43話 『ブレイド隊の復讐』
この話は見なくても本編にあまり影響は無いです。
なので読み飛ばししても構いません。
俺は遠征軍隊長エバンだ。
俺達は気がついたら森の入口付近に居た。
おかしい。確かさっきまでは森の奥地でさまよっていた筈だ。だが、魔の森の奥地また行きたいと思うのは何故なんだろうか?確か俺達はこんな森から一刻も早く脱出したくて堪らなかった筈なんだが...いや、それは置いておこう。それよりも今はあのクソッタレの上の連中に報復してやらないと気が済まない。
目的を再確認して俺達は魔の森から脱出した。
街に着いた俺達は、ポーションの在庫を補充した俺達は金欠になってしまった。おかしいな。もっと金を持っていた筈だったのだが...
仕方ないので冒険者ギルドで持っていた魔物の素材を売却して資金を稼いだ。
ある程度売却して残った素材で装備も各自で一式揃えた。これから強い装備が必要になるだろうからな。あの魔の森の魔物の素材なら申し分ないだろう。
そして、準備を整えた俺達は街から出た。
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あれから10日程の旅をしてようやく着いた。
ここがあの忌々しいクソ野郎が居る場所、帝都エンリードだ。
帝都に着いた俺達は、まずは魔道具を使って見た目を変えてから脱出経路の確保、奴らの戦力情報、敵対関係、協力関係等のあらゆる情報を掻き集めた。もちろん信頼のおける情報屋からだ。値段は高いが、情報は確実だ。金貨100枚が消し飛んだのは苦渋の選択だったが、これも復讐のためだ仕方ない。
脱出経路は地下道を貰った地図で通れる。
もちろん実際に通れるかは確認した。
奴らの戦力情報は
A級冒険者が1パーティ
B級冒険者が5パーティ
それに部下が200人ほど居るらしい。
レベルは平均で30くらいらしい。
敵対関係
奴らはモーデルと言う貴族とやらかしたらしく、その親戚の貴族5家と敵対関係らしい。
やらかした内容は別料金と言われたが聞いてみた。すると、奴らの息子達が数人で寄って集ってモーデル家の一人娘を無理矢理襲ってそのまま逃げたらしい。はっ!親がクズなら子供もクズだな。しかもその後衛兵に捕まったがクズ共が金で揉み消したらしい。奴らは...いや、帝国騎士団団長ノーヴェンとその部下の副団長のゲャッツは生半可な階級の貴族より権力を持っているからタチが悪い。その為、結局モーデル家は泣き寝入りするしかなかったらしい。
他にも似たような事をして住民にも50人ほどの被害者とその家族が居る。
協力関係
奴らの裏にはどうにも公爵家が居たらしい。
しかも大物だ。皇帝の甥に当たる人物、フェンルス公爵が協力していたらしい。何でも奴らの息子達と公爵の息子が仲が良く、何度か犯罪行為に及んでいたらしい。
公爵家ともなると流石に戦力が多い。
A級冒険者が3パーティ
B級冒険者が10パーティ
私兵が500人ほど居て、平均レベルは40程。
しかもその中の5人はレベル50越えらしい。
クソッ!知れば知るほど絶望的だ。
俺達は200人程度しか居ないんだぞ。
大体レベルだっ...て...
ん?レベル?待て。今の俺達は何レベルなんだ?
とりあえずステータスを確認して見るか。
ステータス
名前 エバン
所属 ブレイド隊 隊長 年齢28
称号 生存者
Lv83
体力 5820
攻撃 4048
魔攻 3000
魔力 3600
防御 4500
魔防 4012
敏捷 5020
スキル
「剣術」Lv6
「無属性魔法」Lv5
「危機感知」Lv5
「騎乗」Lv3
「再生」Lv4
「悪食」Lv3
「毒耐性」Lv4
「狂化」Lv3
「はぁ!?」
まさかここまでレベルアップしていたのか!?いや、あの森でレベルアップをし続けていたのは分かっていた。分かっていたのだがまさかここまでとは思って無かった。しかし、これは好都合だ。これならばA級冒険者が3パーティだろうとレベル50越えが20人居たとしても負けることは無いだろう。まぁ、20人同時は無理だが。4対1を繰り返すだけなら余裕だろう。
