71話 『制裁』
作者がTwitterを始めてしまいました。
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あれから2日後、俺はエルとセアルにだけ伝えて、1人である場所に出掛けることにした。
そして、街からしばらく離れたところで魔力支配で抑えている魔力を一部だけ解放した。
すると自分の身体中からどっと魔力が溢れ出すのを感じた。
そして、俺を中心に風が2秒ほど吹き荒れた。
おぉ、すげぇ。年甲斐も無く興奮する。
「ふぅ...身体が軽く感じるな。」
やっぱり魔力を抑えるのは身体に負担を掛けていたのかも知れないな。いや、精神的なものかも知れないか。
「まぁ何にせよ、気分がいいのは確かだ。」
普段よりもちょっとだけハイテンションになっているかも知れない。
「あ、遠出にはやっぱり音楽を掛けないとな。」
俺はお気に入りのアニソンを数曲、魔法を使って流す。
スピーカーのイメージで大きめの音にして流した。
「ふふっ、目的地に近づいたらあのBGMにするか。」
ああ、何だか楽しいな。
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それから俺は上機嫌で歌を口遊みながら空を飛んで行った。
「ふぅ、風が気持ちいい」
普段ならば風除けの魔法を使うのだが、今回は止めた。
この身体が何処まで耐えるのか知りたいのもあったが、風を感じてみたかったからだ。
実際に解除してみると風圧をものともしない、むしろ風が心地よく感じる程だったのは少し驚いた。
ただまぁ、1つ問題があるとすれば、物凄い速度で飛んでいるからか空気音がうるさいくて音楽が聞こえない事だ。
「うるさい『消えろ』」
と言うと空気音が消えた。ん?今、魔法を使ったか?
イメージも何も特にしていないんだが?
「まぁ、静かになったならどうでもいいか。」
そうこうしていたらもう見えてきた。
「へぇ...あれが王都か。外から見る限り、良い街だな。」
さてと、街が見えてきた所で
「さて、BGMスタート」
すると荘厳な音楽が鳴り響く。処刑用BGMってやつだ。
さてと、一応の為に結界を張り、フルフェイスヘルメットを色々な改造を施したような物を付け、黒いマントを羽織った魔王衣装に着替えた俺は、背中に出していた羽を消した。指パッチンの演出も忘れない。
さて、これで俺の全ての準備は整った。
「さぁ、仮初の魔王の蹂躙を始めようか。」
と言って街に向かって歩いて行った。
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『とある兵士視点』
「住民の避難を急げ!」
と若い兵士が告げる。
そして、その言葉に周りの兵士が従っている様子を見る限り恐らく彼が兵士達の上司なのだろう。
「クソっ!なんという濃密な魔力を放っているんだ!
もしや勇者が失敗したのか?」
と言った所で勇者の姿を思い浮かべる。
「いや、アイツがそんな所で死ぬものか!」
ありえないと吐き捨てる。
しかし、それならばアイツは今...
と考えていた所に他の兵士が近づいてきた。
「兵士長!このままでは子供や老人達よ避難が間に合いません!」
「くっ!やはり無理か!ならば兵士達よ!俺に続け!
せめて彼等が避難する時間だけでも稼ぐのだ!」
「「「「「「おおぉぉぉ!!!!」」」」」」
ああ、すまないお前達。俺は此処でお前達を無駄死にさせてしまうだろう。
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と言った会話をしているみたいだな。
ふむ、逃げる様子は欠片も見られない...良い兵士達だな。
それとも操られているのか?
と思って一通り視てみたが、特にその様子も無い。
こいつら...死ぬと分かっていて俺に向かって来たのか...それは凄いな。尊敬する。
さて、それでも俺は...
「『その場から動くな』」
押し通させてもらう。
「な、何だと!何故身体が動かない!?」
「クソっ!何をした!」
「この卑怯者がぁ!!!」
「動けよ!動けぇぇぇ!!!」
「グォォォォォォォォ!!!」
等と叫んで俺の魔法のような何か?から逃れようとしているが、誰も拘束から逃れられないようだ。
俺はそれを一瞥すると、王城へと歩を進めた。
後ろから何かを叫んでいるのだが、全員が思い思いに叫ぶ為、何を言っているのか分からなかった。
にしても、この魔法もどきは何だ?
