星空の下で
アーレイの決断
2人っきりで飲んでいるフローレンスはアーレイにベッタリくっついてご満悦だ。
フローレンス)「こうやって密着していると心が満たされますねぇ!」
アーレイ)「上機嫌ですねー(棒」
「そりゃそうですよ〜、もうここで押し倒しても良いのですわよ」
あまりの攻撃に流石のアーレイも恥ずかしいのか顔が赤くなる。
アーレイ)「ちょっと今日は一段と攻めていませんか?」
フローレンス)「そう?通常運転です」
「・・・」
「ねえアーレイ様。外に行きませんか?」
「酔い覚ましですか?」
「はい!そうです。ちょっとお散歩です!」
散々飲んだ2人はほろ酔い気分で、少し肌寒い昼間遊んだビーチに繰り出す。その2人は、頭上を見上げながらビーチを歩いていた。
フローレンス)「凄い・・・・・綺麗な星空ですね」
数え切れない殆どの星達、大きく斜めに壮大な天の川が横断している。赤、白、青の星の色が判別できるほどの澄んだ空だ。
アーレイ)「ここは都市から離れているから綺麗に見えるよね」
フローレンス)「はい、なんてロマンチックな夜でしょ。ねえアーレイ様、手を繋いでください」
スッ、ギュ、アーレイは何も言わず彼女の手を握る。
フローレンス)「また一歩前進ですね!」
アーレイ)「・・・・(フローレンスの事を幸せにするには、俺が決断するしかないのか?」
恥ずかしいのか目線を合わせずにアーレイは黙って歩きだす。その表情を読んだフローレンスは・・・。
フローレンス)「あらあら、何か考え事ですか?」
アーレイ)「そうね、色々思うことがあるんだよ」
「告白は何時でも受け付けますからね!」
「俺は星団統一後、君たちの事までは考えていなかった」
「えっ、アーレイ様・・・そこまで」
2人はそれから何も言わず、ただ黙って歩いていく。
ザザーンそして砂浜を抜け、打ちつける波の音と磯の香りがする小高い丘まで歩いて来た。
ヒュー、何の前触れも無く冷たい風が通り抜け、少し経つとポツポツと雨が降り出しだす。さっきまで雲一つなかった星空に暗い雨雲に覆われはじめる。
フローレンス)「アーレイ様、展望台の所に屋根があります、そこで雨宿りをしましょう」
アーレイ)「そうだね、強く降るかもね」
ポツポツ、雨が徐々に強くなりながらも、手を繋いだまま展望台に滑り込むとザー!いきなり強い雨に変わる。
フローレンス)「ひゃー、ギリギリ間に合いましたね」
アーレイ)「濡れてない?」
「ええ大丈夫です。少しだけ濡れましたが」
少し濡れた光る髪の毛を耳に掛ける仕草がとても可愛い。
ヒュー、ビチビチビチ、風が吹き雨が更に強くなってきた。
フローレンス)「ですが風が出て来ましたね、ここじゃ濡れるので中に入りましょうか」
屋根だけの展望台とお思いきや、ちゃんとした小屋で中には椅子とテーブル、ベンチなどが設置してあった。
ザー!!外は結構な勢いで雨が降って来た。
フローレンス)「あらゃ、当分帰れませんね」
ビチビチ!結構な勢いで窓ガラスに打ち付ける雨。
アーレイ)「そうだね、スコールだから少し経てば止むよ」
フローレンス)「えへへぇ、2人っきりですね」
「さっきからそうだよ!」
ゴゴ、ゴ、ゴ!何やら重低音が響く、
アーレイ)「んっ?」
「ゴロゴロ」と嫌な音がしたと思いきや、突然ピッカ!・・・ドーン!近くに落雷が落ちた。
フローレンス)「キャー!」
いきなりの雷にびっくりしたフローレンスは、思わずアーレイに抱きついていた。
アーレイ)「大丈夫だよ、小屋の中にいれば安全だよ」
フローレンス)「そ、そうですけど怖いです」
「女の子って感じだね」
「もうー!女の子ですー!」
パッパパ、光が強く光り、アーレイの顔が青白き見えた。
フローレンス)「ヒャッ!」
空が妖しくピカッピカと連続で光り「ギュッ」と強く抱きしめられる。
フローレンス)「なんか、恋人同士みたいですね」
