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機関士ブルク

問題児登場しますが。。。本文には殆ど出てこないキャラです。

艦長)「それでは、カルネに向け発進します」


2隻の戦艦は綺麗に並んで離陸する、それはあの欠陥品呼ばわりされた船だ。


副長)「アーレイ様、離陸完了しました。速度を出すためにスイングバイ軌道に乗り、約12時間後に恒星圏内を出ます」


アーレイは総指揮官としてブリッジにいた。


アーレイ)「わかりました、何か不審な事があるならすぐに連絡してください。私は下の部屋にいますので」


副官)「承知しました」


奥さんと子供達が休んでいる部屋に向かうアーレイ。


アーレイ)「奥様、当分の間ディスティアには戻れません」


母親)「はい、覚悟は出来ています」


アーレイ)「最悪数年は覚悟してください、奥様」


ワンダ)「アーレイさん奥様はと呼ぶのはやめて下さい。ワンダでお願いします」


アーレイ)「はい、それではワンダさん、子供たちはカルネで獣人達と一緒の学校に通って貰うことになりますが宜しいですか?」


「はい大丈夫です。子供たちは船内で獣人の皆さんと仲良く過ごしていますし問題はないと思います」


「部族長の子息達が多く通っている学校なので問題ないと思います。少し動物ぽくなるかもしれませんが(笑」


「あはは、そうですね。アーレイさん私も獣人に対して嫌悪感はありませんよ」


「それは良かった、それなりに田舎とは思いますが自然を楽しめると思います」


「それは楽しみです」


その後はクーンの内情の話をしながら過ごしていると・・・・。


副長)「アーレイ司令、至急ブリッジにお願いします、不審な動きをしている船が後を付けてきます」


アーレイ)「わかった、すぐ行く第一次戦闘態勢に入れ!」


「了解」


「ワンダさん、急用が入ったので失礼します」


ワンダ)「はい、お仕事ですから気にしないでください」


急いでブリッジに入るアーレイ。


副長)「司令入りまーす」


アーレイ)「どうした?」


「スイングバイが終った辺りから追跡されています。サイズは駆逐艦、単独です」


「それでコンタクトしてきたか、現在の戦闘態勢は?」


「いえ、呼びかけましたが応答が有りません、人員が少ないので完璧な作戦行動は無理かと、一応第2戦闘体制は取っています」


「応戦の場合、兵器は何が使える?」


「主砲、対艦ミサイルだけです、対空砲は操作する砲手がいません」


「この戦艦の主砲は拡散しないよね」


「はい、流石に・・」


「そうか、攻撃してきたら、反転して一気に叩くしか無いな」


「そうですが、対艦ミサイル撃たれたら防げません」


「対空砲を片舷だけでも使えないか?砲手はフローレンスとか余ってる人員を使え、生存率を上げる為なら躊躇するなよ」


「はい、分かりました、今から調整すれば間に合うと思います」


同刻、その頃、クーンの戦艦を追跡している駆逐艦の中では・・・。


乗組員)「機関長、落ち着いてください!」


機関長)「俺はあの戦艦に行くんじゃー!」


「機関長どうしたのですか、これはやりすぎです」


「あいつら全く俺の言う事聞いてくれない!」


「仕方がないじゃないですかー、命令ですよ~」


「手塩にかけたあの船は俺の、俺の全てだー!!」


何やら戦艦愛が強い男が喚いているようだった・・。


乗組員)「それは理解できますが、流石にこのやり方は・・・」


機関長)「君らも機関士なら船に愛情を持つだろ、迷惑はかけん!もう少し付き合ってくれ、頼む!」


同僚の機関士に頭を下げる機関長。


機関士)「わかりました、そこまで言うのであれば機関長が全て責任取ってくださいね」


機関長)「すまん、もう少しだけ付き合ってくれ」


駆逐艦、ブリッジ内。


操舵手)「艦長、操舵が効きません、機関室でコントロールされています」


艦長)「うーん、あの戦艦から移ってきた機関長は、一部問題があると報告が上がっていたのだが、まさかここまでするとは」


副長)「はい、腕は確かなのですが、拘りが強くて扱いに注意が必要と報告書に明記してあります」


「機関室にはまだ入れないのか」


「はい、電磁シールドを入り口に張ってありまして、武器を持って近づくと扉に張り付いてしまい身動きが取れなくなります。もうすでに2名張り付いて先程救出されました」


