残されるもの達
おバカな士官の様子を見に行きます。
ヒョーン、孤島の収容所上空をホバーリング中のベクスター。
アーレイ)「フローレンス見えるか?」
フローレンス)「はい、相変わらずダラダラしていますね」
「ラー所長に聞いたけど、農作業とか絶対にしないんだってさ」
「食事とかどうしているのですか?」
「仕方ないから、最低限の食事は提供しているそうだ」
「ほんと最低ですね」
「ああ、それも文句ばっかり言っているそうだ」
「彼らには反省という言葉は知らないのでしょうか?」
「無比だね」
「見捨てましょうか?」
「それは流石に出来ない、けどラー所長から頼まれた」
「何をですか?」
「彼らを世話することを放棄したいんだって」
「はぁ、自業自得ですよね」
「そうだね。もう限界を超えているから処分しようと思っている、君はどうする、一緒に来る?」
「はい、もちろんお供します」
「惨状になるけどいいな」
「はい」
「それじゃ行こうか」
ギューン、ベクスターは期待を傾け孤島に着陸を開始する・・。
ーー
バン!捕虜達が生活しているあの小屋の前に立ち、扉を乱暴に開くアーレイ。後ろにはピンキーが付いて来ている。
捕虜)「なんだ、飯でも持ってきたか」
アーレイ)「おい、お前らよく聞け、今日から一切の食事を提供しないことになった」
「はぁ何だ、けっ、デルタのあいつか、何だと、俺たちを何だと思っているんだ」
「残念だながら、君たちは見捨てられた。ディスティアから捕虜に関する連絡がなくなった」
「それはお前らが連絡しないからだろ」
「うーん、総統閣下は見捨てる判断をしたみたいだよ」
「嘘だ!」
「じゃ、これ見て」
ディティアジャーナルWEB版の拡大コピーを渡す、その見出しと内容は・・・。
<速報!捕虜の上級士官、帰還は絶望的>
<現地収容所での問題行動が多く、また高額の身代金に対し世論の反発が予想以上のため。ディスティア政府は捕虜の国籍を破棄する方向に検討している事がわかった>
アーレイ)「どうですかー?」
捕虜)「どうせお前が作った捏造記事だろ」
「信用しないならWEBで確認すれば?ほれ」
アーレイはタブレットを渡すと数名集まってきて画面を食い入るように見る。
捕虜A)「確かに、ディスティアの最新記事が載っているな」
捕虜B)「誰かログインしてみてよ」
捕虜C)「私、そこのID持っていますので」
1人の士官が名乗りを上げ、ログインをする。
ピッピ、ポパ、そして自分のIDとパスワードを使うと、普通にログインできてしまう・・・。
捕虜A)「ま、まさか、本当なのか」
WEB画面をみて愕然とする士官。
アーレイ)「俺は嘘を言わないのだが・・・」
捕虜A)「ああ、そうだな」
「さあ、どうする君達。もう後がないぞ」
「それなら解放しろ」
「わかった、解放してやる」
全員)「おおお!」
アーレイ)「ただし階級別で金額が決まっている、少佐は1人50億な、中佐は70億、大佐は100億、准将は150億、それ以上は200億を払えれば解放する」
捕虜A)「そんな金額出せるわけないだろう」
「じゃ、ここでの野たれ死ねばいい。俺が勝手に金額を下げる訳にはいかない。規定で決まっているからな」
「そ、そんな」
「君たちの態度のせいじゃないのか?俺は散々忠告したぞ」
「いやなんで動物の」
バシュ!ウギャー!、いきなり発砲するアーレイ、勿論スタンモードだ。
アーレイ)「はい何でしょう?口の利き方がなっていないな。こりゃ躾が必要だ」
捕虜B)「ふ、ふざけるな」
アーレイ)「お前、なんか言ってみろ」
「俺たちは将校だちゃんと」
バシュ!ウゲェー!アーレイは意味を理解していない者は即座に銃撃する。
アーレイ)「はい次」
捕虜C)「・・・・・」
捕虜D)「わたしはアーレイ少佐に従います」
「そうか、それなら命乞いをしたらどうだ。やらないと飯は出ないぞ」
捕虜D)「そんな事できるか!」
ドコン!ボキ!ギャー、衝撃モードを使い腕をへし折る。
アーレイ)「はあ、次」
捕虜C)「アーレイ死ね」
ドコーン!グワァ、腹を衝撃モードで撃たれた捕虜は前屈みのまま失神する。
アーレイ)「はい終了!」
フローレンス)「わわわ」
アーレイ)「はい次」
捕虜E)「降参します」
「土下座しろ、そうしたら特別に飯を出そう、どうだ」
グググ!屈辱的なのか顔を真っ赤にしてアーレイを睨む。
アーレイ)「ホレ、早く、早くしろ」
捕虜E)「貴様!」
