ルワンダの決断。
誘拐した家族に説明します。
<<転送後・ステルスシャトル内>>
「電波を発する装置は全てこの箱に入れて頂き、代わりにこれをお使いください」
屋上の扉を開けた瞬間、光の粒子に変化した3人は、無事シャトル内に逃げ込む。フローレンスは間髪入れずに銀色の小さな箱を渡すと、ルワンダは素直に従い2人が身につけているモジュールや、防犯装置の類を入れてくれる。これで諜報部は追跡を諦めざる得ないだろう。
「H&S&%K”$!%#&G&」
モジュールを使用すると違う言語でも問題なく話せるが、外した状態だと何を言っているのか分からない。身振り手振りでやり取りをするルワンダは、装置を受け取ると手慣れた手つきでジョアンと自分の耳に装着した。
「ママ楽しいね。どこに行くの」
「ジョアンくん、これから大きな戦艦に乗るのよ」
「お姉ちゃんほんと、うわぁーい(喜」
シャトルに搭乗した直後からジョアンは楽しいのか、終始目をキラキラと輝かせ早く窓外を眺めたい様子だ。戦艦に乗れると聞くや否や、小躍りして喜びを体現していたよ。静かに耳を傾けていたルワンダは戦艦に乗ると聞いて、疑問が膨れ上がり眉間の皺が増え始めていた。
「初めまして奥様、アーレイと申します、ご協力に感謝する次第です」
客室はまったりとした空気が流れているが、コックピットの扉が開くとピーピーとけたたましい警告音が流れ、身を乗り出し挨拶するアーレイは珍しく緊張している。回収するため高度を上げたことで、早期警戒レーダーが反応を始めたのだ。
「あなたがアーレイさんなのね、後で詳しく話を聞かせて頂戴ね」
「畏まりました」
騒々しい音と表情を見れば、一瞬も手を離せない状況と嫌でもわかり、ルワンダは色々と問い詰めたい気持ちをグッと抑え冷静に返答していた。流石ルドルフの妻だけのことはあると思ったアーレイは、軽く口角を上げ向き直すと「幹線道路に向かうぞ」とポコに言い放ち、姿勢制御装置を切り、ホバリングモードを解除する。
「旋回するナノ、お掴まりしてナノー」
「あっママ見て、ワンワンだ」
「ダノー」
とりあえずジョアンは獣人に対し差別心は無さそうだ。わんこ呼ばわりされたポコはプンスカと怒りながら、エアータクシーにぶつからないようにジグザグに飛ばし、レーダー網を掻い潜りつつ沖合に停泊中の戦艦に向かってゆく。
ーー
<<沖合に停泊中・アダマン級戦艦>>
カルネ共和国が引き取る戦艦に対し、早く出ていけと司令本部から通達があり、ドッグを追い出された10隻のアマダン級はディスティア湾沖合に停泊していた。結果的にアーレイ達が安全に出国出来るようになったのは、皮肉と言えるだろう。
「間も無く着陸するナノ」
ステルス技術があるとはいえ排出する熱を探知される恐れがあり、アーレイ達を乗せシャトルは幹線道路へと向かい、大型シャトルの影に隠れ湾岸エリアまで向かい海上へと出る。海面スレスレはレーダー波が拡散して用を足さないのか警告音がぴたりと鳴り止み、沖合に停泊中の戦艦まで何事もなく辿り着く。
「おお、かっこいい」
格納庫に着艦するため旋回した際、目の前に現れた軍艦を見たジョアン君は、脳汁全開で身を乗り出し、アダマン級の勇姿を目に焼き付けている。親父が軍人だから影響したというより、男の子はやはりカッコいい物を見れば心躍るということだ。
戦艦に乗船するってやっぱり変だよね、それにカルネの軍旗と軍服・・。
窓の外に見えるカルネ軍を見たルワンダは、もう何が何だかわからない状態だ。頭の中は疑問符で埋め尽くされているものの、このような場に来てしまった以上もう腹を括るしかないと考え、無邪気に喜ぶジョアンを軽く抱きしめた。
<<後部格納庫>>
「アーレイ司令官、乗艦します。全員敬礼!」
「出迎えご苦労様(笑」
後部格納庫には食料を積んだ大量のコンテナが所狭しと並び、ポコはパズルのピースを埋めるようにシャトルを着陸させる。そんな狭い中、乗組員が総出でお出迎えをしてくれるのはありがたいが、並びきれずに溢れ返り、あまりの近さと、いきなり司令官と言われたアーレイは思わず苦笑いをしてしまう。