まぁ、便利と言えば便利なんだが...
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彼は知らない事だが、魔法についてのこの様な論文がある。
【魔力とは想像力だけではなく言葉にも反応する。だから理論上、言葉だけでの魔法の発動は可能だよ。
まぁ、だからと言って言葉一つで意のままの魔法が発動させる事が出来る人物は今の今まで存在したことは無いけどね。】
著者 メヤリー=フェルナル
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王城へと歩を進めた俺は、その道中で兵士達が集まってきて囲まれてしまった。
「止まれ!此処から先は通さんぞ!魔王!」
指揮官と思わしき40代くらいの大男がそう言ってきた。
「貴様等に用はない。『退け』」
と告げると指揮官以外の連中は無表情になり、瞳から色を失ない。俺に道を開けてから何処かに去って行った。
「グッ!!!なんと言う魔法だ!だが!儂は屈さぬ!ここを通りたくば儂を殺していけ!」
ふむ、こいつは残ったのか。精神力が強いのか?あるいは耐性、それとも魔力量か。まぁ何でもいいだろう。
「動けぬ者がどうやって止めると言うのだ?」
「ハ、ハハハッ!何を言っているのだ!動けるに決まっているだろう!」
「では、何故貴様はそこから動かぬ」
「っ!」
「これ以上戯言に付き合う暇は無い。
そして、この程度で動けぬ者など相手にする価値すらない。
ここは通らせて貰うぞ。」
「止まれ!おい!待て!!待つのだ!」
「『黙れ』」
「............」
それから俺は、迫り来る兵士達を言葉一つで無力化していった。
そして
「着いた。此処が王城か。」
いかにもって感じの建築をしてある。
堀があって下は水があるな。恐らく落ちたらそのまま川に流されるか、あるいは何かに喰われるか。って所だろう。
そしてもちろん吊り橋は降りてない。
まぁ、吊っているあの鎖を切ればいいだけだ。
いや、あの訳の分からない魔法でも行けるか?
「『開門せよ』」
と試しに告げてみると、橋が降りてきた。
「ふむ、便利だな。」
次からこの魔法を言魔と呼ぶ事にするか。
何かそれっぽいそして分かりやすいしな。
さてと、道も開いた事だし、進むか。
そこからは王家お抱えの暗殺者と思わしき奴らがメイドに扮して襲ってきたり上から降ってきたりしたが、俺からすれば気配は丸分かりだし、暗器は効かないで意味がなかった。
当たった筈の武器が壊されて呆然としてて何だか可哀想になったので言魔で縛った後でその場に放置した。
他にも王国騎士団団長、副長、みたいな奴らが沢山居たが、正直相手にならなかった。
さてと、そうこうしていたらお姫様の部屋に着いた。
場所はメイドに聞いた。と言うか、何も言ってないのに俺が近づいたら自分から話してきた。
さらに、入る前にこの城に結界を張り、ネズミ1匹出入り出来ないようにしておいたので誰も出られない筈だ。
「失礼する。」
と言って入ると、そこには何やら急いだ様子でポーチに物を入れている少女が居た。アイツが言っていた通りの見た目をしている。確かに将来は美女になりそうだ。
「きゃぁぁぁぁ!!誰か!誰か居ないの!?」
こちらに気付いた少女は、叫び声を上げた。
だが、誰も来ない。いや、来れない。
「貴様がフィリシア=アーデルモルトだな?」
「ち、違います!人違いです!」
はぁ、嘘が下手すぎるだろう。誰かに助けを求める言い方が明らかに身分が上の奴の言い方だ。それにただのメイドが何でこの部屋でものを物色してるんだ。
まぁ、一応視てみたところ
名前 フィリシア=アーデルモルト
種族 人間(王族) 年齢14
称号 『血統者』
Lv20
体力 1170
攻撃 1050
魔攻 1150
魔力 1200
防御 1050
魔防 1100
敏捷 1050
スキル
「無属性魔法」Lv3
「火属性魔法」Lv2
「水属性魔法」Lv2
「土属性魔法」Lv2
「風属性魔法」Lv2
「闇属性魔法」Lv3
「魔力操作」Lv4
「計算」Lv3
「演奏」Lv3
「騎乗」Lv3
「舞踏」Lv3
「礼儀作法」Lv3
「隷属」Lv5 (レア)
「状態異常耐性」Lv2(レア)
「王族の威光」Lv─(ユニーク)
アーデルモルト家23代目の一人娘
父親は彼女を溺愛しており甘やかしているが、母親は厳しい教育を施している為、バランスが取れている。
昔読んだ勇者の物語に強い願望を持っており、自分だけの理想の勇者が欲しいと思っていた。だが、現実に勇者も魔王も居なかったので、その夢を諦めかけていたのだが...