アーレイ)「暫定恋人じゃなかったの?」
「そうですけど・・・・意地悪・・・」
「だけど少佐の君は、あと半年後には王族の責務として去ってしまうんだよね」
「そうですよ、落とすなら今のうちです。今ならなんと!リボンをつけたフローレンスがついて来ます!お得ですよー、是非お求めください!」
「どこの通販番組ですかー」
「デルッタネットです」
「もう塗料はいらないよ」
「プッ!ピンキー画伯!」
「ふふふ」
「ははは」
笑い終わると瞬時に目が合う2人。スッと腰に回っていたフローレンスの腕がアーレイの背中に廻ってくる。
「 」
そして無言で見つめていると誘うかのように、上目使いのフローレンスがゆっくり目を閉じる。
アーレイ)「・・・(ごめん、彼女を見捨てられない・・・」
誘っているフローレンスに引き込まれるように、アーレイはフローレンスの唇を奪う。
「クチュ、ンン!」
2人ともお互いを更に引き寄せ強く抱きしめ合う。どれくらい経っただろうか自然と唇が離れ見つめ合う2人。
フローレンス)「やっと振り向いてくれました!」
アーレイ)「君の誘惑に負けました」
「ふふふ・・」
凄くいい笑顔のフローレンス。
フローレンス)「ありがとうアーレイ様」
アーレイ)「君を幸せにする自信が全く無いのですが・・・・」
「いいのこれは私が望んだ1番良い形なの。ねぇもっとキスして」
「ああ、良いよ」
再び重なり合う2人。
「んん!」
むさぼる様にキスを繰り返していると、フローレンスの体温が急上昇してくる。
フローレンス)「ねえ、もっと抱きしめて」
少し強めに抱きしめるアーレイに甘い香りが鼻を突き抜ける。
フローレンス)「んん!アーレイ様、このままベッドに連れってて」
アーレイ)「それは駄目だよ陛下に報告してからね」
「ふふ、そうですよね冷静な判断が出来ていませんね」
「君らしくないな」
「だって・・嬉しいんだもん」
「俺もだよ」
「キャ!」
サラサラ、天井に雫が流れる音は雨が止んだことを伝える。
アーレイ)「さあ、雨が小降りになったから戻ろうか」
フローレンス)「もう少しこのままで居させて」
「いいよ」
フローレンスはアーレイの胸に顔を埋め安堵の時を堪能している。
フローレンス)「ああ、胸の辺りのザワザワが無くなって、とても、いま、気持ちがいいです」
アーレイはフローレンスの頭を優しく抱き締め。
アーレイ)「僕も君のことが好きになっていたんだ」
フローレンス)「うん、知ってた」
「既に読まれていたのか」
「そりゃ、言動や仕草でわかりますって」
「妻に申し訳ないって気持ち半分、好きな君を抱き締めて嬉しい気持ち半分だけどね」
「本当は帰って欲しくないの、無理なのはわかっているの、けどこのままずっと一緒にいて欲しいの」
「何か、解決策を探さないとね」
「うん、私の為に探して、アーレイ」
「わかった」
「約束よ」
「足掻いてみるよ」
「ねっ!もっかいキスして」
「んん!」
抱き締め合う2人を祝うように、激しかった雨は止み、月明かりが窓から差し込んでいた。
アーレイ)「そろそろ戻ろうか」
フローレンス)「はい!」
雨が上がり月夜の中、先ほどとは違い恋人繋ぎで歩く2人。
フローレンス)「ふふふ」
アーレイ)「あっ!」
上機嫌なは2人のモジュールは個室に置きっぱなしだった・・・・。
フェアリー)「・・・・・放置プレイ!」
ーー
クーンに向かう為格納庫に集まっているアーレイ達。
アーレイ)「ジャクリーヌ世話になったね」
ジャクリーヌ)「いえ、いつでもお越しください」
フローレンス)「ジャクリーヌ様、有難うございました」
「おや、フローレンスは一段と綺麗になっていますね」
「エヘヘ・・・」
なぜかジャクリーヌと2人でガッツポーズをしていたよ。
ポコ)「準備完了ナノ!」
出発整備が終わったポコが来る。そしてドアを開き中に乗り込む。
