67話、葵と御一行の街観光
スノーは絶望感を漂わせ
「我のだけ野菜しかない。何故だ……」
って呟きながらもそもそ食べ始めた。
見てたらざまーみろっ!て気分より可哀想と言うか微妙な気分になって、あげたよ。お肉。
差し出しながら
「怖いから、もうちょっと移動スピード緩めて欲しい」
ってちゃんと伝えてね。
スノーの返しは「速く着く方がよかろう?」だった。
ノアちゃんが『あるじこわいって!』
ジルが「スノー。人間があの速さで移動するなんて普通ないんだよ!俺でも若干の怖さ感じてたし!」
って援護してくれたけど、あれくらいで?みたいな顔してた。ははは。
そのうち慣れるんだろうか…。
ジルと2人で遠い目になっちゃった。
ご飯を食べた後は、そのままトランクの中でお昼まで、私は魔法練習、ジルは剣の素振り、ノアは駆け回って遊んでた。スノーは寝てた。
昼食はサンドイッチにして、ギルドに向かう。
次の魔物を降ろさないと!大量の虹色蜘蛛どうしよう。
「アオイさん!待ってましたよ!!」
ドア入った瞬間にギルドマスター直々に迎えられて、そのまま倉庫へ。
綺麗に並べられたお肉と素材を回収して、次はコカトリス×10とギガントミノタウロス×5、虹色蜘蛛×20を出す。
「昨日も虹色蜘蛛×20だったのに今日もですか!?この街のギルドとしてはありがたい!もしやまだお持ちで??」
ギルドマスターは昨日と同じく手をコネコネしながら聞いて来た。
「まだ、全然アイテムボックスに入ってますね…。出来れば可能な限り引き取って頂きたいです」
くもをずっと入れとくのはやだなぁ。
「わかりました!ギルドとしても虹色蜘蛛が大量に入るとなるとそうそうないチャンスですからな、頑張らせて頂きます!!」
ズイッと顔を近づけて腕をワキワキさせながら、ギラついた目でギルドマスターが言うもんだから
「よろしくお願いします…」
引き気味で答えた。顔が近いっ!!
ギルドで魔物の交換を終えてからは、皆んなで街を観光する事にした。
虹色蜘蛛もそうだけど、一般庶民が買う服に使う糸は魔物の糸が主流らしい。毛皮とかもあるけど、魔物の毛皮だから値が張るんだって。
「そろそろ冬に着る服買って準備しないと、夏の服だけじゃ絶対寒い!」
スノーに乗って移動中とかやばいでしょ!絶対!!
想像しただけでちょっと寒くなった。ブルッ!
「流石、繊維業が盛んな街なだけあるな。安くて品揃えも沢山あるし、気に入ったもの買えるんじゃない?」
通りを見回しながらジルが言う。
「ジルは冬物持ってますか?私、ここでは初めてだから何が必要かわからないんですけど」
「ん?そりゃ待ってるでしょ。でなきゃ冬、何着るんだよ。つってもマントを着るとか、そんなもんだけどな」
「マント!!なんか異世界っぽい!」
「向こうの世界にマントないの??」
「ありますけど、通常は着ないですね。昔はよく着てたと思いますけど、今はどこかの国の王様とかでも戴冠式とか以外は滅多に着てないですし、冬に着る民族衣装の時とかくらいだと思います」
マント型のコートもあるけど、個人的にあれはマントと言うよりやっぱりコートだ。
「へぇー。マント着ないで何着るのか見れるなら見てみたい気もするな!」
「いつでも見せれますけど?」
って話をしながらちょっと高そうな洋装店に入る。
「いらっしゃいませ」
一見にこやかだけど、値踏みするような店員さん?の視線を感じる。
私とジルの服装的にそう思うのかな?大多数の人の服と同じだし。
ここに入ったのはファー付きのマントが目に付いたから!
綺麗な青色に、白のファー。裾の方にちょっと刺繍があってシンプルなのに上品な感じ。
値段は…大金貨30枚!良い値段するね!!
「そちらは大金貨30枚。当店の品物は少々値が張ります。お客様には少し厳しいかと…」
って言う店員さんの言葉をにこやかに無視して、大金貨30枚パッと差し出したら、態度がコロッと変わって媚びるように説明をしだした。聞き流しながら
「ジルも何か買いますか?」
「俺は…あ、これ良いね!なんかかっこいい!」
って手に取ったのは、黒に茶色のファー付きマント。お値段大金貨50枚!
「お目が高いこちらは………」
うんたらかんたらと説明し始めたのを無視して、ジルは白金貨で払ってた。
「ここでの買い物は終わったでしょ?もう出よう!」
マントを受け取ってそのまま私の手を引いてサクサク出ていくジル。なんかいつもよりそっけない。
店員さんの慌てて「ありがとうございました。またッ」
ガチャッ。パタンッ。
「客の服装みて決めて、金持ってると思ったら態度変えたのなんか腹立つ!」って怒ってら。
珍しいとか思いつつ、気を取り直して買い物を進める。
冬用に少し厚めの生地になった服や飾り気のない普通のマント、バッグを買ったり、革製品専門店で、ブーツやお財布を買ったり。
今回もお金たくさん使ったけど、全然減った感じしない。