やっぱりフィリシアだった。
にしてもこの解説も懐かしいな。
まぁ、いちいち見るのが面倒だから消していたのだが...
ふーん、なるほど。要するに勇者と魔王が居て、自分は姫。まさに御伽噺の世界だ。と言うシチュエーション酔ってたんだろうな。だからと言って隷属化はやり過ぎだ。
いや、もしかしたら無意識的にやったのか?
それにしても、いくら鑑定スキル持ちが希少だからと言ってステータスの隠蔽もしていないのはバレバレ過ぎるだろう。
「詰まらぬ嘘を吐くな。
貴様、我が友に隷属スキルを掛けたのであろう。」
「えっ!?何の事ですか!?」
「貴様等が言う勇者の事だ。隷属、そして思考制限を掛けただろう。」
「そんな事はしていません!」
視た限り、嘘では無いようだ。
じゃあやっぱり無意識にやったのか?
それならそれでもっとタチが悪いな
「では何故勇者のステータスの状態異常に貴様の名前が出てくる。」
「そ、そんな事は知りません」
「では貴様は何に隷属スキルを使った?」
「隷属スキルなんてスキルを私は持ってないです!」
「何?」
そんな筈は無い。確かにコイツはスキルを持っている。
しかも、俺の神眼には嘘を吐いていないと出ている。
おかしい、そんな筈は無い。確かにコイツはスキルを使った筈だ。では何故?
まさか...
「貴様、最近記憶が怪しい事は無かったか?」
「えっ?えーと、確かに2月程前の記憶で所々覚えていない事がありますが...それが何か?」
「ふむ、では恐らくその時に一度、隷属化、もしくは魅力等の洗脳状態にされていただろう。」
恐らくはその時に身に覚えの無いスキルを覚えさせ、そして使わせる。そして自身に関する記憶も消しているな。
手口は汚いが、実に効率的で効果的だ。
何せ自らに繋がる証拠を一つも残していないのだから。
だが、その目的が分からない。
ただ勇者を傀儡にしたかったならば自身が直接隷属化をした方が操りやすい。まぁ、そもそもスキルを掛けるのには苦労するだろうがな。
そして、勇者を傀儡にして何をさせたかったんだ?
松尾の様子を見る限り特別何かの命令をされた風では無かった。まぁ、もしかしたら俺の家に着いてから命令が発動するようになっていたのかも知れないが、解除してしまった今となってはそれも分からないか...
と言うかそもそも何故フィリシアを隷属化した?
わざわざ危険を侵して国の重要人物を狙わずともメイドなり騎士なりを隷属化すれば良かった筈だ。それなのに何故フィリシアだった?
もしかしてスキルの成長速度か?
フィリシアは確かに歳の割にスキルレベルが高い。
恐らくは王家の血筋って奴だろう。
犯人はそれを知っていてフィリシアを隷属化したのか?
以上のことを踏まえると相手はそれなりに頭の切れる奴なのは確かだ。あーあ、めんどくさいことこの上ないな。
何か...冷めた。せっかく気分が良かったんだが。
何だかなぁ。複雑怪奇よりも単純明快が好きなんだ。パッと行ってパッと叱ってハイおしまい。そんな展開を望んでいたら実は裏ボスが居ますってか。はぁ。めんどくさ。
あ、そうだ。過去に起きたことを視ればいいんじゃないか?
はぁ...こんな単純な事に気が付かないとは。
まぁ、思い立ったらすぐ行動だ。
早速視てみるか。
新しいスピーカーの音質が凄い。
重低音、重低音ですよ?ヽ(*´Д`*)ノ




