表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星団最強なのに回りくどい奴の物語。だってすぐ終わっちゃうじゃん。(改稿中)  作者: 耀聖(ようせい)
獣人奴隷解放、ヒャンド編
19/573

ヒャンド共和国・奴隷解放作戦(下)

引き続き1の続編。

 <<デルタ王国・客間>>


 アーレイの奴隷解放作戦の進捗状況は逐一報告され、ジェフはクリスから詳細を聞いていた。


「これだけの証拠を短期間に良く集めたな」

「偶然が重なったとはいえ流石としか言えません」


 ジェフは奴隷を蹂躙する寸前の何枚かの写真を見てその手際の良さを感心すると共に、ヒャンド共和国大統領であるセミョーンに対し勅命を出す覚悟を決めた。


「俺が直接話すからアーレイには引き続き作戦続行の指示を出せ」

「承知しました」


 作戦続行となれば特殊部隊を派兵させるということだ。出動要請を頼まれていたクリスは客間を出ると足早に作戦本部へと向かい、ジェフは開始時間に歩調を合わせセミョーンにホットラインを繋ぐ。


 <<2時間後・・>>


 「俺だ、ジェフだ」

 <何でしょうジェフ陛下、夜明け前ですよ>


 ジェフはホットラインを繋げ叩き起こすと同時に証拠写真を送り付け「お前の知っている奴だろう」と言い放ち、一目見たセミョーンは瞬時に呼び出された理由が分り唖然としてしまう。


「特殊部隊が奴隷商を含め、全員逮捕するからそのつもりでな」

「えっ?」


 驚くセミョーンを無視し「大臣やら貴族に連絡すればもう容赦はしないし、堪忍袋がはち切れそうだよ」と本気の意志を伝えると、何も言えずに黙って頷くしか無かった。ここまでご立腹だと自分も責任を取らされる恐れがあるためだ。


 ーー


 <<デルタ駐屯基地>>


 まだ日が昇る少し前、ドドドと重低音を響かせ数機の強襲艇が駐機場へ降りてくる。アーレイの要請で特殊部隊100名が派遣され大掃除が始まろうとしていた。


「アーレイ中尉に敬礼!デルタ特殊部隊デルタフォース100名が参上した次第であります」


 アーレイが入場してくると一斉に敬礼をするのは、キースに鍛え上げられた特殊部隊員達だ。民間人相手だがスピード勝負なので腕の立つ選りすぐりの精鋭を集めた。


「早朝からありがとう。今から作戦を説明する」


 奴隷商を強襲する際は第9艦隊と連携を取りながら挟み撃ちにしつつ、それでも逃走した場合は業火級が処理するので追う必要はない、大臣宅は正面と裏口から侵入し息子を含む全員を逮捕するようにと指示を出す。


「部隊ごとに見取り図を送った。後は作戦要綱を参考にしてくれ」

「了解、それでは出発します」


 朝焼けの空に向かって強襲艇が高度を上げながら、それぞれの目的地を目指し飛び立っていく。その様子を見ていたアーレイは成功は間違いないと確信しつつ、既にアーヴィン攻略の策を考え始めていたのは秘密です・・。


 ーー


 <<総務大臣宅>>


  屋敷上空をホバリングする強襲艇から転送された特殊部隊は正面と裏口に張り付き、電子ロックキーをハッキングして室内へと侵入を果たす。時間帯が夜明け直後だったこともあり、侍女や執事は寝ぼけたまま降参のポーズを取り、SPは飛び起きたが既に銃口を突き付けられ何も出来ずに終わってしまう・・。


「おはようございます総務大臣」

「その紋章はまさかデルタフォース」


 ゆっくりと部屋に入り挨拶を済ませ「ここに来た理由はもうお分かりですよね」と問うと、大臣は観念したのか「わかった」と一言呟くと隊長の指示に従うのだった。


 <<とある奴隷商>>


「クリス司令官、只今より突入開始します」


 作戦発動と同時に国際空港を封鎖し奴隷商の屋敷に特殊部隊が強制的に突入を果たす。


「ヤバいデルタ軍だ、逃げるぞ」


 奴隷商は直ぐさま地下通路を走り抜け、倉庫に隠してあった脱出用の小型機に乗り込むと大空へと上がって行く。残念だけど静止軌道上には第9艦隊が待ち受けている。


 Ai「警告、ロックオンレーダー感知」

「なん・だと」

「デルタ第9艦隊です社長、逃げきれません」

「終った・・」


 成層圏を出る前にロックオンされた小型機はどう足掻いても逃げ切ることは不可能だろう。そして「駐屯基地に着陸しなければ撃墜する」と警告され、諦めた社長は部下に着陸の指示を出すのだった。


 <<運良く逃げ出せた奴隷商>>


 直ぐには逃げず様子見をしていた奴隷商の1人は旅行用の転送装置を使い、第9艦隊が鎮座する反対側に逃げそこから輸送船で脱出を果たす。しかし4隻の業火級が網を張り巡らし発見すると業火が追跡することになる。


