28話『文明レベル』
文明レベルは中世くらいか?
少なくとも家や服はそれくらいのレベルだ。
それにちらほらと魔族っぽい人種や獣人が居る。
亜人差別も無さそうだ。これなら街の連中を連れてこれるな。
「何か欲しいものとかあるのか?」
「うーむ、特に無いの。強いて言うなら杖かの」
「杖なんかどうするんだ?」
「うむ、我が教えている娘っ子達に魔法を教えておるのじゃが、杖がある方が使いやすいからの。」
「へぇ、そうなのか。」
「あ、主には多分意味無いぞ?」
「まぁ、無くても普通に使えるからな。」
「それがおかしいんじゃがな...」
「まぁ、そんな事は置いておいて、杖を買うとなるなら武器屋じゃないか?」
「うむ、そうじゃな。」
「と言っても場所が分からんな。丁度いい。俺達を付けてるやつに聞いてみるか。」
「うむ?そんなことをすれば逃げるのではないかの?」
「さっきの会話は聞こえてたからな。なんでも俺達に便宜を図るように言われてるから大丈夫だろ。」
「ふむ、そうなのか。」
「ああ、とりあえず聞いてみよう。」
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何で俺達を付けてくるのに鎧のままなんだアイツは。普通は一般的に成りすますだろ。
「なぁ、そこの衛兵さん。」
「ん?わ、私か?どうかしたのか?」
動揺し過ぎだろ。わかりやすいな...
「あー、武器屋って何処にあるか知ってるか?」
「ああ、それならここの曲がり角を右に行ったら看板が出てるからみればわかるよ。」
「そうか、分かった。ありがとうな。」
「ああ、気にするな。」
「でも尾行するならもうちょっとマシな格好した方がいいぞ」
「えっ!?何でその事を知ってる?」
「バレバレだ。もうちょっと頭を使うといい」
「はぁ、そうか。バレバレだったのか。上手くいってると思ったんだけどなぁ。」
「まぁ、頑張れ。」
「あぁ...」
そして、武器屋に着いた。
「エル、欲しい杖はあるか?」
「うーむ、どれがいいかの...」
「まぁ、初心者向けのやつでいいんじゃないか?」
「うむ、それもそうじゃの」
値段はいくらだろうか?
ん?銀貨6枚か。高いのか安いのかわからんな。
そう言えばエルは金をどうする気だ?
「そう言えばエル、金を持ってるのか?」
「あ...」
そんなことだと思ったんだ。
「はぁ、分かった。俺が買うから。」
「う、うむ。済まないのじゃ。」
杖を三本買った俺達は露店を見て回っていた。
「よく分からない食べ物が沢山あるな。」
「うむ、そうじゃの...じゅる...」
ヨダレを拭けよ...
「そろそろ昼だったな。何か食べるか?」
「うむ!」
どれどれ、コックローチの串焼き?
却下。
グリーンキャタピラーの串焼き?
何だそれ。何かこれもしかして芋...少しだけ気になるが...今回は止めておこう。
フォレストリザードの串焼き?
これは少し美味しそうだ。
フォレストバットの串焼き。
ただのコウモリだな。食べられるのか?これ。
って言うかさっきから串焼きしか無いんだが?
フォレストフロッグの炒め物。
お、やっと串焼きから離れたな。炒めてるだけだけど。にしてもカエルか...まぁ食べたことは無いが多分食べれるな。
とか思ってたらエルがどんどん買っていく。
まずい、コックローチだけは止めなければ。
「エル、コックローチは止めておこう。」
「む?分からないがわかった。」
相変わらず大食いだな。って金は足りるのか?
と思ったら足りた。一つあたり銅貨1枚だった。
最終的に銀貨5枚分買った。銅貨10枚で銀貨1枚らしい。となると金貨は銀貨10枚で1枚か?