「デルタの軍人なのにカルネの司令官ですか、色々裏があるのですね(呆」
「何というか色々ありまして、ですが他言無用でお願いしますね(笑」
見てはいけない、聞いてはいけない秘密をを知ってしまったルワンダは、もう後に引けないと考え、ジョアンの手を引きアーレイの後を静かに歩く。横に並ぶフローレンスは「心配せずとも、きっと良い方向に進みますよ、ご安心ください」と小さく呟いた。
「王族は人の心を読むのが上手なのね、ジェシカに早く会いたいわ」
「この先のお部屋で会えますよ奥様(笑」
敵同士であっても女性は打ち解けるのが早いのだろうか、それとも緊張して建前で話しているのかはわからないが、表情を見る限りフローレンスを信頼している様に見える。はやる気持ちを抑えるルワンダは愛娘が待つ部屋へと向かう。
<<ミーティングルーム(改>>
「頼むとは言ったが子供部屋そのものだな(呆」
「戦艦の中とは思えませんね(笑」
カルネを出立前、一般人のそれも、子供が乗船するので配慮してくれとジャクリーヌに頼んでいたが、広さ80平米ほどのミーティングルームは、まるで子供部屋のようなカラフルな色合いに塗り替えられていた。更に転んでも怪我をしないよう、衝撃吸収マットが敷き詰められている念の入れようだ。
「お子さんは無事だったでしょ、早く抱きしめてあげてください(笑」
「ここまでしてくれるとは、想像すらしませんでした」
広々とした空間のど真ん中に2人の人影が見え、ルワンダはすぐに我が子だと認識したのか、ほっと胸を撫で下ろしていた。フローレンスに背中を押されゆっくりと近づいて行く。
「お姉ちゃんだ」
「あっママが来た!」
「ジェシカ、良かった無事だったのね」
初等科の制服の上にエプロンを纏い、お玉と鍋を持つジェシカは、諜報部員であろうスーツ姿の若い金髪女性と料理ごっこの最中だ。そろそろ到着すると言われていたのか、母親の姿を見ても慌てる事なく軽やかに駆けてきた。
「あのね、怖いおじさんが現れたけど、お姉ちゃんが助けてくれたの」
「そうだったのね、安心したわ」
黒服の正体はデルタの仕込みなのか、本当に追ってきたディスティア諜報部員なのか分からないけど、影の女性は窮地を救い、巧みな話術を駆使して連れてきたらしい。
あのジェシカを説得する諜報部員ってなんなのよ。
知らない人には付いて行くなと、日頃から口酸っぱく話しているルワンダは、易々と連れてきたのが悔しいのか、娘に小言を言わない代わりに口を一文字に結ぶ。
「奥様、落ち着きましたら申し出てください、後ほどお話をしましょう」
「色々ありがとうございますアーレイさん。後ほど沢山話しを聞かせて頂きますわ(笑」
飴の甘い香りから始まった今回の騒動は驚きの連続で、ジェシカの無事な顔を見たルワンダは落ち着きを取り戻し素直にお礼を述べた。しかし完全には納得してないのか、和やかに返事をするものの目は笑ってない。
「我々はお邪魔なので、艦長の所に挨拶しに行くとしよう」
子供達と触れ合えば心落ち着くと考え、新たな世話役を呼び出したアーレイ達は部屋を出る。背中を見送るルワンダは扉が閉まり、区切りがついたのか口角を上げ子供達と向き合う。
<<戦艦内・通路>>
「アーレイ少佐失礼させて頂きます。同僚が前回の経緯を詳しくお聞きしたいと申していましたよ(笑」
同僚とは待機中に連絡を入れてきた白金の髪色の諜報部員の事だ。指示書には余計なことが含まれてないので気になったのだろう。しかし含みを持たせた笑みを浮かべる彼女は、アーレイ少佐に興味があるようですと言いたげだ。
「完璧な仕事ぶりだったよありがとう。彼女にお礼を言ってもらえると助かる」
ジェシカを保護した彼女は「承知しました。楽しい仕事ありがとうございました」と述べつつ、振り向きざまにウインク飛ばし颯爽と消えてゆく。
「モテますねアーレイ様!」
静観していた姫様は笑みとウインクが気に障ったのか、しっかりヤキモチを妬いていたよ。