と言うのもA級冒険者のレベルは50越えだが、それでも平均ステータスは精々1500と言ったところだ。それが4人だとしても俺の防御は貫けない。攻撃力は個別で例え完璧に同時に攻撃したとしても攻撃力の足し算はされない。つまり攻撃力が最低限でも4500が無いと俺はダメージを受けないのだ。とはいえ攻撃を受ける度に少しずつ防御力は削れてしまうのだが、4人ならばいくら攻撃を受けてもスキル再生で防御力が回復していく速度が勝つだろう。
他の連中のステータスも確認して見たが、最低でもLv50に到達していた。俺と一緒に前衛に居た連中は最低でもLv70を越えていた。
よし、これなら勝てる。
あとは計画を立てて実行するだけだ。
とはいえ公爵を殺すと国が乱れる。ならば実行犯の息子を殺すか。公爵の息子は他にも居るしな。
犯罪を犯した息子は公爵の2番目の妻の子らしいし、問題は無いな。その2番目の妻の性格がめちゃくちゃ悪いらしいのだが、公爵の恩人の娘だから別れるに別れられないと言った事情だったらしい。一応は妻だから子供をつくらないと世間体が悪いためつくったらこうなってしまった。と言うことだろう。公爵自体は善良な人間だったらしい。
領民からの評価も良く、黒い噂も聞いたことが無いし、情報も無かった。ただまぁ、その妻の方は真っ黒だった。情報屋から聞いた話によると最低でも殺人事件が5件、息子の犯罪の揉み消しが10件。お気に入りの男娼達と楽しいパーティーをしていたと言う話もある。そして、こいつが産んだ息子。案の定公爵の息子じゃなかった。男娼の子だ。公爵はそれを知らないらしい。
情報屋に証拠はあるのかと聞いた所、その妻が息子と公爵の血の繋がりがあるのか専用の魔道具で確認した所、全く違ったらしい。その時の事を記録した魔道具がある。と言って売ってきた。
本当に商売上手なやつだ。
追加料金を払ってその魔道具を貰い、確認した。
まず魔道具の説明をしている男が出てきて緑で関係者。赤色で無関係だと言っていた。すると公爵の妻が魔道具にハンカチで包んだ黒色と金髪の髪の毛を入れた。すると、その魔道具が赤色に光った。次に自分の金色の髪の毛とハンカチの中の金髪の毛を入れた。すると緑に光った。
次に親しげに話している男の髪の毛とハンカチの中にある金髪を魔道具に入れた。すると魔道具が緑に光った。
ああ、そうか。確かにこれは証拠になるな。
しかし、こんなものを持ってどうするんだ。
公爵に見せる?いや、信じるとは思えないな。
だが、このままでは公爵が不憫だ。
もしかしたらこちらの仲間に引き込めるかもしれないし。ならば...いや、この事はうちの連中と決めるとしよう。
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情報屋の情報をある程度確認し、裏が取れた後。
仲間達と今後の事を話した。
結論としては証拠を公爵に見せて仲間に引きずり込むのは賛成された。だが、その方法で揉めた。1.正面突破して公爵を拘束してから見せる。と言う脳筋の考え。
2.夜中に侵入して冒険者や護衛をなるべく戦闘を避けつつ無力化して屋敷を突破し公爵と交渉して記録を見せる。と言う考え。
3.隠し通路や裏道を探してそこから侵入し、公爵の部屋に記録した魔道具とメッセージを置いておくと言う事も考え。
俺としては3の考えが最も無難だで堅実だと思う。1は公爵を拘束するため信用するも何も無いだろう。それに無駄な殺しをすることになるからな。2は最初は悪くは無いが公爵との直接交渉は難しいだろう。夜中に侵入してくる奴との交渉、そしてその情報を簡単に信じるだろうか?
3は公爵家ともなると脱出経路が必ず家の中にあると思ったからだ。そしてそこから侵入出来るならば不要な戦闘を避けられる。
問題はその経路を見つけることだ。
流石の情報屋でもこの情報は持っていなかった。
ではどうするか。地下道を使う。幸いな事に情報屋から地図は買ってあるため。都内の全ての地下道は把握している。その地図と地上の地図を重ねて公爵家の地下を探してみれば脱出経路があるかも知れない。
と言う訳で早速探して見た。
すると...何も無かった。
ただの通路で特に隠し通路がある訳では無かった。もう帰ろうかと思い壁に手を掛けたら...
