視点が分かりにくい
視点変更は明示するように
(まずは一人称小説を前提としている)
視点変更、すなわち、「語り手が変わる」ということは、大抵の小説で用いられる技法。
だが!
多かれ少なかれ、そこで読み手は、戸惑う。
とくに、「誰だが分からない人が語っている」というのが、思いのほかストレスだ。理解力を消費する。
なので、手っ取り早く、書いて欲しい、語り手を。
このように。
◆語り手: 一太郎
明示するだけで、もう、かなり、読みやすさ、違う。
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次、【三人称】について。
ここでは、「一人称 小説」と「三人称 小説」の違いは割愛する。
それは、すでに、何となく知っている前提で、書く。
一人称小説の方が、作りやすい人もいれば、
三人称小説の方が、作りやすい人もいる。私は後者。
だが、三人称小説で、とくに注意がいる点に気付く。
それは、【視点】。
そして、「視点」とは、「カメラの位置」だ。
カメラの位置?
3Dゲームをイメージしてほしい。
プレイヤーから見える映像は、プレイヤーキャラクターの後ろ(TPSなど)や、プレイヤーキャラクターと同じ視点(FPS)。これらは一人称小説のイメージか。
※TPSやFPSというのはゲームジャンル。
このイメージで言うなら、三人称小説は、作中のキャラクターとは無関係に、「カメラだけが」、世界を飛び回って、あちらこちらの情景を、映している。そんな感じだ。
*
大事な点は、「カメラの移動」。
一人称小説ならば、基本的にプレイヤーキャラクター(通常は主人公)の移動が、そのまんま、カメラの移動と同じだ。
でも! 三人称小説では、それを逸脱することがある。
――つまり、主人公を置いてけぼりで、カメラだけが、別なところを飛んで、その情景を描いてしまったり。
ま、それが、三人称小説の利点でもあるわけだけれども、短所にもつながる。
できれば、三人称小説であろうと、基本的には、主人公を追っかけてほしい。
それが、読者の混乱、違和感を減らす。
もし、主人公とは、無関係な人・場所を描写したい場合には、そのことを明示するよう、注意して欲しい。
つまり、視点が変わったこと(プレイヤーキャラクターの変更)、場所が変わったこと、それを、逐一、ハッキリと、書いてほしい。
場所を伝えるのに、必ず、細かな情景描写が要る……わけではない。
単に、”商店街に来た”だけでもいい。むしろ、その方が、判然としている。
視点キャラクターが、A君からB氏に変わったなら、
◆視点:B氏
などのように、明示してほしい。
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読者に断りもなく、語り手および、視点キャラクターが、いつの間にか変更されている小説を、見かけ、これについて語ろうと考え、ここに記す。