63話 『要件』
切実にお休みと時間が欲しい...
思えば、内田がこっちに来てから今日で15日目か?
丁度中間地点に到達したんだが、内田の雰囲気を見るに、もう決まったから来たって感じでは無いな。
はぁ...未練が残らないように配慮したこっちの気持ちにもなって欲しい。もしかしたら、俺が内田から逃げただけなのかも知れないが...
「で、何の用だ?」
とりあえず内田に聞いてみる事にした。
「あー、えーと。ご飯を食べに来た...?」
「何でお前が分かって無いんだよ」
「あはは...め、迷惑だったかな?」
「迷惑と言うか礼儀作法としては正しくないな。
人の家に勝手に入っていつの間にか食卓に座ってるんだぞ?」
「だ、だよね...ごめんなさい」
「はぁ...まぁいい。だが、次からはちゃんとノックくらいしろよ?」
「え?一応したんだけど...」
あーもしかして、この家(大樹)のせいで聞こえなかったのか?
この家は固くて強い。俺が知ってる範囲ですら対魔法、防音性、耐水性、耐火性能などのめちゃくちゃな性能をしている。多分俺が魔力を込めすぎた影響、もしくはこの周辺の魔力を根こそぎ吸い取ったからか。あるいは両方か。
「...次からはインターホンを付けとくわ」
「うん?よく分からないけどわかったよ。」
「で、もう一度聞くが何の用だ?」
「え?さっき言ったようにご飯に...」
「それ、嘘だろ?」
さっき神眼で確認した。
「......本当は彼女さんが本当に居るのか確かめに来たんだよ...」
「あー、そういう事か...」
恐らく俺が彼女持ちと言うのが嘘で自分を遠ざけるためだと思ったのかもな。
うーん、やっぱりこういう事を自分で考えると何かナルシストみたいで気持ち悪いな...
まぁ、ただ単にどんな彼女が居るのか確認したかっただけかも知れないな。
「まぁ、もうそろそろ飯の時間だから呼んでくるわ」
「うん。」
と言って珍しく自室に居るセアルと俺の部屋に居るエルを呼びに行った。ところが自室に行くとエルはまだフリーズしていた。
「おーい。エル?」
近くで呼んでも反応が無いので目の前で手を叩くと
「はっ!」
と言って現実に戻ってきた。
「もう飯の時間だぞ?あー、ちょっと来客も来てるんだが今夜は一緒でもいいか?」
「ん...ああ。構わないぞ。」
「そうか。じゃあセアルを呼びに行くか。」
「うむ。」
と言って2階にあるセアルの部屋に行った。
ノックをして飯、そして内田の事を告げるとドアがガチャっと開いて
「はい。分かりました。準備をしたらすぐに行きますね。」
と言ってまた自室に戻った。
何の準備だろうな?
考えても分からないのでとりあえず先に食卓に行くことにした俺達は、先に座っている内田と合流した。
「えーと、そちらは?」
と内田が問いかける
「む?我はエルリアンジェ。火竜じゃ!」
「まぁ、俺の彼女だ。」
と俺が補足すると
「そ、そうじゃな!」
エルは顔を真っ赤にさせてそう言った。
「そう...」
と言って俯き、顔に影を落とした。
「さてと、そろそろセアルも来るから飯の準備をするかな。」
俺はそこ話を断ち切るようにそう言った。
「む?我も手伝うのじゃ。」
エルが少し訝しんだが、こちらを手伝う事にしたらしい。
「ああ、頼む」
と言って食卓に料理を並べていった。
途中でエルが料理を摘み食いをしようとしたのだが。
そして、料理を並べ終わると丁度いいタイミングでセアルが来た。
「すいません。待たせてしまいましたか?」
「いや、丁度いいタイミングだ」
「ああそうでしたか。それは良かったです。」
「とりあえず、全員揃ったし、ぼちぼち食べるか。」
「うむ!」
「うん!いただきます!」
「はい。主の恵みに感謝を...」
と、エルはいつも通りに、内田は懐かしい単語を言い、そしてセアルはいつものように祈りをした。
まぁ、そんな感じで俺達の晩餐は始まったのだ。
新作を投稿出来るのは何年後。もしくは投稿すらしないかもなぁ...




