


 生唾を飲み込み走り続ける少女に迫りくる三人の騎士達。

 

 この世界は——呪われている。


 

 第一話 壊れた出会い



 

 城下町で執り行われているのは“魔女狩り審判”と言うものだ。

 この世界を簡単に言ってしまえば、世界を覆す程の力を持つ“魔女”を排他し、世界の清浄化を目指すのが世界のルールとなっている。

 それだけ“魔女”と呼ばれる者の強さは危険視されるレベルなのだ。

 過去一人の魔女の行いで国が一つ滅びた経緯もある、又は地図を描き直さなくてはならない程の規模の地形破壊も確認できている。

 故に、全世界共通として“魔女”は人類の危険因子である。


 「何か言いたい事はあるか?」


 「私は……私は魔女じゃありません!」


 嘘を付け!偽物!屑!死ね!などと言った野次が飛び交う。

 この広場に集う人々は魔女裁判によって魔女の疑いがある者を捌くために用意された観衆場の様なものだ。

 狂気を孕んだ空気が一層、人々の心を歪め、地獄絵図と化している。

 中には鋭利な物、硬い物で“魔女”の疑いを掛けられただけで投げつける者も居た。

 それが吊るされた女性に当たると、そこから赤い液体が漏れ出す。


 誰かが言った、見ろ!あれこそ魔女の証だ!っと。


 「……」


 パンを齧りながら深々とフードを被った通行人が居た。

 その素顔は見れないが、背格好だけで判断するなら男性だろう。

 咀嚼していたパンを徐に野次馬に吐き捨てる。


 「きったね!なんだ?」


 「鳥のフンに当たってたぞ、アンタ」


 声色は男性のもの、先ほどのフードの男だ。

 フードの男が掛けた汚れを野生の動物のせいにしながらその場を流し目で見送る。


 ——アレは、もう救われない——


 広場から静かに去って行く男は心の中でこう思っていた。


 ——腐った光景——


 無理もない、男性がそう思うのはあくまで“魔女”の真偽があるかどうかで、まるで公開処刑をする様な場まで設ける必要があるのか?

 それが男の疑問であった。

 だが、見慣れた光景だからこそ、腐った光景と評したのかもしれない。

 時代はもう——完治できない程の傷を負って腐食が進んだ時代へと移行していたのだ。


 路地裏に入り帰路に着こうとする男性の前に一人の少女が倒れ込んだ。

 躓いたのであろう、隠していたフードが露わになり、銀髪の髪が靡(なび)いた。

 まるで月光に照らされた絹の糸の様に綺麗な髪型だった。


 「た、たすけ……」


 直ぐに事態は判断できた。

 後ろから甲冑を着込んだ騎士達が少女を包囲しようとしていた。

 誰の指示も受けず抜剣までしているとなると、これは間違いなく男が思い描いた一連の腐った行いだと直ぐに見受けられた。

 

 ——この少女は……今、魔女としての疑いを掛けられている——

 

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