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58話 『意思』


次の日、俺とエルは2人で街の中を歩く事にした。

この街にはまだ色々と必要な物や細かい修正が沢山ある。正直数え切れないくらいだ。

その為、俺はエルとあれが足りないこれが欲しいこうしたいなどの意見を話し合いながら街を歩き回った。


その中でも物凄くいいと思う街の建設案が出たのでいくつか紹介しよう。


1.自宅の大樹の周りを囲うように水を引いて川にする。


2.前回、創ろうとしたが結局創っていなかった冒険者の街に行くためのゲートを住宅街に創る。


3.街自体が手狭になら内容に壁の拡張、それに合わせて結界の範囲や数の変更。


4.果樹園、農場などの食料の本格的な生産設備の設立


5.住宅街の景観の改善。(噴水や公園、映画館などの娯楽や憩いの場の設置)


6.魔物の素材から果樹園や農場から得た物を加工するための加工設備の設立


そして、これが1番大丈夫だろう


7.人材の確保


今までは何とかやりくりして人員不足を誤魔化してきたのだが、いよいよ誤魔化しきれなくなってきた。


せっかく作った設備があるのにそれを使う人間が居ないのは勿体ない気持ちになる。

かと言って、俺はちょっと人間と言う種族に信用をおけないしなぁ。それに、エルだって人間に苦手意識を持っているだろうし、どうしたものか...


天使や悪魔を召喚するか?

でもなぁ、セアル曰く


「悪魔ですか?彼等は...そうですね。

彼等は自由奔放で秩序とは無縁の生き物ですね。契約にはまず応じないでしょうし、応じたとしても相当な変わり者でしょうね。」


と言っていたので契約するのは骨が折れそうだ。


うーむ、また創るか...?

でもなぁ。正直創るのは飽きた。

我ながら何を言ってるんだと思うんだが、正直創りたくない。これは気分の問題だな。


じゃああの街で誰かを募集してみるか...?

『ナギエ街住民募集中』ってか?

うむ、絶対に誰も来ないな。

と言うか常識を持ってる奴ほどここには来ないだろ。なんて言っても魔の森だからな。


ふむ。じゃあ街で買った地図にあった北にある魔族の大陸にでも行ってみるか。

まぁ、魔族も召喚できるには出来るらしいのだが、と言うか召喚魔法は大抵の生き物や物質なら召喚は出来るらしいのだが。でもまぁ、せっかくだし観光がてらに行ってみるのも一興だろう。


そう思い、エルに相談してみると


「お主と一緒なら何処にでも行くぞ」


と万遍の笑顔で言われた。


そうとなれば話は早い。

特に準備する物も無い(亜空間に入っているため)のでセアルに出掛ける事を伝えてから早速空を飛んで行くことにした。


最近習得した羽をエルに見せてみると


「むっ、お主も羽を生やせるようになったのか?」


「ああ、ちょっと変化してな」


「変化を覚える人間なんぞほとんど居ないぞ?

カカッ、主はどんどん人をやめておるな。」


「ああ、そうみたいだな。そう言えばエルはその状態で羽を生やせるのか?」


今の俺に、人をやめることに対する抵抗感が無い。寧ろ、エルと近い存在になれるなら悪くないとすら思っている。


「うむ、もちろん出来るのじゃ」


と言って背中から竜の時と同じ形状をした羽を背中から生やした。しかし、背中の服は破けていない。何かの魔法を使っているのだろう、


「そうか、それならいいんだ。」


何なら抱えたまま移動しようとも思っていたのだが、杞憂だったな。


「じゃあ、行くかの?」


「ああ、そうしよう。」


と言って俺達は街を飛び立った。


「あ、旦那様!」


と思ったらセアルに呼び止められた。


「ん?何だ?」


「あ、その...彼女の事何ですが...」


「あー」


俺は、なるべく内田と関わらないようにしていた。いや、話すには話すのだが俺からはなるべく話し掛けていない。俺があーだこーだと言ってしまって下手にアイツの考えを歪めるのが嫌だし、それに話す事で何かしらの未練が残るかも知れない。


「何かあったら前に渡した魔道具で連絡してくれ。」


通信魔道具。形はスマホの形をしただけの固定電話だ。


「はい。分かりました。」


セアルがまだ何か言いたげな顔をしてたが、俺は見なかった振りをした。


分かってる。セアルからすれば残酷だと思うのかも知れない。だが、俺にとっての最善策はこれだとしか思えないんだ。


そう言えば今日、資格試験の結果発表だ...

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