「戦艦は2回ジャンプできない、俺の勝ちだな」


 小太りの中年奴隷商が乗る輸送船は2個のジャンプコアを搭載している違法な船だ。1回目のジャンプを終え立て続けに亜空間に飛び込み余裕の表情を浮かべていた。


 <デルタ第9艦隊所属アラン艦長だ。停船を命ずる>

「えっ、なんで」

 

 2回目のジャンプアウトすると進路を遮るように業火が割り込み、そのままロックオンされコアを動かせば間違いなく砲撃されるだろう。逃げられないと悟った奴隷商の男は愕然とした表情を浮かべていた。


 ーー


 <<デルタ駐屯基地>>


「全員故郷に帰れるから心配するな、デルタのアーレイが責任を持って送り届ける」

「ありがとうございますアーレイ様、妹救っていただき感謝しています」


 逮捕された奴隷商人は独房で取り調べを受け、輸送船やらアジトを割り出し家宅捜索を行ったところハーフエルフ、犬族、猫族などの少年少女が大勢発見される。アーレイに対し深く頭を下げ礼を言うナーは開放されたけど、どことなく暗い表情を浮かべていた。


 クリス「アーレイ大活躍だったな。商人達はジェフが直々に沙汰を出すと鼻息が荒かったぞ」

 アーレイ「タヌキ親父はいいとこ取りか、きっと殆ど死刑だろうな」


 予想通り奴隷商は死刑以外認めないと言い放ち、社長や腹心の部下は即日安楽死送りに、関与した社員にも無期の極刑が言い渡された。


「やれやれ、反省すらしてなわ〜」


 あの人喰い貴族も裁判無しの即日処刑だったが、ひたすら抵抗を繰り返し残り数秒なのに最後の最後まで諦めていなかった。


 当主「犬を食ったくらいでなんで死刑になるんだ!」

 Ai「それでは刑を執行します」


 PTSDにならないよう職員の替わりにドロイドがポチと薬剤を注入するボタンを押すと当主の男は眠るように息を引き取る。次に控えていた奥様は旦那が目の前で死に絶え、恐怖のあまり大暴れしたためスタンで気絶させると同時に刑が執行され一直線に黄泉の国へと向かう。


「見過ごすのも罪だからね、しっかり報いなさい」


 執事は立場上、強制的に食しただけだったので人喰いの件はお咎めなし。しかし目の前で繰り広げられる惨状を見て見ぬ振りをしたことから懲役10年を言い渡され、侍女も同様で厳しい判決に異論が出るものの、同じ過ちを繰り返さない為だとジェフが強弁して幕引きになる。


「アーレイ、流石に大臣は大統領に任せたらしいぞ」

「まあどう足掻いても黄泉の国行きは確実だからな〜」


<<総務大臣室>>


 国民の注目を浴びた総務大臣の沙汰はなんと起訴保留で保釈金0円だ。そしてセミョーンは面と向かって「この意味わかるよな名誉は守られるぞ!」と遠回しに言い放ち小袋を手渡される。


「終わりだ、終わりだ・・・」


 袋を開けると風邪薬のようなカプセルが1錠入っていて、大臣はそれを無造作に口に放り込むと奥歯で嚙み締めた。


 ーー


 <<ヒャンド裁判所>>


 裁判長「アッシュ被告は懲役30年、強制労働所送りとします」


 総務大臣の息子アッシュは奴隷に対しての性的暴行の罪を問われ、死刑の予定だったが親父が責任を取ったことで減刑され懲役刑になる。


 「僕は楽しんでいただけなのに・・」

 「アッシュさん諦めてください」


 一見女の子に見間違えそうな長いブルー髪と、細く華奢な体つきの美男子アッシュが、これから住み続けるであろう強制労働所に入れば女役としての未来しか見えない。そんな所とは知らず、控訴すれば更に刑が重くなると弁護士に言われ判決を渋々受け入れた。


 ーー


 <<ベーカリーバー・ブレーメン>>


 作戦終了後、デルタに戻った3人は打ち上げと称してコロンとキースを引き連れいつものベーカリーバーで飲んでいた。


 アーレイ「無事終了に」

 コロン「努めは果たしたのだ」

 キース「作戦成功に乾杯」


 取り敢えずシュワシュワで乾杯するもコロンは不機嫌を絵に書いたようにムスッとしていた。彼女の中ではまだアーレイの事をイマイチ信用できないらしい・・。


 「アーレイ、お前のことは信用しないのだ」

 「あー別にいいよ、ワンコに慕われたく無いから」

 「ワンコいうなー!」


 アーレイとしてはコロンに懐かれても碌な事がないと思っているのかワンコ呼ばわりだ。不機嫌が服を着ている状態なので仕方ない。


「今回の作戦は見事だったよアーレイ」

「君が教育した特殊部隊は優秀だよ。チームワークが取れているし動きも判断も早い」

「アーレイ褒めても何も出ないぞ」


 隊員に装着していたボディーカメラで突入の一部始終を観察していたアーレイは、実は現場に出向き一緒に行動したかったが、最高司令官の立場がそれを許さず少し残念そうだ。


「そうだコロンを軍隊に入れてくれないか?こいつ失業中なんだわ」


 次にアーヴィン奴隷解放が控えているけど情報が少なく鋭意収集中で、早くても数週間は先になると報告が入り、コロンをカルネに戻すより軍でトレーニングを積んだほうが良いと判断したアーレイはデルタ軍に入隊させようと考えていた。


