10話 『風呂』
「戻ったぞ」
「うむ、凄い蹂躙じゃったな」
「ああ、確かにあれはまともな戦闘と呼べるものじゃかったな。」
「主とまともに戦える相手なぞ、神くらいじゃないのかの」
「神とか居るのか?」
「さぁ?我にも分からん。」
「ふむ、お前でも知らないのか」
「我にも分からないことはあるからの」
「それもそうだな。」
「それより、主」
「ん?」
「そろそろ帰らんか?主、血塗れじゃぞ?」
「あぁ、そうだな。早く帰って風呂入るか。」
「む?風呂とは水浴びのようなものか?」
「あー、そうだな。温かいお湯に浸かるんだ。」
「なるほどのぉ、人は変わったことを思いつくんじゃな。」
「帰ったら入り方とか教えてやるさ」
「うむ、わかったのじゃ」
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そうして拠点に帰ってきた俺は、早速エルに風呂の入り方とシャワーやシャンプー、リンスなどの使い方を教えた。
「まぁ、こんな感じだ。お前着替えの服は脱衣所の棚に入れて置くぞ。とりあえず俺は先に入ってるからな。」
「うむ、わかったのじゃ!」
そして風呂に入った俺は、体を洗う事にした。
すると...
「うわぁ、流石にこれは猟奇的だな」
風呂場が血に染った。しかも髪の中にめちゃくちゃ入ってて気持ち悪い。換気をちゃんとしないとな。風呂場の血とその臭いを処理した後、風呂に入った。
「はぁぁ...」
暖まるな...
「来たのじゃ!」
エルが入ってきた、もちろんタオルは巻いているが。
「何故お前が入って来る?」
「む?それはもちろん洗ってもらうためじゃ!」
「お前には恥じらいは無いのか?」
「あるに決まっておるだろう。」
いや、そこで頬を染められてもな...
「じゃあなんで入って来た?」
「それは我が惚れておるからじゃな!」
「意味がわからん」
「どちらにせよ!主と風呂に入るぞ!」
こうなったらテコでも動かないだろうな...
「はぁ、好きにしろ...でも自分で洗えるだろ?」
「洗えないのじゃ!」
「は?使い方は教えただろ?」
「実際に見たことも無いものを口で説明しても全てが分かるわけじゃないのじゃ!主が実際に教えてくれ!」
「ふむ、確かに一理有るが...」
「じゃろ!やってくれ!」
「ふむ、わかった。」
「やったのじゃあ!」
「ただし、体は自分で洗えよ?」
「えっ?」
「は?」
何言ってんだこいつ、流石に洗えるだろ...
「無理じゃ」
「ただ泡立てた石鹸で洗うだけだぞ?」
「我、石鹸の泡立てとか分からないのじゃ」
「そんなに洗ってほしいのか?」
「うむ!」
「お前もっと危機感を持て、俺がお前を襲うかも知れないんだぞ?」
「む?それならそれで構わんぞ?主ならいつでもウェルカムじゃ!」
「いや、俺が構うわ」
「連れないの〜」
「お前...合ってから1日も経ってない奴の事をホイホイ信じるなよ。」
こいつ、すぐ騙されるんじゃないか?
「大丈夫じゃよ!我がホイホイ信じるのは主だけじゃ!」
何故そうなる。こいつ好感度のメーターはいつ振り切ったんだ?
「はぁ...わかった。洗ってやる。
でも今日だけだぞ?」
何だかんだで俺はこいつに甘いな。
まさか人恋しかったのか?いや、俺は元々そんなに話すタイプじゃなかったからそうじゃないか。
こいつが魔物だからか?それともこいつの無邪気な性格のせいか?それともこいつは俺を避けないからか?分からない。
「やったのじゃあ!」
まぁ、いいか。
それから色々合ったが。割愛する。
ただ、これだけは言っておこう。
俺にだって性欲くらいあるんだ。辛い戦いだった、何であの見た目であんなに色気があるんだ?俺を堕とす気か?いや、その気だったか...
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風呂から上がり、パジャマに着替えたエルが牛乳を飲んではしゃいだ後、俺は歯を磨いて寝ることにした。
「じゃあ、俺は寝るわ。」
「おやすみなのじゃ」
そう言って俺は自室に戻った。
そしてエルも着いてきた
「1人で寝られないはなしだぞ?」
「む?一緒に寝ないのか?」
「お前の部屋創っただろ?そこで寝ろ」
「むぅ...そうか。わかったのじゃ」
そう言ってエルは部屋から出ていった。
やけにあっさり帰ったな。もう少し粘ると思ったんだが...これは嫌な予感がするな。
一応空間魔法で扉固定して鍵掛けとくか。
流石にこれで入って来れないだろ
その日の夜中にやたらと外から扉を開けようとした音なんて聞こえなかった。
ドンドン扉を叩く音なんて全く聞こえなかった。
全く聞こえなかった!
まぁ、嘘だが。