<<2時間後・会議室>>
「ルワンダ様、こちらでアーレイ司令がお待ちです」
遊び場と化した部屋には玩具の類は少ないものの、お絵描き帳やタブレットが持ち込まれ子供達は勝手に遊び始めた。昼食を済ませ昼寝に入り見守り役が付いたこともあって、手が離れたルワンダは経緯を聞く為、馬族の士官に連れられアーレイの元に赴く。
「それではアーレイさん、速やかに説明お願いします!」
椅子に座りテーブル越しに向き合った途端、前屈みになり早く説明してくれませんかという勢いのルワンダは、聞きたい気持ちを我慢していたのだろう。その姿をみたフローレンスは落ち着かせようとティーカップを目の前に置き「一息入れませんか、落ち着きますよ」と優しく語りながら銀色のトレイに並ぶお茶菓子を勧める。
「お心遣いありがとうございます(笑」
テーブルの上には可愛らしいショートケーキが並び、一目見たルワンダは美味しい店の品と知っているらしく、表情を柔らかくさせながら手を伸ばす。どうやら女性が甘いものを欲するのは星団共通らしい。
「楽しみましたか、手始めに経緯を話します(笑」
お茶を嗜みつつケーキを頬張り、安らぎに満たされた表情を確認したアーレイはそろそろ頃合いだと思い、捕虜返還を決めた経緯と、フローレンスが思いついた手紙などを順番に説明する。そして窓口を求めデルタを出航した辺りで一旦話を切った。
「主人とはいつどの様な経緯で知り合ったのですか」
「彼との出会いは、偶然と言うしかありませんね」
解放に向けての手がかりを得るために敵地へと向かい、ルドルフとの出会いを語る。ルワンダはアーレイ自らコンタクトを取ったことを知らなかったのか、目を丸くして驚いていた。
「話をしたいからといって、気軽に敵地に向かうなんて意味がわかりませんよ」
「窓口はないので会うしかないし、初めて会った時から話がわかる切れ者の将校だと感じていました」
「貴方に褒められると、なんだか妙な気持ちになりますわね(笑」
気軽に敵地に乗り込み敵将に会いに行くなど普通ではないが、懐が深いと聞いていたルワンダは理解を示しつつ、彼を突き動かす原動力は何なのかと思い始め、敵意より興味が湧き始めていた。その影響か雰囲気が良くなり始め、次に名簿公表についての話になると意外な展開に・・。
「ことの始まりは彼女の思いつきが発端で、軍人とは違う目線が大いに役立ちました」
「王女様が収容所に赴き知恵を働かせるとは大した行動力ですね、アーレイさんを追いかけているのかしら」
「そうなのですよ奥様、全然振り向いてくれませんけどね」
「奥様にペラペラと喋るなよ〜」
「うふふ主人から聞いてましてよ、モテますわねアーレイさんは(笑」
和やかな雰囲気がそうさせたのか、ルワンダは色々と暴露し始め、女子同士は味方よと言わんばかりに意気投合してしまう。締めに「ディスティア大混乱は悪戯です」と2人から断言され、防戦一方のアーレイはタジタジだ。
「ゲフンゲフン、それでは本題に移ろう。撃たれた経緯まで話します」
「分かりました。一番知りたい事柄なので詳しくお願いします」
来日した際の話は事細かに聞いていたのか、笑いと共にサクサクと進む。次に証拠映像を見せるためにタブレットを持ち出したものの、手違いで後から見せる筈だったとある一枚の写真が画面に大きく出てしまう。
「もう何よこれ、鼻の下が伸びてるじゃないの(オコ」
その写真はジェフとの晩餐会の際、ドレス姿の完璧メイクの姫様とのツーショットだ。敵国の美人王女との写真だからなのか、強面が緩んでいるのはマズイと判断したのかはわからないが、ルドルフはその写真を奥様には見せてなかったらしい。普段見せない顔を知ったルワンダは当然のように不機嫌になってしまう。
「まあまあ、お酒の席ですしそう怒らないで(汗」
「まったく女性の私が嫉妬するくらい綺麗よね、ほんと勿体ないわね(笑」
「お褒めに預かり光榮でございます奥様(笑」
「・・・(大汗」
