33話 『ランクアップの斡旋』
にしても案外呆気なく依頼が終わったな...
まぁ、いい情報も入手したし。得るものは大きかったな。
そんな事を思いながらギルドに帰ってきた。
「依頼を完了してきたぞ。」
「あ、はい。お疲れ様でした。これが報酬の銅貨30枚です。」
「ああ」
「ヤナギさん。」
「何だ?」
「またランクアップしました!」
「は?」
「実は上司にオークを売却したことを報告した所、そんな冒険者をランクEにして置けるわけ無いだろと言われまして、ランクをDまで一度上げて、指定依頼でランクCにすると言う話が出ました。どうされますか?」
「俺には何のメリットがあるんだ?」
「そうですね...まずCランクからの指定依頼は報酬が多いですし、貴族の方なんかとも繋がりも持てますね。」
やはり貴族が居るのか...嫌だな...
だってアイツらってラノベだと大半は害虫みたいな連中だろ?
まぁ、良い奴も居るのかも知れんが...正直関わりたくないな。
「ふむ、そうか...それだけなら上げなくていいな。金にも困ってないし、貴族と関わるとめんどくさい事になりそうだしな。」
「ですよね...実際にそういう事に巻き込まれる人も居ますから...」
「まぁ、そういう事だ。済まないがこの話は無かったことにしておいてくれ。」
「わかりました。とりあえずDランクで止めておきますね。」
「ああ、頼んだ。」
さて、アイツらはまだ解体所に居るかね?
ん?何か人集りがあるな。どうしたんだ?
「おぉぉぉらぁぁぁぁ!!!」
「うぎゃぁぁぁぁ!!!」
「そんな!ギルド1の怪力のパッソがやられたぞ!?」
「くそぉぉ!!お前に銀貨3枚掛けたんだぞ!」
「よっしゃぁぁぁ!!いいぞ!兄ちゃん!金貨5枚だぁ!」
何か腕相撲してるな...タケルが...
アイツ暇を持て余してあんなことしてやがったか...まぁ、こういう目立ち方は別にいいんだが。
まぁいいか、アイツは放っておいて解体所に行くとしよう...
解体所に行くと、そこには解体現場を見ている11人のメンバーが居た。と言うかよく飽きないな。
「あ、ヤナギさん」
「あ、史記、ちょっといいか?」
「えぇ、ここで話しますか?」
「ああ、構わない。」
「わかりました。何かあったんですか?」
「ああ、実は近々軍が魔の森に遠征をするらしい。」
「え...それは困りますね。早めに帰って対策を立てた方がいいでしょう。」
「そうだな。だから今日は予定よりも少し早めに帰ることになるかも知れないからみんなに伝えておいてくれ。」
「わかりました。」
「ところでお前達、魔物の素材は売却はしたのか?」
「えぇ、今丁度査定が終わったのでみんなで分けようとしているところですよ。...タケルさんが居ませんけど…」
「アイツは冒険者達と腕相撲してたぞ。」
「えぇ...いつの間にそんなことに...」
「俺にも分からんが適当に金を分けて後からアイツに渡してやったらどうだ?」
「そうですね、そうしておきます。」
「のう、主は何をしておったのじゃ?」
「俺は納品の依頼をこなしてきたが?」
「また1人で楽しそうな事をしてきたのか...」
「楽しくは無かったな」
「む?そうなのか。ならいいのじゃ。」
「俺はこれから買い物に行ってくる。時間になったら門の前に行くからな。」
「む!?我も行くからの!?」
「お前はメル達と一緒に行くんじゃないのか?」
「うむ、メル達は服を見に行くらしいから我は行かないのじゃ。」
「ん?お前は服とかに興味が無いのか?」
「うむ!主から貰った服がいいのじゃ!」
「あー、そうか...」
センスが無い人間を持ち上げるのはやめて欲しい。
「さてと、じゃあ行くか」
「うむ!」
他の連中に見送られながら俺達はギルドから出た。




