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討魔戦鬼ブランク〜手名芽市神魔討伐譚〜  作者: 九頭龍
第七話 祈りより生まれしモノ、戦鬼ブランク復活
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7-8


「くぅっ、マズイッ!」


 迫る攻撃の威力を肌で感じ、グレイバーが空中で防御姿勢を取る。だが、衝撃はグレイバーの正面からではなく、真横からぶつかるように訪れた。


「えっ……?」


「無事で良かった。良く踏ん張ったな、グレイバーッ!」


 高速の空高く跳ぶ重厚なバイク。マリスチェイサーから腕を伸ばし、落下中のグレイバーを受け止め脇に抱えたブランクが、ブライの攻撃を躱し着地する。


「っ……ブランクに八葉さん! もう大丈夫なんですか?」


「うむ、新の寝坊癖には僻遠したが……ようやくな」


 ブランクの背後から顔を出しニヤリと笑う八葉。ブランクは気まずそうに頭を掻く真似をした。


「ん〜……まあゆっくり寝れたみたいだな。それもこれもグレイバーが頑張ってくれたからさ」


「あ、うぅ……すみません。僕、あの条件を破って、一人で戦ってしまいました」


「その事なら哲也や八葉から事情を聞いたよ。だから君を責めたりはしない。むしろ、そのおかげでいくつもの命が救われたんだ。俺はグレイバーに感謝しかしようが無いぞ。でも後は俺に任せて欲しい……いいね?」


「は、はい! でもあいつは本当に強いですよ。一人で大丈夫なんですか?」


 グレイバーの問いかけに、ブランクは何も言わずに彼の肩をポンと叩く事で応えると、立ち上がる。


「よう、待たせたようだな、ブライ」


 満身創痍なグレイバーを残してチェイサーを降りると、ブランクがブライに向かって気さくに話しかける。


「やっと来たか、ブランク。けっ、もう少し遅れてれば、お仲間の死体を観れたのに、残念だったな」


「それがグレイバーの事を言っているのなら、彼はお前達ごときに決して負けはしないと答えよう。もっとも、これから相手するのは俺だけどな」


「ふふん、それを言うなら俺達の間違いだな」


 背後のバイクとグレイバーを守るように、ブライの前で構えるブランクと八葉。その時ブランクに哲也の通信が入った。


「新……さっき渡したブーストギアの効果と使い方は、道中で説明した通りだ。やれそうかい?」


「ああ、ぶっつけ本番だけどやってみるさ。だから、こいつは任せろ。哲也はそのままグレイバーを……智秋君を避難させてくれ」


「了解だ、僕達はこのまま病院へ戻ろう。けれど、通信はそのまま続けるよ」


 ブランクが無言で頷くと、バイクがブランクの後方へと走り出した。思わず後を追おうとしたブライを、ブランクが掌を向け制す。


「おいおい、どこに行くつもりだ、ブライ。お前の相手は俺……いや、俺達だと言ったろう?」


「ふんっ、良いだろう。待っててやるから、さっさとそこの小娘と合体しやがれ。まさか、そのまま俺とやるつもりじゃねえだろ?」


「悪いな。それじゃあ、お言葉に甘えて、そうさせてもらうぞ。ディスコネクト!」


 白い光がブランクを包み、ブランクギアが解除される。


「おい! 何のつもりだ?」


 ブランクの予想外な行動に、苛立ったブライがガンッと両拳を打ち合わせる。

 ただそれだけの動作から生まれた突風が、新の髪と服を激しく揺らす。

 しかし、新は全く動じず笑みさえ浮かべながら、右腕にブーストギアをガチャリとはめた。


「慌てるなよ……今から良い物を見せてやる。行くぞ、八葉」


「うむ、いつでも良いぞ!」


 背後で八葉が頷く気配を感じながら、新が目の高さに上げた両腕を交差させ叫んだ。


「はぁぁぁっ、クロス・チェンジッ!!」


 その瞬間、新の両腕にある二つのギアが光を放ち、それがまるで逆再生されるかのように新へと向かって収束吸収される。


「ハッ!」


 光を吸収し自身に纏う事で、さながら人型の太陽のようになった新が、上げた両腕を勢い良く振り下ろす。それによって光は形を変え、新を新たなブランクへと変化させた。

 白い装甲色と、頭部の赤いスリットアイこそ今まで通りだが、全身に追加されたように見える装甲が、以前の曲面が多くスラリとしたシルエットから大きく変わっている。

 それはグレイバーの第一封印を解放した、あの鎧のような姿に似ていた。


「よし、まずは成功だな。これが新しいブランクか……」


 自身の体を見回しているブランクの背中に、八葉がペタリと手を置く。


「喜ぶのもいいがな、新よ。お相手はお待ちかねのようだ。次の段階へ進むぞ……憑依合身っ!」


「応っ、エクシード・コネクトッ!!」


 ブランクと八葉を中心に青い光が生まれる。その中で、二人の影が完全に溶け合った。

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