旦那は目の前にいないので、怒りの矛先を変な方向に振ったルワンダは笑いながらお姫様にアイコンタクトを送り、最終的に2人揃ってアーレイをジト目で見る。それはまるで「何故貴方は彼女を娶らないの」と目で訴えていた。
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「暗黙のプレッシャーってこういう事ですか」
「女性って打ち解けるのが早いし、面白がっているだけだよ」
「ルワンダは強力な応援団ですね(笑」
「うるさいわ!」
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本題に入る前に変な方に行くし、阿保Aiが面白がって突っ込みを入れてくるし、まともに付き合うと碌な結果にならないと考え「本題に戻りますね」とスルーして切り抜ける。
「はい、よろしくお願いします(笑」
「非公開の情報がありまして、これを見れば撃たれた原因がわかるでしょう」
クーン刑務官に対して暴言を吐いたマテウスらの証拠映像をディスティアで流す計画があったが、一定の効果もあるものの賛同者が出るとのことでお蔵入りになり、その中でルドルフに対して苦言を言い放つシーンを纏めたまとめた映像を見せることにする。内容は「士官なのにHSAに加わらないルドルフは、平等を謳う不心得ものだ」などの恨み節を連発し、更に自分らの待遇の悪さはルドルフのせいだと喚いていた。
「撃たれた原因これなのですか、あまりにも酷い話です(オコ」
「見せしめのために裏切り者として烙印を押し、機会を伺っていたのでしょう」
逆恨み的な発言を繰り返すマテウスと、賛同する仲間の言いようを聞いたルワンダは、怒りとやるせない気持ちが混じるなんとも言えない表情をする。同じ士官連中に「成り上がりの奴は信用を置けない、消すべきだ」「差別心が無い奴は、HSAの活動を阻害するガンだ」などと言われれば、当然そうなるだろう。
「もしかしてマテウス本人に撃たれたのでしょうか」
「次の動画を見れば一方的に銃撃されたとわかります」
あの部屋には監視カメラはあるが壊されていたので、ピンキーが収録した映像を見せることになり、念のため旦那が撃たれるシーンだと断りを入れると「健在なので問題ありません」と強い返答を頂き、逆に早く見せなさいとまで言われてしまう。口に出しはしないが、目を見れば沸々と怒りが込み上げてきているのが分かる。
「聞いていた話とかなり違います。それでも助けて頂き感謝しかありません」
実際の映像を交えながら一方的に銃撃を受けたと説明すると、ルワンダは驚愕の表情を浮かべる。ルドルフからはアーレイと士官の戦いに巻き込まれ負傷したと聞いていたらしい。
「ことが公になれば軍部への批判が強まるので、揉み消したのでしょう」
「真面目さが元で軍内部に敵が多いと聞いています。私たちがここにきた理由もそれが原因なのでしょうか」
頭が切れるルドルフの妻だけあって中々鋭い指摘をしてくる。説明も終わりに近づき、後は連れ出した理由を教えばいいだけだ。途中からじっとして聞いていたフローレンスは策を思いついたのか、仕切り直しのお茶を一口飲みアーレイと向き合う。
「あの伝言を聞かせるのが一番良いのではないでしょうか」
「そうだね、我々が動いた動機でもあるから、一番わかりやすいかも」
あのタマネギ袋に仕込んだICチップの音声データを聴かせ、今回の作戦の正当性というか、助ける理由を教えるつもりだ。会話から伝言を聞きさえすれば、諜報部に追われる理由が分かると理解したルワンダは、背筋を伸ばし2人に向き合った。
「それでは、ルドルフ准将が我々に宛てた音声データーをお聞きください」
「はい・・」
手短に入手方法を教えると「お酒好きですからね」とクスッと笑みを溢し、数秒後ルワンダのモジュールに音声ファイルが届き一呼吸置いてアイコンを開いた。
<<1分後・・>>
「・・・」
初めは緊張というか真剣な顔をしていたルワンダは、聞き終えると意識がどこか遠くに飛んでいるように、ポカンと虚を突かれたような顔をする。内容が内容だけに、直ぐには飲み込めないのだろう。だが少しずつ悲しみに満ちた表情へと変化し始める。