「整備通路は通れないのか」


「ハッチを溶接して、さらに電磁ロックをしていますので壊さないと入れません」


「ウーン困った、副官どうする?」


「あの男だけ戦艦に移した方が良いかと、このままでいくと5日で食糧が尽きます。カルネまでまだ20日以上必要です」


「そうだな・・・普通なら命令無視で逮捕、裁判所送りなんだが、コントロールを奪われているからな」


「それと転送装置が使えません、機関室で全てコントロールされています」


「はぁ〜、参ったなこれは・・」


頭を抱える艦長。


副長)「艦長、生命維持装置を弄られたら最悪です。それにあの機関長は独り身なので捨て身ですよ」


艦長)「よし!機関室に放送する」


「はい、どうぞ」


「機関長、聞こえるか無線を使える様にしてくれ。カルネの戦艦に連絡して君を引き取れるか聞いてみる」


機関長)「・・・・・・」


ポーン、無線機に電源が入り起動する。


副長)「あっ!来た」


通信士)「艦長、電源入りました、無線使用できます」


通信機と操作板に電源が入り、タッチパネルが光り始める。


艦長)「機関室に聞こえるようにしてくれ」


通信士)「わかりました」


「こちら駆逐艦パーリントン艦長のラルクだ。カルネに向かっている戦艦、聞こえるか?」


通信士)「アーレイ様、駆逐艦から通信来ました」


アーレイ)「返答して」


ワディム)「はい、こちらカルネ軍ワディム艦長です」


ラルク)「ワディム艦長、大変申し訳がない少し無理な頼みがある」


「なんでしょうラルク艦長」


「機関長を1人そちらの船に乗せて貰えないか?」


「はい?何故ですか、そのかたはもちろんディスティアの機関士ですよね」


「恥ずかしながら、その機関長にこの船が完全コントロールされていて何もできないのだ、そちらの戦艦に乗りたいそうだ」


「そんな危ない方は遠慮します!」


「ですよねー」


諦め顔の船長・・。


ワディム)「当たり前の判断だと思うのですが・・・」


ラルク)「ほんとうに申し訳無い頼みを聞いて貰えないか。このままカルネに向かったら食料が持たない」


艦長)「アーレイ様どうしますか?」


アーレイ)「その機関長と話がしたいな」


「へ?」


「流石に話を聞かないと判断出来ないよ」


「そうですね、わかりました。ラルク艦長、その機関長と話せますか?」


ラルク)「大丈夫だ今もこの無線を聞いている。機関長、いま聞いた通りだそちらで話せ」


機関長)「わかった、ありがとう艦長」


ラルク)「・・・」


ワディム)「聞こえますか、カルネ軍ワディム艦長です」


ブルク)「カルネ軍ワディム艦長、機関長のブルクと言います。その戦艦達は私が面倒を見ていました、欠陥品呼ばわりされるのが耐えれません」


「それでこの船に乗りたいと?」


「はい、手塩に掛けて整備し改良したのです。我が子の様な船を見捨てるなんてできません」


「主張は理解しました。少しお待ち下さい」


「良い返事をお待ちしています」


「ラルク艦長、少し時間を貰えませんか」


ラルク)「わかりました、良い返答をお待ちしています」


通話をじっと聞いていたアーレイは腕を組み深く考え事をしていた。


フローレンス)「アーレイ様!アーレイ様!彼って絶対変人ですよ〜」


無線のやりとりを聞いて、フローレンスは完全に面白がっている。


アーレイ)「そうだな面白そうだから、引き取っていいぞ」


フローレンス)「え゛?マジですかい!」


「アイツは俺がなんとかする」


「わかりました、面白そうですね」


アーレイ)「ワディム艦長」


ワディム)「はい、司令なんでしょう」


「そうだな、向こうの艦長と連絡して軍籍、国籍の破棄と生死に関してはカルネは責任取らないと約束させてくれ。工具と私物、住んでいる荷物の引き取り許可もだ」


「分かりました。早速連絡します」


2時間後・・・・。


転送技師)「ブルクのマーカーを確認した、シールドを弱めてくれ」


副長)「もう下げてある、好きなタイミングで転送してくれ」


「わかった、10秒後に転送開始する」


10秒後、シュン!1人の男が転送されてくる。遅れて私物と工具が転送されてきた。その男の身長は175センチほど、体は鍛えているのかガッシリ系。年の頃は40前、金髪短髪で目つきが悪いが、それなりにいい男だ。


