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35話、続*葵と従魔と隊長さん




紅茶を出して誤魔化して落ち着いたと思ったら

隊長さんは日本庭園をぐるぐる見て回って興奮して

練習場を発見して興奮して

廊下をぐるぐる見て回って興奮して

戻って来て思い出しては興奮してって軽く3時間くらい興奮しっぱなしだった。

部屋もバンバン開けてくから、畳に麻袋のまま置いてたお金は急いでアイテムボックスに隠した。鍵の掛かる箱なり棚なり見つけなきゃだなぁ。

「凄いっ!凄いっ!!文献で読んではいたけどトランクの中がこんな風になってたなんて!!」

語尾伸ばすのも忘れて?興奮するから引いた。

そもそもトランクの中とは言え、人の家なのになんの断りもなく部屋開けてくとか普通に引く。

スノーは興味なさげに寝てる。隊長さんが興奮するきっかけ作った張本人なのに。

全部見られた後だし今更気にしても意味ないから、もうどうにでもなれ!


「そこまで喜んで貰えて良かったです…ん?文献??」

「そう!滅多に出てこないからそんなにないけど、見つかった記録とかは残ってるんだよね!はぁー!この目で実物を見れる日が来るとは!!アオイちゃんが居ると他の伝説も本当になる気がするねぇ〜」

あはは〜って笑い事じゃない!

目立ちたいわけじゃないのに!!

スノーといる時点で無理だと思うけどそれでもっ!

「それにしても、トランクの中って見た事ない様式の建物と庭だけど、なんだか落ち着くなぁ〜」

そうでしょう!そうでしょう!

ダイニングとキッチンはともかく他はTHE日本!ですからね!私元の世界でこんな家住んだ事ないけど!


あぁ、もう日が落ちる時間か。

トランクの中の時間は外と一緒になってるみたいで、時間感覚狂わないからありがたい。

時計とか買ってなかったから、また魔道具店とか見に行ってみよう。

「時間も時間ですから晩御飯食べて行きますか?」

帰れっ!帰れっ!って願いながら社交辞令のつもりで言ったんだけど

「いいのぉー!?じゃあお言葉に甘えさせてもぉらおっ!」

ちーん。ちくしょー!今度同じ事あったらもう夜ですよって言ってやるぅーっ!!

なんにしようか、オーク肉も大量にあるからとんかつにしよう。いやソースカツ丼にしよっ!キッチンの作業台に隠れてスキル必要なものを買ってお米を炊く準備をする。

人が作業してる間に隊長さんがスノーに話し始めた。

「このトランクが出て来る可能性のあるダンジョンは確か、3つ先にあるセダールにもあったなぁ。俺も欲しいけど流石に30階層あるとこ1人で踏破出来るわけないしぃ、そもそも200年くらい誰も出来てないし。」

見たら欲しくならますよね〜。

隊長さん一瞬こっち見たけどなんで?嫌よ??

ダンジョンとかまだ行かないよ!?

「ダンジョンか、面白そうだな」

おい、こら、スノーぉぉ!!!!

「あ、スノーは興味出てきたぁ?でも、アオイちゃんが可哀想だから行っておいでとは言えないなぁ」

隊長さんがこっちをチラッチラッ。

「むむむ?何故だ?我が居るから大丈夫だろう?」

「もう少し使える魔法増えないと流石に大変だよぉ」

使える魔法が少し増えたくらいじゃ変わりませんよ!

反応したらダメ。ダメったらダメ。

「使える魔法を増やせば良いのか。森でも良いが此処で練習すれば、ジルも主の練習を見れば行ってもいいか判断出来るな!」

あかん!これは無視してたら勝手に決まる!

「ねぇ!私ダンジョンなんか行かないよ?」

いつかは行くかもだけど今じゃない!

「ダンジョンには魔物もいっぱい居るけど宝石に宝箱、剣とか色々ドロップ品も沢山あるよぉ?宝石とか女の子は欲しがるもんじゃないの?」

残念そうに言ってるけど、危ないって言ったの隊長さんだよね?

「……私宝石そこまで興味ないんで…てゆか怖いの嫌なんですけど。魔物ウジャウジャとか勘弁して欲しい…」

「あれぇ?女の子はみんな宝石をやれば喜ぶって先輩に聞いたんだけどなぁ」

どんなチャラ男情報やねん!!

女の子慣れしてそうだから経験則かと思ったけど先輩かい!

「その目は俺が女の子慣れしてるとか思ってるでしょぉ?職務上慣れたけど俺その辺の経験ないんだよねぇ。あははっ!」

まじか!経験ないとか信じられない!

あれ?あははって笑って言っても良い事なのか??

一緒に笑うべき??

なんかフォローするべき??

一応私も経験ない設定だけどどうする??

「……今まで特に気にしてなかったけどなんかその反応は傷ついちゃうよぉ〜軽く流してくれた方がいいでぇーす!」

「聞かなかった事にします!」

「なんか違う気もするけどまぁいっかぁ!」

なんか隊長さん気にしてなさそうだけど、申し訳ない気がして気まずいから私はお風呂に行く!

「お米つけてる間にお風呂に入ってくるから、スノーは隊長さんと喋っててね!」

言い切って走ってお風呂に逃げる。



ふぅーさっぱりしたあー!

パジャマを着て、ご飯の準備の続きしまーす!

ソースカツ丼!ソースカツ丼ーっ!

ウキウキしながらダイニングの引き戸を開けて、そのまま閉めた。

「隊長さんが居るの忘れてたーっ!!」

顔を両手で隠しながら座り込んだ。

向こうから引き戸を開けられ、目の前に隊長さんが座り込んで、私の両手を掴んで顔からどかしながら

「この短時間で忘れるって酷くない?なんかこの街に売ってある石鹸じゃしない良い匂いするし、見た事ない格好してるけど何処のやつ??」

って覗き込んできた。

私森から来た設定だから他国とか言えなくない?

そもそも違う国でも今着てるパジャマっぽいの売ってるかわからないけど!自作ですって言って今作れって言われても無理だし、詰んだ。

隊長さんの後ろに見えるスノーは呆れた顔してる。

「……とりあえずご飯作って良いですか?」






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