「衝撃的ですよね、私も驚きましたよ奥様」
「敵国の軍人に・・頼むような・・ことではないですよね・・お二人には感謝しかありません」
あの内容を聞けば、誰が誰の為に動いたと理解するのは容易いし、死を覚悟して挑んだ旦那は今朝無事に帰国を果たしている。自分たちを含め助けてもらいっぱなしだと思うと、自然と涙が溢れ出ていた。
「奥様、お話はこれで終わりです。行き先などは後ほどお伝えします」
感極まった感情を鎮める為にフローレンスはハンカチを渡しつつ、やんわりと肩を抱きしめる。優しさに触れたルワンダは完全に心を開いたのか、靠れるように身を寄せ、暫し静寂が流れた。
「実は今まで黙っていたのですが、今朝、戻るまで外で待ってなさいと言われておりました」
落ち着きを取り戻したルワンダは、フローレンスにお礼を述べ、アーレイと向き合い意外な言葉を口にする。別れ際の隠語を理解したのかは分からないが、彼なりに家族の安全を願いメッセージを送ったのだろう。
「モジュールではなく、違う方法で送信されませんでしたか」
「えぇぇ、なぜ分かるのですか、そうです普段使わないメッセンジャーで届きました(汗」
「となれば彼は今、諜報部に出向き事情聴取の最中かと思われます」
「本当ですか、大丈夫なのでしょうか、心配で堪りません」
鎌を掛けるつもりは無いが送信方法を聞けば、彼が今どのような状態か大体察しがつく。言い切られたルワンダは「なぜ分かるのよ」と一瞬脳裏を過るが、自分も追われていると思い返し口にはしない。同時に旦那のことが急に心配になり始めていた。
「心配はご無用です。家族が姿を消せば対応できなくなり、策がない奴らは手出ししようがありません」
「それだと良いのですが、総統は人を簡単に切り捨てるので心配です」
「後々私たちが連れ出したと分かっても、無闇に手を出せないのでご安心下さい」
納得させようと説明を始めたアーレイは、次に引き取る捕虜は士官連中なので交渉は取りやめにはならず、セオドールは性格上、一度下した暗殺命令を撤回しないのでルドルフをデルタに向かわせると話す。
「無事を確認できれば、それだけでもいいです」
「後ほど確認のために諜報部員を使い足取りを追わせます(笑」
出航するまでまだ時間があるので、家族を保護しているとルドルフに伝えるつもりだ。だが会うといえば一緒に行きたくなるので、悪いがルワンダには確認するとだけ伝える。
「ほんと規格外で面白い人ね。ルドルフが言っていた通りだわ」
「いつも言われます。最近では褒め言葉じゃないかと勘違いしています」
「それでは今後の予定をお伝えしますね」
会話中、裏ではフローレンスに予定のタスクを送ってあるので、この先の説明は任せるつもりだ。女性同士の方が話が色々弾むと考えたアーレイは静かに席を立つ。
「家財の件も含めて任したよ、あと連絡が入り次第出発する」
「畏まりました。手短に終わらせます」
会話が聞こえないように一旦部屋を出てフローレンスに指示を出す。彼女はすべき事をすでに理解しているのでキリッとした表情で返答する。去り行くアーレイの背中を見送ると、軽く口角を上げルワンダが待つ会議室へと戻ってゆく。
<<アーレイ退出後>>
ほぼ手ぶら状態で移動してきたルワンダ親子には、後ほど衣服などが提供され、家財や思い出の品はルドルフが管理するのが普通そう考えるが、それらを纏めて「アーレイ少佐は全て運びますよ」と伝えてみた。
「えっ、部屋ごと運ぶのですかほんと考えることが規格外ね((汗」
「はい、カルネ経由でクーンにお運びします」
出国後、カルネに向かい追跡されてない事を確認した後、クーンに向かうと告げられ納得していたルワンダは、家財は旦那に任せようと考えていたらしいが、全て運ぶと言われ、口をあんぐりと開け唖然としたのはいうまでもないだろう。
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