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79話 『魔に差す』


魔物が全然見つからない。


「どうしてだ?」


街を出てからもう30分程歩いているがまだ1度も魔物を見ていない。流石にここまで出ないのはおかしい。


「少し、調べる必要があるな。」


そう思った俺は早速魔物探索用の魔法。俗に言うサーチとか言うやつをやってみた。今回は探索スキルはお預けした。理由としては魔法とスキルの性能差を知りたかったからである。


「うげ、気持ち悪い。」


自分の皮膚。いや触覚?何とも言えないが何かに触っている感じがする。とにかく説明が難しいが広げた魔力が触覚になっているような感覚なのだ。


想像してみて欲しい。

見知らぬ人間に全身を隈無く無遠慮に触られる感覚。

そんなものは気持ち悪いだろう?

まぁ、中にはそう言った趣味の奴が居るのかもしれないのだが、俺には無理だ。もうこの魔法は封印するとしよう。


まぁ、そのお陰でこの辺の地形や魔物の位置、数。そして個体別の魔力量。この4つの情報が分かった。だからこそ


「こいつは問題事の臭いがするな。」


魔物は居た。ただし偏っている。


「何で区分けした筈の奴らが1箇所に集まっているんだ?」


俺は確かに東西南北強さで仕分けをした筈だ。

生中には壊されない強度の高い結界でだ。

だがおかしなことに奴らは西側...最も強い魔物が存在するエリアに集まっている。そして、それ以外の地区は数が少ない。


本来ならば西側は一番魔物の生息数が少ないようになっているのだが...いよいよ雲行きが怪しい。


「....まさか」


もうあの白髪の子供が動いたのか?


いや、細心の注意は払っている。

結界の強度は当然引き上げたし、ネズミ1匹通れないようにした。魔法吸収、物理攻撃はスライムの様な柔軟性を付与する事で無効化した。斬撃に関しては結界の表面に油の性質を付与する事で滑らせて斬ることを不可能にした。一応、害意が無ければ通れるが、そうだとしても結界内に誰かが入れば分かるようになっている。いや、何かのスキルか?


不味い、思考の迷宮に迷いそうだ。

落ち着け、まずは間引きだ。


もしかしたら今までに集まった自然発生の魔物かも知れない。


あそこは危険過ぎてウチの連中でも狩場にしてないしな。


と思いつつ現場に急ぐ。



着いた先は酷いものだった。


何のスキルも使用せずに目視出来る瘴気的な物。

明らかに人の体に害を与える色の霧?が蔓延していて中の様子が見えない。


「これはいよいよ不味いことになった」


素人が好き勝手に自然を弄り回したからかも知れない。


後で結界の構成を変えないと行けないだろう。


っと、まずは間引きだ。


と思い真っ暗な結界内に足を踏み入れた。


「う゛」


酷い臭いだ。嗅いだことは無いが恐らくこれが生き物の腐った臭いなのだろう。


にしても何でこんな酷い臭いがするんだ?

魔物同士の殺し合いにしたって殺した魔物はその魔物を食べる。食べ残しがあったとしてもそれはスライム何かの掃除屋みたいな魔物が食っている筈なのだが。


ん?待てよ?スライムってこの中入れるのか?


いや、無理か。スライムはその性質上魔力や体積をある一定まで貯まると分離して増える性質がある。つまり、一定以上の魔力が無いと他のエリアに移動できない結界の性質上スライムは南から出られない。


では食い残された魔物はどうなるか。


その答えがこの腐臭か?


と結論付けた所で。


「う゛う゛う゛!!!」


「うぁあああぁ」


と言った。音が聞こえた。


ゾンビか?もしかしなくてもゾンビか?


とりあえずゾンビには聖なる物もしくはヘッドショットをぶち込むものだと決まってる。光魔法?もしくは神聖な魔法?をイメージして見るか。


イメージは太陽の光が差し込む協会。

範囲は結界内の全て。

込める魔力は今まで出した魔法の中の最大。

ポイント換算で5万程をぶち込む。


そして、魔力を空に集めそして発動させた。



結論から言おう。

結界内の魔物が全部居なくなった。


暖かな光が差し込んで来たと思ったらようやく結界内の魔物達の姿が見えた。

そして、それから2秒もしない内に灰になった。


ゴブリンキングと思わしき個体。

明らかに普通のスケルトンには見えない杖を持ったスケルトン。

オーガキングやオークのキング。

中には霧を泳いでいたと思わしきトビウオとマグロが混ざった様な魚が空から落ちてきた。

その他にもグロテスクな肉団子にしか見えない何かも居たが、それを含めての全ての魔物達が光を浴びて灰になった。

燃えて灰になったのでは無く即座に灰になった。


その光景を目の当たりにした俺は、この魔法を絶対にエルの前では使わないと決めた。


恋人を間違って灰にするとか狂気の沙汰だ。

いや、効果あるのか分からないが。


ようやく書きたい方向性が見定まりました。

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