握りこぶしを握り締め今にも飛びかかってきそうだった。
アーレイ)「フローレンス!撃て」
フローレンス)「はい!えッ?」
「早くしろ」
「アーレイ様・・・わかりました」
チャ!銃を構え狙いを定めるフローレンス。
捕虜E)「あわわわ、ザザザ」
銃を構えるフローレンスを見て慌てて土下座する士官。
アーレイ)「どうするフローレンス」
フローレンス)「・・・(試されてる、ここで逃げ出したらダメだ・・・」
カチ!フローレンスは覚悟を決め、トリガーを引き、バシュ!ギャー!、バッターン。出力最大のスタンを喰らった士官たちは大の字で床に伸びている。
アーレイ)「もういいよ帰ろう、ピンキー行くぞ」
フローレンス)「はい」
ピンキー「はいナノ!」
結局、更生は無理と判断したアーレイは、問題行動を起こす士官たちをルドルフが来るまで放置することを決め、城に引き上げる事にした。
アーレイ)「それじゃ上がるよ」
フローレンス)「はい」
キーン、ゆっくり上がってくべクスターを恨めしそうに眺めている捕虜たち。
アーレイ)「ふん、自業自得だよあいつら」
困惑顔のフローレンス。
フローレンス)「アーレイ様」
アーレイ)「人を初めて撃ったか、気持ちの良いものじゃないだろう」
「はい、何と言うか・・・とても嫌な気分です」
「それが普通の反応だよ」
「なぜ撃たせたのですか?」
「君の覚悟を見極める為だ、試して悪かった」
「わたし試されて当然だと思います、アーレイ様の補佐なのですから」
「そうか、これからは必要な時は絶対躊躇せず撃てよ。少しの判断ミスで自分が死ぬ事になる」
「・・・・」
「あのねフローレンス、僕と行動を共にすると何かしら騒動に巻き込まれる」
「はい、危機が迫ったら自分で判断して切り抜けろと」
「そうだね、なるべくそうならないようにするけど、その時に躊躇することは避けたいんだ」
「はい!」
「巻き込まれ易いんだよ、俺」
「私も巻き込まれました!」
「それ言う」
「ふふ」
「あの、アーレイ様、捕虜は如何しますか、このまま見捨てますか?」
「更生出来たらルドルフに話しをするつもりだったけど、無理だね」
「餓死するまで待ちます?」
「いや、ルドルフから頼まれていた事の一つさ」
「士官の態度ですか?」
「そう、最初の3人以外は駄目だと思ったが、正にその通りになった。駄目人間の集まりだよ」
「そうですね、ルドルフ准将はどうするのですか?」
「だからそのまま報告する、ルドルフは何もしないと思うよ、けど引き取ったらディスティアに到着する前に全員殺すとか、何かしら仕掛けると思うけど」
「マジですか?」
「下士官解放は盛り上がったけど、士官は全然盛り上がっていない」
「何故ですか?」
「階級差別だよ」
「獣人以外にもあるのですか?」
「残念ながらあるよ。士官になった途端に手のひら返しするんだ」
「デルタでは考えれません、アーレイ様が良い例です」
「俺ってそんな風に見られていたんだねー」
「そーですよー、陛下に対する態度が面白くて、そんなアーレイ様を見て意識するようになったのですから!」
「日頃の行いって奴?」
「はい、そうですよ!!」
「・・・・・・・」
「どうしましたか?」
「いえ、何でもないです」
「それでは続きをお願いします」
「今の帝国はその強烈な差別意識を巧みに利用しているんだよ。昔はそんな事は無かったみたいだけどね、セオドールに変わって激変した」
「ルドルフ准将の対応が以前のディスティアなのですか?」
「俺の聞いた話だけど、彼みたいな考えは少数派みたいだよ。セオドールに変わる前も差別意識はあったそうだ。求心力を高めるために大幅に士官の待遇を変えたらしいよ」
「それなら多少報告書を読みました。士官の住む場所は本部に近く、下士官は不便な所が多いとか」
「そう、お金を使わずできることはとことん変えている。食堂の席の位置とか事細かに変えているね」
「それであのような態度になるのですか?」
「それも原因の一つだね、ワンダが行っていただろ教会が跋扈しているって」
「はい、確かに言っていました、彼女も嫌っていましたね」
「それが普通だよ。教会もセオドールが裏で操ってると思うよ」
「処分に困りますね」
「また、ルドルフに聞いて見るよ」
「そうですね」
「さあ、城に戻ろうか・・・・」
何とも言えない嫌な気分で城に戻る2人だった。
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