9話 『人外』
外に出た俺達は、魔物を探すことにした。
「そう言えば魔物ってどうやって生まれるんだ?魔力の塊からか?」
「うむ、その通りじゃ。よく知っておったな、異世界の知識か?」
「まぁ、そんなもんだ。」
ラノベの知識だがな。
「この森って結構魔力に満ちてるだろ?ならどうしてこんな魔物が発生しないんだ?」
「それはそうじゃよ、そんなぽんぽん生き物が生まれたらこの世は魔物だらけじゃ」
「ふむ、確かにな。」
「魔物が生まれるにはゆっくりと時間を掛けて魔力を集める必要があるんじゃ。魔力の濃度が濃いこの森じゃと日に30体程生まれるのじゃ。」
「ふむ、多いな。」
「そうじゃな。じゃが全体的に見た時、人間も対して変わらんじゃろ?」
「それもそうだな。」
そんな話をしてるとき、近くに魔物の反応があった。
「20匹だな。」
「うむ、そうみたいじゃな」
「エルも解るのか?気配感知は持ってないだろ?」
「我は魔物じゃからな。人とは違って気配感知なんぞなくても魔物の気配や魔力くらいわかる。」
「ふむ、そうなのか。」
「主は気にしないのか?」
「何をだ」
「我が魔物だという事だ」
「今更だな。火竜の姿で合っただろう。」
「カカッ、それもそうじゃな」
「さてと、それじゃあ狩りに行ってくるわ」
「うむ、我はここから見ているぞ」
「ああ」
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「こいつは...ゴブリンか...?いや、上位種だな」
俺が見たのは洞窟の前で集まっている体長が2mくらいあるゴブリンの群れだった。しかもただのゴブリンより気色悪い顔をしてるな。なんと言うか、悪意に満ちた表情をしている。とりあえず鑑定
「ホブゴブリン♂」
Lv20
体力1500
攻撃300
魔攻40
魔力150
防御300
魔防150
敏捷160
スキル
「棍棒術」Lv5
「強奪」Lv3
「性技」Lv5
ホブゴブリン。ゴブリンが進化した個体で、ゴブリンとは比べ物にならないほど強い。長く生きている個体なので、知能があり非常に危険。
この個体が居るゴブリンの群れは危険度が上がる。
おぉ、ゴブリンとは次元が違うな。
ざっと100倍くらいか?いや、レベルを考えると20倍か?それはともかく、これなら検証するのに困らないな。
それから俺は20匹のホブゴブリンを鑑定したが。
1体だけ違うやつが居た。
ゴブリンロード
Lv40
体力9000
攻撃2700
魔攻900
魔力2500
防御1800
魔防900
敏捷2250
スキル
「王の覇気」Lv5 (ユニーク)
「棍棒術」Lv7
「剣術」Lv6
「強奪」Lv5
「性技」Lv8
ゴブリンロード。ゴブリンの最終進化。災厄級。
もはやゴブリンとは別存在で、この個体が居る群れは、国単位で対処しなければならないほど危険。
災厄とやらも、結局は火竜よりは弱いな。いや、それが当たり前か。ドラゴンより強いゴブリン何て居ないだろ。
まぁ、こいつらならいい練習相手になるな。
身体操作を全力で使って俺のステータスのみでやってみるか。もちろん武器も使わない。
「こっちだゴブリン共!!!」
「「「「「「グギャ!?」」」」」」
ゴブリンに向かって駆け出した俺はゴブリンをぶん殴り、蹴り、捻り、砕き、突き刺して殺しまくった。本当に止まって見えるな。そしてこの体はたしかに人外だ。こいつらをこんなに殺しても何にも思わない。
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「ふむ、やはりお前が最後まで残ったか。」
全身にゴブリンの血を浴びながら俺はゴブリンロードを見た。
「グギギッ!!グギャァァァ!!!」
「ははっ、そうかそうか。」
何故かこいつの言葉が分かるな。
そしてこいつはこう言っている。
「貴様!!殺して喰ってやる!!!」
的な事を言っている。
「無理だな」
「グギャァァァ!!!」
そう吠えたゴブリンロードはそのまま襲い掛かってきた。
そして、それを見た俺は...
「だから言っただろう。」
歩いて近づき、そのまま心臓付近に突き手で突き直接魔石を取り出した。
「グギッ...」
やっぱり生きたまま魔石を取り出したら死ぬんだな。
いい勉強になったよ。
ピロン♪レベルが上がりました
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流石にレベルが上がったな。
だが今はそれよりも...
「このゴブリンの山どうするかな。」
とりあえず亜空間に放り込むか。
「ふぅ、早く風呂に入りたいな」
戦闘描写難しい。私に格闘技の経験とかあれば上手く表現出来るんですかね?