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66話 『異世界日記』

主人公以外の視点です。


【──視点】


俺は地震で電車がグラグラに揺れてその衝撃に耐えられずに倒れたんだ。

あ、まずい頭は守らないとと思って手で顔守って目をつぶったけどね。

けど、いつまでたっても衝撃が来なかったんだ。

自分の身体が落ちる感じはしたんだ。でもその時間がやたらと長いし、衝撃が来ないのはおかしいと思って目を開けてみたんだ。そしたらね。異世界だったんだよ。


え?何で自分の頭がおかしくなったんだと思わずにすぐ異世界だと思ったんだって?

えーと、俺も最初はそう思ったよ?でもさ頭振ってみたし、手の甲を抓ったりほっぺた抓ったりジャンプしたりまぁ、とにかく色々としたんだよ?


でもさ、周りには甲冑姿のいかにも騎士です。兵士です。

みたいな人達がいっぱい居て


『ようこそ異世界へ』


何て可愛いお姫様が言ってたんだよ?

そんなん誰だって異世界だと思うじゃん。


え?お姫様が可愛いから鵜呑みにしたんでしょって?

...それに関しては黙秘権を行使する!

いいから黙って答えろサツ呼ぶぞ?

...この娘なら騙されてもいいかなって思いました。はい...

え?最低だって?

いやいや待ってよめちゃくちゃ可愛いお姫様にそんな事言われたら大抵の人は、はいそうなんですか分かりましたの一言返事で全てを受け入れるよ?

え?それはお前だけだろだって?

失礼な!そんなはずない!みんな思うだろ!...多分...

はいはい分かったから話を続けろ?

質問したのはそっちなのに...

あー!待って分かったから本当に警察だけはやめて!


...あー。えーっと。お姫様までは話したか。

お姫様が言うには俺が伝説の勇者で魔王を倒して欲しいんだって言ってたんだ。

何か彼女の話だとこっちでもめちゃくちゃ大きい地震が起こるって予言があって、それを起こすのは復活した魔王だとかって...

え?証拠はあるのか聞いたのかって?

それは俺も聞いたんだよね。そしたら彼女曰く

『半年程前に一度、膨大な魔力を感じました。あんな力を持つのは魔王か神しか有り得ません』って言ってた。

俺は魔力に魔王に神様かぁ、ファンタジー設定だなぁって思ったよ。

お前の心情は聞いてないって?

ちょっとくらい聞いてくれてもいいじゃないか。

え?今回だけ特別に聞いてやろうだって?

ありがとう!どうしてそこまで上から目線なのか知らないけど!


じゃあ話を続けるよ。

よく分からないけど俺は兵士達と一緒に訓練してたんだ。

身体能力はめちゃくちゃ上がってたし、運動神経も上がってたから兵士達が教えてくれた剣の技術何かの吸収力も高かったと思うよ。我ながらね。

え?今は違うのかって?

ふふふ...それはどうかな?

痛っ!ちょっ!おまっ!イラってしたからって物で叩くなよ!

ったく。最近の若い奴は暴力的過ぎないか?お兄さん泣いちゃうぜ?

え?おじさんの間違いだろって?

俺はまだ20代だ!


...ったく。これだから若者は...とにかく、話を続けるよ。

兵士達との鍛錬を重ねた俺は満を持して魔物狩りをする事になったんだ。

相手はゴブリン。今の若者なら分かるだろ?あの緑色の肌の悪ガキみたいな奴だよ。まぁ、やってることは悪ガキなんかの比にならないけどなぁ...あれは害悪だね。この世に存在しちゃあいけないものだと思ったよ。

え?何で?魔物でも分かり合えるかも知れない?

はは。俺も分かり合えるものだと思ってたよ。ちょっとは。

でもなぁ。あれを見ちまうとそんな気は一切しないね。

嬢ちゃんにも1人くらいは居るだろ?こいつとは絶対に分かり合えないなって奴。あれと同じさ。見れば分かる。

城に居たときに話を聞いたんだが、実際に見てみると...醜悪な見た目。悪意の塊って感じ顔。生理的に受け付けない。ゾワゾワっとする感覚。まぁ、端的に言うとめちゃくちゃ気持ち悪かったんだ。

だから殺したのか?って?

いや、それだけの理由では殺さないよ。

まぁ...理由はその生態だ。奴等は人を襲うんだ。ほら、お嬢ちゃんも知ってるでしょ?女性が攫われるとか。...まぁ。そいつらを退治することになったって事は、誰か被害者が居るって事だよ。後は分かるよね?


ああ、良かった。その顔は分かったのか。説明する手間が省けて良かったよ。まぁ。俺も説明したくはなかったんだけど。その後の戦闘はどうなったんだって?

ああ、もちろん勝ったよ。圧勝だった。

殺す事は最初の一瞬だけは躊躇したけど、その瞬間に反撃されそうになったからそのまま殺した。殺さざるを得なかった。それからあとの事はよく覚えてないけど。

とにかく殺しまくったのだけは分かる。

何でって?