転送技官)「あなたがブルク機関長ですか?」


副長)「ようこそ我が船に」


ブルク)「はい、私がこの船の整備を任されていたブルクと申します」


獣人の乗組員を見て少し嫌な顔をしたブルク。


転送技官)「応接室に総司令官がお待ちです」


ブルク)「人間ですか」


副長)「そうです」


「わかりました」


「ブルク機関長、彼の判断に従ってください。あなたの軍籍と国籍は破棄されました」


「なんと!分かりました、国籍もですか」


「そうです、それが引き取る条件の一つです」


「わかった」


「今から総司令と話をして貰います」


「名前を教えてくれないか」


「指令から教えるなと言われていますので、ご自身で聞いてください」


「わかった」


警備兵)「総司令がお待ちです、こちらに移動してください」


ブルクは敵意を見せないように、少しゆっくり目に工具と私物を持つと、警備兵の前に立つ。


ブルク「お願いする」


ーー


シューン!、スライドドアの音がして警備兵と共に数名作戦室に入ってくる。


警備兵)「失礼します総司令、ブルクを連れて来ました」


呼ばれたアーレイは椅子に座り帽子を被り、背中を向け顔を見せないようにしていた。


アーレイ)「ありがとう」


警備兵)「はっ!」


アーレイは反対に向いたまま喋り始める。


アーレイ)「君がブルク君か?何故この船に拘る」


ブルク)「それは、欠陥品呼ばわりされましたが、ジャンプさえ出来れば物凄く良い船なのです。批判に耐えられませんでした。このままカルネに行って動物に整備されるなんて許せません」


