83話『悪気は無かった』
お待たせしました。
部屋の後片付けは全部ゴミ箱と呼んでいる空間に放り込むことで済ませた。
さて、今から帰れば朝食には間に合うだろう。
最近、どんどん睡眠時間が少なくなってきているが、高いステータスのせいかはたまた別の要因があるのかは分からないが全く眠くならない。
俺の身体はどんどん人を辞めていっているらしい。
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帰宅した俺は風呂に入っていないことを思い出し、とりあえず入浴する事にした。
と、思ったが今は誰かが入ってる様だ。女湯モードになっているので入っているのはエルかセアルだろう。
仕方ないので自室に増設したバスルームを使う事にしたのだが。
「ん?シャワーの音?」
部屋の中では何故かシャワーの音が聞こえてくる。
恐らくはエルだろう。
何故大風呂でセアルと入らないのかは謎だ。
とりあえず扉をノックして確認する。
「入ってるのじゃ」
何故俺の部屋の風呂を使う?
エルの部屋にもあるだろ?
「エルか?」
「うむ!」
「えーと、どうして俺の部屋の風呂なんだ?」
「気分じゃ!」
あ、はい。そうですか。
「あー、おう、そうか。」
「うむ!……あ、ぬ、主も一緒入るか?」
「あ、ああ。」
この後2人で風呂に入ったが特に何も無かった。
何も!無かった!
風呂上がりにリビングに行くとセアルが居て朝食を用意していた。
朝食はあさりの味噌汁、ご飯、たくあん、鯖(魔物)、サラダだった。飲み物は麦茶。
二日酔いに効きそうなメニューだな。
いつもの様に朝食を済ませるとエルはそのまま俺の部屋で寝た。
食べたら寝る生活を繰り返してるといつか牛になりそうだな。まぁ、ドラゴンだし大丈夫か。
セアルは家事を済ませるとすぐに何処かに出掛けた。
昼には戻ってくるらしい。
俺は昨日の灰の山にした西の森が気になるのでそこに足を運ぶことにした。
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「うわぁマジか」
前回敢えて灰以外をそのままにして来たがこうなるとはな…
俺が西の森に着いた時には
世にも美しい『天使』が居た。
比喩では無く、羽の生えた本物の天使だ。
彼女はこの森で産まれたにしてはあまりにも無垢な笑顔で、森の中を駆け回っている。
まるで子供が近所の森の中を探検するように、エルフが森と戯れるかの様に。
そして、彼女が出てきた事で何かしらのエネルギーを消費したのか。あれ程光っていた森の木々達はその色を失っている。しかし、魔物は一切居ない。
彼女はこちらを見つけると、その顔に万遍の笑みを浮かべて走ってきた。
そして
「やっと会えました!私の主様!」
そう、言ったのだ。
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一旦落ち着いて考えよう。彼女はなんと言った?
私の神様?何故?いや、原因は何となく分かる。
俺の魔力、基、魔法から産まれたからそう呼ばれるのだろう。
でも俺は神では無い。と言うか現人神になる事を拒絶した人外だ。すっとぼけるか?と一瞬だけ思ったが、無垢な瞳を向ける少女を見て、罪悪感を感じたので素直に言う事にした。
「あー……悪いんだが、俺は主様では無いんだ。」
咄嗟に嘘を吐いた。
「え?」
天使の笑顔が凍り付いた。
「いや、そうかもしれないが違うかもしれないと言うか……」
天使が困惑した表情をした。
「まぁ、とにかく詳しい話は落ち着ける場所に行ってからにしようか。」
同族のセアルとその妹分達も居るし、ここに居るよりかは良いはずだろう。
続きは明日に投稿します。