...殺した時の感触がまだ残ってる。剣で肉を断つ感触。骨が砕ける音。

って、悪いな。こんな話、若者に聞かせる話じゃないわ。

やめだやめ。俺ももう帰るかなー。可愛い嫁さんも居るしな。

え?話を続けろって?

いや、こんな話をつまんないでしょ?それに若者に聞かせる話じゃないって。

あー!待って通報はやめて!分かったから!


えーと、それから俺は1年くらい王都の周りの魔物を狩ったり兵士達と一緒に訓練する生活してたんだけど。

丁度一年後に王都に大地震が起きたんだ。

お姫様の予言が的中しちゃって王都中が大混乱。

そこで俺の出番って訳になったのよ。


なんでもお姫様曰く魔王は森に居るらしいんだ。

なんで分かるのか聞いたら地震発生時に感じた魔力は森から来てたらしいからね。王都の魔法使い達に調べさせて痕跡とか全部調べたらしいよ。

ああ、そう言えば魔法って言ったらその頃の俺も色々と教えて貰ってから使えるようになってたよ。

適正は全属性あるんだってさ。凄いらしいよ。

とは言っても全部使いこなすのは至難の業らしいから火と水、風に特化しといたけどね。

いいから本題に戻れって?

はいはい。分かりました。


魔王討伐に向かった俺は色んな旅をしたって言いたい所何だけど、実際は魔王の妨害とか四天王が出て来る。見たいなイベントのいの字も無くただただ走って5日程度で着いちゃったんだよね。その森。


え?そう言えば仲間とかって居たのかって?

居ないんだよなぁ。残念な事に...

王都の兵士の魔法使いの女の子とか剣の使い手の冒険者の女の子とか魔王討伐に志願してくれたから一緒に行こうと思ったんだけど...お姫様から


『ダメです』


って言われて何でって聞いたんだけどダメだからですって言ってて取り付く島も無くってさ。

痛っ!また何で殴るの!?え?女心が分かってないって!?

えぇ...そんなん言われてもわかるわけないでしょ...

だってその時に俺聞いたよ?


『何?姫様やきもち焼いてるの?』


って、そしたら姫さんがスって無表情になって2~3日口聞いてくれなかったんだよ...

そんな事あったらさ、あ、俺嫌われてるなって思うじゃん。

俺らの時代の女子ってすぐ告った相手を女子同士のネットワークに広めるんだぜ?あ、アイツ?最近私に告って来たんだけど、まじうける〜とか。え?まじで?アホじゃん!とか。

アイツらは人が一生懸命考え抜いて勇気を出した告白をネタにして笑うんだぜ?マジで人間じゃねぇよ...

俺の親友(ダチ)はもっとタチの悪い女に引っかかってめちゃくちゃ酷い目に合って、ある日に失踪しちまったんだけどな...

これだけは言っておく、そういうクズにだけはなるんじゃねぇよ?やった方はともかく、やられた方って意外と覚えてるからな?それで後から復讐されて人生のドン底に叩き落とされた女だって居るんだ。まぁ、誰とは言わねぇが...

.........何だよ。その憐れむような顔は......

やめろ!俺を憐れむんじゃねぇ!今は俺だって嫁さんがいるから別に憐れじゃねぇよ!


と、とにかく話を続けるぞ。

1人で森に着いた俺は森の中に入ったんだ。

そしたらまぁ、死にかけた。最低でも5回は死にかけた。

準備はちゃんとしたし。ゲームでお馴染みの回復薬何かも大量に持ったさ。でも死にかけた。普通に死にかけた。

なんか知らねぇけどそこの魔物めちゃくちゃ強えのよ。

そこの魔物をゴブリン換算すると最低でもゴブリン100匹分くらい強いのよ!分かる?最低でもだよ!?

意味わかんないでしょ。しかも奥に行けば行くほど強くなっていくし、普通、こういうのってちょっと苦戦するけど何とか行けるってやつじゃないの?

めちゃくちゃ死にかけるんですけど!?

って思いながら進んで行ったのよ。

そして、その先に着いたらさ、何かデカい壁に囲まれた街があったんだ。

こんな場所に人が住める訳無いし、これが魔王の住処かな?って思ったから乗り込もうかと思ったんだけど何か門のところに見覚えのある奴が居たんだ。

と言うかそいつ、さっき話した失踪した俺の親友だったんだよな。


日記と言いつつ日記を書いていないとは一体。

それは彼に聞いて。少なくとも自分は知らないです。

と言う冗談はさておき。彼が毎日日記を書いていたのは事実です。語られてないだけです。

毎日日記を書いて元の世界の事を忘れないようにしたかった。今日の事を記録に残したい。何て気持ちがあったんです。

ああ。ちなみに彼が話しかけている相手なんですが。誰だと思います?

答えは次回の投稿で!まぁ、後書きに書くことになるでしょうが。

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