アーレイ)「それでは、また」
ジャクリーヌ)「またお待ちしてます」
ーー
シュバ!、ジャンプアウトするベクスター。
アーレイ)「ワンダさん、まもなくクーンに到着します」
ワンダ)「わかりました、これから女王様と謁見があるのですか?」
「はい、アデール女王には1番最初にあって頂きます」
「どのような方ですか?」
「普通の女王です威張ることもありません、私の良き理解者です」
「安心しました。女王陛下に謁見なんて初めてなので緊張します」
「まあ一般人には無理言いませんから」
「わかりました」
ーー
アデール)「ようこそクーンにお越しくださいました。私が女王のアデールです」
ワンダ)「初めましてワンダと申します。作法など知らず失礼かと思いますがよろしくお願いします」
正面玄関から入り、そのまま謁見の間に入り挨拶を始めるアデール。
アデール)「気になさらないでください。貴方はルドルフ准将の奥様ですよね」
ワンダ)「はいそうです」
「貴方の旦那さんは立派な人ね」
「いえ、バカ真面目なだけです」
「そうですか、アーレイ少佐とは良いコンビが組めそうですわよ」
フローレンス)「あー、何となく分かるわー。真面目と不真面目の丁度いいバランスって奴」
アーレイ)「おい、フローレンス絞めるぞ」
フローレンス)「だって、ルドルフ准将は真面目な軍人さんって感じだもん」
アデール)「ワンダさんは獣人は気になりませんか?」
ワンダ)「ええ、全然大丈夫です、子供達も同じで気にしていません」
「そうですか、それならここでの生活は問題ないと思います。部屋は離れを用意しました。侍女を1人付けますのでわからないことは聞いてください」
「有難うございます、至れり尽くせりで申し訳ないです」
「いいのよ、アーレイ少佐の頼みですから、気になさらずに」
「流石に施されるだけでは申し訳が立ちません。ですが今の私にはお礼をしたくてもお金がありません。せめて何かお手伝いすることがあれば何でも申し付けてください」
「わかりました。それでは私の秘書でもやって貰おうかしら」
「ええ、私に出来ますか?」
「心配しないで、執事と侍女がいるから彼らが教えてくれます」
「はい、わかりました」
「そうね、ここに慣れるまで時間が必要だから3日後の朝に王宮に来て頂戴」
「畏まりました」
「ちゃんと給与は出しますわよ。秘密が多くなるので色々大変だと思うけどよろしくね」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします」
アーレイ)「ワンダさん、”部屋”は明日到着するとお思います」
ワンダ)「は、はい有難うございます」
「それとルドルフ准将と連絡を取る場合はこのモジュールを使ってください」
デルタの汎用品モジュールを渡す。
アーレイ)「ディスティアで使用していたモジュールとスマホは預かります」
ワンダ)「はい勿論です。ではこれを」
カバンの中からモジュールとスマホを取り出しアーレイに渡す。
アーレイ)「帰る際には返しますから、心配しないでください。必要な時は電波遮断した部屋で使えますから」
ワンダ)「はい、有難うございます」
アデール)「アーレイ少佐は今日はどうしますか?」
アーレイ)「んー、収容所を見たいのでこれから行ってきます。夕方にデルタに帰ろうと思えば帰れるのですが・・・」
ポコ)「泊まるナノ!」
アデール)「アーレイ少佐、今晩はワンダさんと食事会を開きたいので一緒に食べましょう」
アーレイ)「わかりました。お言葉に甘えさせて頂きます」
フローレンス)「アーレイ様、作戦本部の定期連絡は明日戻ると報告しますね」
アーレイ)「宜しくフローレンス」
フローレンス)「はい、任されました!」
こうしてルドルフの家族はクーンに住むことが決まった・・。
宜しければ、デルタリア編の、ブクマ、評価お願いします。