「失業いうな、お前が責任とれだ」

「何の責任なんだ、必要とされてい無いからクビになったんだろ。いつかはそうなる運命だ」

「ガルゥ!もう少し包んで話せなのだ(オコ」


 コロンの態度が悪いのでアーレイも遠慮なしに言い返し、それが的を得ていたのか更に不機嫌になってしまう。


「お前みたいな単細胞には直接言わなきゃわからんだろ、じゃ、明日適性検査受けてデルタ軍に入れよ」

「ウガァー!そんな事はないのだ!仕方ない明日受けるのだ」


 アーレイが放った売り言葉に反応したコロンは狙い通りに入隊試験を受ける事になるものの、人間不信は当分続きそうだ・・。


 ーー


 閉話 「アッシュの初めて」


 大臣の息子アッシュは奴隷に性的暴行を加えた罪で強制労働所に収監されることになるが・・・。


「僕は大臣の息子だぞ!特別待遇を要求する」

「わかっております。この部屋をおつかください」


 親父の威を借りるアッシュは凄く横柄な態度で看守に命令すると、特別にあしらった部屋に案内されズズズと分厚い扉が開く。室内は窓は無いがダブルベッドやシャワールーム、エアコンが完備され言い方は悪いが小さめのラブホテルのようだ。


「狭いけど居心地は最高だな、まあ親父の力で1ヶ月で出れるだろうよアハハ」


 真新しいベッドに寝転がってリラックスするアッシュは、自分の父親が自殺したことを知らないままだった・・。


 <<数時間後・就寝1時間前>>


「つまらないな〜飯はそこそこだけど我慢だよね〜仕方ないか〜」


 夕食を済ませまったりしているとあの重厚な防音ドアが開かれる。すると先ほどの看守が現れ、続いて筋骨隆々の顔に傷がある屈強な男が入ってきた。


「こいつがここを取り仕切るカラムだ。逆らうと死体になるから気を付けろよ」


 カラムは婦女暴行や殺人未遂など何度も繰り返し刑務所を往復するような悪で、とある事件を境に見せしめの為に終身刑を言い渡され強制労働所送りになっていた。


「噂通りの美男子だな、宜しくなアッシュ」

「誰だよお前、俺は大臣の息子だぞ失礼だろ」


 アッシュの態度は相変わらずだけど看守はこの後どのような行為が繰り広げられるか分かっているのかニヤリと口角があがり、カラムは女の子のような華奢な体つきを見て舌なめずりをしている。


「じゃカラム、初日だから優しくしてやれよ」

「ありがとうな、礼は弾むよ」


 金の採掘現場を取り仕切っているカラムは隠匿した金を賄賂として利用している。なので看守は不機嫌にならず今まで素直にアッシュの指示に従っていただけだ。そして小さな袋を受け取ると足早に立ち去り扉が閉められ、未だ意味がわからないのかアッシュは「早くでて行けと」文句を言い放つ。


「そう、キャンキャン吠えるなよ」

「何をするんだ離せ!やめろー」


 カラムはスッと背後に回ると首に腕を回し利き腕を締め上げマウントを取られ、逃れようと必死に贖うが華奢なアッシュではどうする事も出来ない。


「これから毎日、いい声で鳴いてもらうんだよ」

「や、やめろ、触るなそこは・・・」


 下腹部に手が伸び必死に抵抗するアッシュだったが屈強なカラムに勝てる訳もなく、尻や息子を好き放題触られ終いには耳たぶを噛まれながら「首を捻じ切るぞ」とささやかれてしまう。


「わ、わかった、だから殺さないで」

「いい子だな、これを見たら素直に受け入れろ」


 一旦アッシュを解放したカラムは一目見れば素直に従うだろうと受刑者が閲覧できるタブレットを手渡す。


「これ本当なの、ねえ僕はこれからどうなるの?」


 トップページには大々的に「総務大臣責任を取って自殺」の記事が羅列され、それを見たアッシュはここを出れないと一瞬で理解したのか信じられない表情を浮かべたまま立ち竦んでしまう。


「それは君次第じゃ無いかな、俺は優しい方だぞ」


 この部屋を宛がわれた本当の理由が分かったアッシュは力なくベッドに座り、フルフルと肩を震わせていたよ・・。


 <<1週間後・就寝1時間前>>


 あの重いドアがズズズと開き、ニヤリと笑うカラムが入ってくる。


 「カラムいらっしゃい、待ってたの〜♡」


 ベッドの上に横座りし薄いピンクのネグリジェを纏った半裸のアシュがそこにいた・・・。


 ヒャンド奴隷救出作戦終了!!


ブクマ、評価、感想お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