「君は獣人を差別するのか?」


「ディスティアにはまともな獣人がいません、馬鹿ばかりです」


「ふーん、腕のいい整備士とかパイロットに会ったことがないのか?」


「はい、私のお眼鏡に叶う獣人は知りません」


「そうか、それは残念だな。世の中には君が知らない凄い奴がゴロゴロいるぞ」


「はい、一度会ってみたいです」


「そうか、多分すぐ会えるぞ」


「所で総司令あなたのお名前を聞いていません。誰に聞いても教えてくれないのです」


「聞いてどうする、俺の部下と決まったわけじゃ無い」


「こ、この戦艦に乗れないのですか!」


一番困る発言を聞き困り顔のブルク。


アーレイ)「もちろん君次第だね。特に”獣人”を差別する奴には降りて貰いたい」


ブルク)「・・・何故です、なぜ獣人にそこまで拘るのですか」


「そりゃ、大切な”カルネの友人”だからだよ」


「指令は獣人を差別はしないのですか?」


「差別してどうする”区別”はするが”差別”はしない。別に人間が1番じゃ無い」


「指令は何処の国の人間ですか?」


「知ってどうする、国境なんて誰かが勝手に線引きしただけだ」


「・・・・・・」


勝手に線引きの言葉はディスティアの将校とは思えない発言だった。それを聞きブルクは不安になってきた。


アーレイ)「さて、君がこの船で働く条件は獣人達とうまくやる事だ、不服か?」


ブルク)「。。。」


「カルネに行くんだぞ当たり前じゃ無いのか?」


「一度チャンスをください。獣人達をちゃんとこの目でみてみたいです」


「ほう、気が変わったのか?」


「いえ、指令と話していると変な拘りを捨てた方が良いと判断しました」


くるっと向きを変えるが、少し下を向き顔全体は見えない。


アーレイ)「なあ、君の国籍はどこが良い?ディスティアに帰れば捕まるんだろ?」


ブルク)「はいそうです。今回、不祥事を起こしての国籍破棄ですので10年は戻れません」


「それで、どこが良い?」


「え、選べるのでしょうか・・」


「ああ、カルネ、クーン、デルタ、ラインスラスト、フォーレスト、選び放題だぞ。”ヒャンド”だけはやめとけ、あそこは絶対お勧めはしない」


「えっ、敵国の国籍を取れるのですか?」


「そうだな取ろうと思えば取れるよ、君次第かな」


「指令、あなたはどこの軍人ですか?とても反連邦軍人の発言とは思えない」


「ははは、知ったら気が変わるかもよ」


「それはありません」


「じゃ、デルタにするか?お勧めだぞ、ニヤ」


顔全体は見えないが、口元が緩む瞬間が見えた・・。


ブルク)「・・・・・・」


アーレイ)「どうした敵国の国籍は不満か?」


「・・・・・」


「なんだ、悩んでいるのか?ラインスラストならゲルベルト機関長を紹介するぞ」


「え゛?、ゲルベルトと知り合いなのか?」


「そうね、友達登録した中だよ、一緒に色々やってるけどね」


「・・・・・・なんなんだアンタは」


驚きを隠せないブルク、そうゲルベルトと仲が良いのは腕の立つ職人だけだからだ。


アーレイ)「どうした?ビックリして話し方を忘れたか?」


ブルク)「そいつは俺のライバルだ!」


いきなり大声でライバル宣言をするブルク。


アーレイ)「そうなの、そりゃ悪かったな、国籍は俺が決めて良いか?」


ブルク)「なんか馬鹿らしくなって来た、俺はこの船に乗れればそれだけで良い」


「承知した、それじゃ自己紹介しよう」


「ああ頼む、教えてくれ」


「フローレンスこっちにおいで」


「えっ?フローレンスって・・まさか」


フローレンス)「はい!アーレイ様」


ブルク)「なっ!!」


奥の部屋からデルタ王族用軍服を着ているフローレンスが現れる。


ブルク)「おい!今、何と言った!それにその軍服!」


椅子に座っていた、その男は立ち上がり帽子を脱ぐ。


アーレイ)「初めまして、私はデルタ軍アーレイ少佐、そちらは補佐官のデルタ王国第二王女、フローレンス少佐だ」


ブルク)「無茶苦茶だ、デルタの士官が何故カルネの戦艦に乗っているんだ。それも王女様まで。。。」


「ん?乗れるからに決まってんじゃん」


「おい、ちゃんと教えろ」


「俺と仲がいいから」


フローレンス)「いや~ん、こんな所で・・・」


アーレイ)「こら!」


ブルク)「・・・・・(汗」


「ここまで知ったんだもう戻れないぞ」


「俺はこの戦艦に乗れさえすればそれでいい」


「そうかそれなら信用しよう。裏切りには死より辛いことが待っているからそのつもりでな」


「もう、ディスティアに未練は無い」


「さて機関士を紹介しよう、おい入って来い」


ゾロゾロと獣人達が入ってくる。


機関士)「アーレイ少佐に敬礼!」


ザッ、一糸乱れなく全員が敬礼する。


ブルク)「おお、統率が取れている・・」


アーレイ)「楽にしろ」


機関士)「はっ!」


「ブルク、ここにいるのはデルタ第9艦隊所属の機関士達だ。それもこの戦艦整備の為に選ばれた精鋭10名だ。他の船にもそれぞれ10名配備している」


「ええ!」


「知っていると思うが獣人達は力で順位が決まるが、ここの機関士は技能で優劣が決まる。君もその中の1人として活躍して貰おうか」


「わかった、う、噂のアーレイデルタ第9艦隊か・・・・」


「ふっ、驚いたか」


「アーレイ少佐、質問よろしいでしょうか?」


「どうした」


「もしかしてあの”ジャンプ”を出来るように改修するのですか」


「何故そう思う」


「第9艦隊の機関士だからです」


「カルネに到着してのお楽しみだ」


「はい!」


「悪いが君のモジュールは、この監視付きモジュールに交換してもらう」


「わかりました、いきなりは信用されないですよね」


「そうだね、このことがバレれれば大変な事になるからね、但し君を信用して監視は付けない」


「私を信用するのですか」


「君を信用しなければ、君は俺の事を信用しないだろ」


「はい、確かにそうです。私はこの戦艦と共に過ごせるなら何も言いません」


「そうか、頼むよ」


「はい」


フローレンスはこのやりとりを聞いて笑みになる。


フローレンス)「ふふ、信用ね・・」

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