銅貨が1枚100円とすると、銀貨は1000円、金貨は1万円か...安いな。
タレがみんな違いがあるようでどれも美味しかった。
そんな感じで昼飯を食べた俺達は雑貨を売ってる所をまわってみた。
「お、魔道具も売ってるんだな。」
「うむ、偽物も紛れておるがの」
神眼で見てみると確かに幾つかある。
「そうみたいだな。」
「それで、この魔道具を買うのか?」
「うーむ、悩むが性能は良くないみたいだから止めておこう。」
「まぁ、主は自分で造れるしの」
「アレを魔道具と呼ぶならそうだな」
「そうじゃな」
それからしばらく露店を見て回って、街の連中にお土産を買ったりしていた。
さて、そろそろいい時間だな。
テレポートための座標を街の外にセットして帰ろうか。
「エル、そろそろ帰るぞ?」
「む?もうかの?」
「ああ、そろそろいい時間だからな。」
「そうかー、名残惜しいのじゃ...」
「また来れるさ。」
「そうじゃな…」
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そして朝と同じく所の門に向かった。
「ん?お前ら今朝の坊主と嬢ちゃんか。こんか時間に何処にいくんだ?」
「路銀稼ぎのために狩りに行ってくる。
だから付けてきてる護衛は要らんよ。」
「はっ、やっぱりバレてたか。アイツはちったぁ役にたったか?」
「ああ」
「ならいい。お前らいつ帰ってくるんだ?」
「さぁ?分からんな。」
「は?それはどういうことだ?」
「俺達、このまま何日か泊まるし、その後はどうするか決めてないからな」
「そうか。まぁ、こっちの仕事が減りそうだからいいんだがな。」
「えっ!隊長!危険ですよ!この周辺は魔の森の凶暴な魔物が出てくる可能性があるんですよ!?止めた方がいいです!」
近くに居た若い兵士がそう言ってきた。
「いや、こいつらなら何とかなる。」
「何故そうと言い切れるのですか!?」
「あー、そうか。お前はまだここに来て1ヶ月か...それじゃあ分からねぇよな。」
「はっ?それはどういう...」
「俺達門番は人の善し悪し、そしてその実力がある程度見分けがつくんだよ。ってか、つかないとダメなんだが…」
へぇ、そうなのか?
「な、なるほど、そうなのですか?」
「まぁ、お前もいつか分かるさ。」
あ、こいつ説明端折りやがったな。
「なぁ、もう行っていいか?」
「ん?ああ、待たせて悪かったな。行っていいぞ。」
「ああ、じゃあな。」
「あ、いい忘れてた。俺の名前はジークだ。お前らの名前は?」
「ヤナギだ。」
「エルじゃよ。」
「そうか、分かった。これで本当に最後だ行ってこい。」
「ああ、じゃあな。」
「じゃあの〜」
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迂回して森に向かった俺達は辺りに誰も居ないのを確認して森の出口付近にテレポートの座標を設定してそのまま帰った。もちろんバレないように隠蔽した。
「ただいま。」
「ただいまなのじゃ!」
「えっ!?あ、おかえりなさいませ!」
「おかえり〜」
あー、そうだった。セアルにはテレポートルームの話をしてなかったな。セアルにその話をすると。
「なるほど、そういう事でしたか。」
「ああ、と言うか驚かないんだな。」
「えぇ、まぁ、旦那様ですからね。何が起きてもおかしくありません。」
「ふむ...別に俺はなんでも出来る訳では無いんだがな。」
「ふふっ、冗談です。」
「そうか?」
「はい、それよりも今夜はカレーですよ。」
「なんじゃと!?カレーか!?やったのじゃあ!」
「うん?何それ?私は知らないんだけど美味しいものなの?」
「ふふっ、楽しみにしていて下さいね。今日は自信作なんですから。」
それから4人で夕食を食べた。
セアルの自信作は美味しかった。
エルは2年前に食べたカレーが忘れられないようで、少し唸っていたがこれはこれで美味しいと食べていた。メルも美味しいと言って食べていた。
そして、俺達は街の話をしながら夕食を食べて行った。ちなみに、竜の二人は大食いで寸胴鍋2つ分が無くなった。




