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91話 『寝言は寝て言え』


朝、いつものように目が覚める。

昨日は遅くまで飲みすぎてしまった。

やはりというべきか。ドワーフ達は酒豪で大いに飲み食いしていた。あんなに飲んで次の日は大丈夫なのかと心配にもなったが…


外に出て旅館に向かうと二日酔いを全く思わせない顔で支度を済ませたであろうドワーフ達に遭遇した。

どうやら杞憂だったらしい。


「師よ、世話になった!」


「今から帰るのか?」


「そうだ!」


「じゃあ送ってやる。お前らの国は何処だ?」


「いえ…師匠のお手を煩わせるなど…」


「国交を結ぶ相手が帰り道に何かあったら不味いだろうが」


「そ、そういうことであれば…わ、我が国はここから西に2ヶ月ほど進んで行った先の火山、その麓にあります」


ふむ、火山の麓か。ここからでも俺なら見える。

マーカーを付けた。飛べるな。

ゲートを開く。今回のイメージは光の門だ。

何となく神聖な感じがして良さそうな気がした。

いつも通りに作ったらワームホールというか暗い感じの門になる。

今回もそうしてしまうといよいよ魔王疑惑が強くなってしまうので光の門にした。


「おぉ……」


何やら驚いているが転移魔法とか魔道具なんかはドワーフの所では作られてないのか?

まぁいいか。今更凡人のフリをしても無理がある。


「おい。いつまでもボケっとしてないでとっとと入れ」


「っは!つい見蕩れてしまった!申し訳ない」


「1週間はこのままにして置いてやる。その間に話しをまとめろ。」


「分かった!必ずまとめるとしよう!」


そう言ってドワーフ達は全員が門を潜っていった。


嵐のような連中だったが。居ないと居ないで少しだけ寂しくも感じるような気がする。

多分気のせいだな。


そういえば、昨日来ていたエルフの連中はどうしたのだろうか。


そう思った俺は史記に連絡する。


『彼等なら野営をしてます。』


「野営……?ああ、結局説得は無理だったか」


「はい。彼等はテコでも動かない気なのかも知れないですね」


と言いつつ呆れた雰囲気で答える。


「めんどくさい連中だな……モンスターでも嗾けるか?」


『いえ、それをやっても彼等はきっと動きませんよ』


「それは困ったなぁ…」


そうだ。強制送還しよう。


「えぇ。それがいいかもしれませんね…」


と答える史記の声には若干の疲れが見える

相当参っているみたいだな。


「これを機に森の結界も改造しよう。迷いの効果とかランダム転位とか」


「そうですね。あとは出来ればそもそもの侵入を拒む効果があれば最高です」


「わかった。そうしよう」


俺はただ人気の無い森でスローライフがしたいだけなのに何故こんなにも面倒事がやって来るんだ。


思わず頭を抱えそうになった。



エルフの居る西門に来た。

どうやら本当に野営をしているようで木の枝や葉を使ったテントが立てられている。

もんの周辺は拓けた土地とはいえ。景観が悪くなるのでやめて欲しいものだ。


無駄だとは思うが声を掛ける


「お前らさっさと国に帰れ。迷惑だ」


声を掛けるとエルフのリーダーと思わしき女が立ち上がり急いでこちらに来る。


「我等の信仰上そう言われましても帰れません!」


いいから帰れよめんどくさいからマジで。

若干イライラしてしまった俺は最終手段を取る事にした。


「じゃあいい。それならこっちにも考えがある。」


「で、では!?世界じゅ─」


エルフが何かを言う前に地面に巨大な魔法陣が現れてその上にあるものを全てを呑み込んだ。


「一件落着……だな?」


「はい」


ちなみにエルフ達の住処はよく分からないのでここから一番遠い西側の土地に適当に飛ばした。あとは知らない。


「さて、改造の時間だ」



結界の外周地点に俺、もしくは俺が認めた物以外の生物、物質の侵入を禁止する効果

それから結界内部への転移の無効化。上からも通り抜けられないように高高度に結界の設置を行った。

あとは何だ。結界自体に干渉して弄られてはたまらないのでそこら辺の付与と更には物理的な壁をその外側に設置。土製だが魔力をかなり込めて作った。

色は白にしておく。茶色って見栄えが悪いし。


海側には丁度いい土地が合ったので港を作り壁を作って通り道には巨大な門を設置。扉型ではなくなんと言えばいいのか。下から壁が上がるタイプだ。

開閉のボタンは港の中に置いてあるから外からの解除は不可能だ。

ボタンの周辺にはモニターがあるのでそれで会話してから開けるようにしよう。

と言っても使うかどうか不明だがな。

まぁ街の部分は手をつけていないから港と言ってもほんとに側だけだがな。


港以外の海側には巨大な壁と結界の新設を行った。

森の中に入られても結界はあるがそこで死なれても目覚めが悪い。

そもそも魔の森に俺目的で来るな。

禁忌の土地なんだろ?



そうこうしている間に昼になった。

寧ろこんな大規模な事がこんな短時間で出来るのが異常なんだろうが、知ったことか。


俺は好きでもない国だの人だのに悩まされないスローライフがしたいのだ。

人と関わるのはあくまでも自分が話して人間性を見てから決めたい。と言いうか人以外と関わりたい。

みんながみんな悪い人間では無いのは分かるが、大量の人間に関わるって言うのはどうしても悪人が出る。

魚が嫌いなのに海に釣りなんて行かないだろ?

そう言うもんだ。


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