ガコンと言う音がして壁が凹んだ。
「え?」
唖然としていると壁が開いて隠し通路が出てきた。
通ってみるとそこは公爵家の浴室に繋がっていた。魔道具を持ってきていたのは正解だったようだ。俺はそのまま駆け出して使用人や警備を潜り抜け、何とか公爵の部屋に辿り着いた。
よし、あとは魔道具を置いてメッセージを残して逃げるか。メッセージの内容はえー、考えていなかった。とりあえず場所と時間を書いておこう。
そして最低限の人数で来いとも書いておく。
そして俺は急いで屋敷を脱出した。
仲間と合流してその事を話した後、公爵に伝えた場所に数人を残し、公爵家にも見張りを数人ほど付けておいた。
あとはアイツの妻の御用達の娼館で妻が入ってくる記録を残しておくか。証拠はなるべく合った方がいい。
と言う訳で夜になった。そろそろ待ち合わせの時間だ。移動しよう。
公爵は...居た。居たが冒険者が4人と使用人と思われる人物が3人居るな。
周辺には居ないのかと部下に聞いてみた所。スキル持ちがいた場合は確認が出来ないと言っていた。まぁ、まず間違いなく居るだろう。
だが交渉の為には行くしかない。
公爵と話してみたが、この公爵、噂通りの善良な人間だったらしい。妻が映っているあの魔道具は何だと聞かれたので妻がやっていた全ての事、そして息子の事も含めて洗いざらい話した。さらに今日の朝に撮った記録をみせて見た所、公爵の顔が真っ赤になりそして無表情になった。
こちらの事情を話して協力を要請した所。快諾してくれた。と言っても口約束程信用出来ないものは無いと言って契約を交わしてくれた。
その代わりに妻を追い詰める為に協力してくれと頼まれたのでもちろん承諾した。
その時の公爵の笑顔は本当に怖かったが...
何故こんな簡単に信じたのかと聞いてみた所、公爵には嘘が見抜けるスキルがあるため。俺達が一切嘘をついて無いことが分かったらしい。じゃあ何で妻に騙されてたんだと思ったが。表情から分かったのか、このスキルを妻に対して使っていなかったと言っていた。
そんな訳で公爵に協力を取り付けた俺達は奴ら2人をどう追い込むかを考えていた。
まず、殺すのは確定事項だ。あんな害悪はこの世に居ては行けない。
次に殺し方だ。なるべく苦しんでから殺すのは確定している。拷問するかと言う結論に至った。幸いな事にポーションは沢山あるしな。
こいつらの罪を晒さないとダメだと言う事を意見されたのでそれもそうだと思った。殺すことに執着して忘れるところだった。
奴らの息子達の被害者達と協力して情報と証拠を集めるか。そしてアイツらを殺して街の広場で死体を晒して犯罪記録の入った魔道具を置いておこう。あとは野次馬が勝手に騒いでくれるだろう。
アイツらの息子達、アイツらは被害者達に殺させよう。これに関しては俺達がやることでは無い。
と言う訳で仲間に被害者と接触をして計画を伝え、協力を取り付けた。裏切る奴は出ないと思うが一応契約をしておいた。本当に便利な魔法だ。契約と言うのは無属性魔法で魔力を書類に込めるだけで出来る簡単で便利、そして絶対的な効果がある。
それはさておき、10日程が経過した。
俺達はあらゆる情報、証拠を掻き集めた。
そして今日実行する日になった。
あとは俺達がアイツらを攫い、そして復讐と言う名の拷問をするだけだ。
アイツらは今日。2人で酒を呑んでいるらしい。
呑気なものだ。これから死ぬと言うのに。
まぁ、そんなことは知る由もないか。
さて計画実行だ!
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結論から言うと成功した。あまりにも呆気ない程に簡単に成功した。
酒で酔って千鳥足になっている奴らを後ろから袋を被せて手足を鉄製の縄で縛り、使われていない家に連れてきて、爪を剥がれ、歯を抜かれ、殴られ、蹴られ、骨を折られ、拗られ、そしてポーションを使って回復させてそれを数え切れないほどにした。最後には殺してくれと懇願してきたが、もちろんそこから10回ほどループした。そこで初めて殺した。最後は救われたような顔して「ありがとう」などと言っていた。
ちっ、あれほど望んだ事なのにあまりにも呆気なさすぎて俺達は脱力してしまった。
もう何をするのにもやる気力が出ない。
隊員達もみんなそうらしい。
しかし、仕事がまだ残っているので何とか広場に死体を晒して記録を置いてきた後、俺達は拠点で飲み会をする予定だったのだがそんな気力の無かった為、その日は解散した。
国の役人に俺達が犯人だとバレたが、アイツらによる無茶な命令、そして手柄の横取りなどの情状酌量の余地があったこと、被害者の嘆願書もあり、最終的に公爵が俺達の身柄を保証したことで無罪放免となった。
後日、公爵からの頼みで第2婦人を追い込み、離婚する事を手伝った。思いの外に抵抗が激しく、公爵の兵士と冒険者を誑かして味方にして来たが、俺達が倒した。
その後に公爵は第2婦人の父親に事情を説明しに行っていた。そして事情が分かった父親の方は「育て方を間違えた。本当に済まなかった!」謝っていた。第2婦人はその父親から絶縁状を突きつけられたらしい。その後聞いた話によれば第2婦人は娼婦になっていると聞いた。
そんな感じでやるべき事を終えた俺達は、この先の人生、一体何をしようかと考えていた。
俺?俺は、そうだな。
....冒険者になるのも悪くないかも知れないな。




