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27話『ギルド』


「エル」


「うむ、あの門番、気づいておったな」


「ああ、感の鋭いやつだな」


「恐らく直感が優れておるのじゃろう。」


「スキルか?」


「いや、ただの感じゃな」


「ふむ、そうか」


「早速付けてきてるの」


「随分と仕事が早い事だな。その割には杜撰だが。」


「そうじゃな。鍛錬が足りておらんよ」


「まぁ、これが一般的なレベルなんだろうな。」


「む?そうなのか?昔、我を討ちに来た輩はこれよりもマシだったんじゃが…」


「そいつ等と比べてもダメだろう。」


どうせそいつ等は英雄とかそういうやつだろ?

竜に挑むのに弱い奴が行く筈ないだろしな。


「そうなのか?アレが普通だと思ってたのじゃが…」


「違うだろうな。」


そんな話をしていると冒険者ギルドに着いた。

中に入ると意外と綺麗だった。冒険者ギルドって汚いイメージが合ったんだが。そんな事は無いらしい。だが、この時間から飲んだくれている奴は居るんだな。とりあえず、受付に行ってみた。


「済まない、ギルドに登録したいんだが…」


「はい、登録料で銀貨1枚頂きます。」


受付嬢はやはり若い女か。まぁ、男より女の方が冒険者がやる気を出すから、みたいな理由だろうな。


「そうか、じゃあ先に魔物の素材って買い取って貰えるか?」


「えぇ、ギルドに登録しているより安くなってしまいますが、出来ますよ。」


「そうか、じゃあとりあえずこいつを頼む。」


そう言って俺はバッグから魔狼(ウルフ)を5匹取り出した。


「えっ?あの、失礼ながらこれは魔狼(ウルフ)ですよね?どうやって倒したんですか?」


ふむ、バックの事は聞いてこないのか?

となると珍しい訳では無いんだな。


「普通に切って殺したが?傷口をみれば分かるだろう?」


「あ、そう言うことではなく、倒し方なのですが...」


「ギルドってそんな事を話さないといけないのか?」


「い、いえ、違います。失礼しました。」


「おいおい、坊主。盗んだんじゃあ無いよな?」


飲んだくれていた冒険者が話しかけてきた。

あ、もしかしてこれ、テンプレじゃないか?


「いや、違うぞ。」


「はぁ?お前みたいなヒョロいのがどうやってこんな魔狼を倒したんだよ?」


あー、これはめんどくさいやつだな...


「普通に剣で切ったが?」


「ははは!面白いこといいやがるな。じゃあやってみろ。」


「めんどくさいやつだな。それは買取と関係あるのか?」


「うるせぇ!お前は黙ってやればいいんだよ!」


「なぁ、主。こいつは何を言っておるのじゃ?」


「さぁ?俺にもわからん。酔ってるんじゃないか?」


「このガキ!!」


男はそう言って腰にあった剣を抜いて攻撃してきた。


「遅い。」


イラッとしたので剣で得物を壊してやった。


「はぁ!?」


「それより受付嬢、早く買取して欲しいのだが?」


「はっ、はい!すぐに!」


「お、お前!どんな手品を使いやがった!俺の相棒を壊しやがって!」


「うるさいな。」


そして、そのままそいつにだけ威圧してやった。


「ひっ!!」


「いいか、今回は見逃してやる。分かったらさっさと帰れ。」


そう言うと、男は慌てて帰って行った。

それを見た他の冒険者は笑って酒を飲んでいた。


「いいぞー!坊主!」


「ははははは!!!」


「馬鹿なヤツだなぁ!」


あ、ついカッとなってやってしまった...まぁ、この反応かは察するにそんなに異常な事じゃ無いんだろう。

と言うか俺は19歳何だけどな…坊主...か、そんなに若く見えるのか?


5分ほど冒険者達と話しながら待っていると、受付嬢が先輩と思わしき女性を連れて来た。


「魔狼の査定が終わりました。先程はうちの新人が大変な失礼をしたらしく、申し訳ございません」


「申し訳ございませんでした!」


「いや、気にしてない。それよりも査定額を教えてくれ。」


「はい。査定額は金貨10枚です。状態が非常に良かったとの事なので、値段が高くなっています。」


「そうか。」


「もし、冒険者ギルドに登録されるのでしたら、先程の無礼をしたので登録料は免除させて頂きますが、いかがしますか?」


「じゃあそうしてくれ。」


「はい、分かりました。それではこの紙に名前を書いてください。」


「ああ」


名前は...まぁ、ヤナギでいいだろう。


「はい、確かに預かりました。これで登録は完了します。それではこの冒険者カードを渡します。」


「ああ」


「ギルドの説明はしますか?」


「ああ、頼む」


「まず、ギルドにはランクがあり、Fから最高Sがあります。最初はFからスタートですね。ランクを上げるにはそこに貼ってある依頼をこなすか、強い魔物を倒し、ギルドに売って貰えれば上がります。ただし、Cランク、Bランク、Aランク、Sランクになるにはギルドからの指定依頼をこなしてもらう必要があります。」


「ふむ、具体的にはどんなことをするんだ?」


「はい、Cランクでは盗賊を討伐する事です。

それ以外はそのランクに見合った魔物の討伐です。」


「分かった。続けてくれ。」


「はい、次に、ギルドの罰則規定なのですが。

まず、殺人の禁止。魔物に追いかけられたときに他の冒険者に押し付けることも禁止です。そして依頼を故意に失敗させるこの禁止。最後に正当な理由なく依頼の放棄することの禁止くらいですね。」


かなり緩いな。まぁ、こちらにとっては都合がいいな。


「そうか。」


「以上になりますが、何か質問はございますか?」


「そう言えば、ギルドの職員は冒険者同士の喧嘩を止めたりはしないのか?」


「いえ、止めますよ?それがどうかなさいましたか?」


チラッと若い受付嬢を見たら顔が青ざめているんだが…やはりそうだったか。


「いや、なんでもない。だが新人教育はちゃんとした方がいいぞ。」


「なるほど、そういうことですか。分かりました。きちんと教育させていただきます。」


「ひっ!...す、すいませんでした!」


「とりあえず、買取した金を貰えるか?」


「はい、ギルドに登録して頂いたので値段が高くなっていますので買取額は金貨10枚と銀貨5枚になります。」


「ああ」


「本日は何か依頼を受けますか?」


「いや、いい。」


「分かりました。何か御用がありましたらご利用ください。」


「あ、そう言えば、まだあんたの名前を聞いてなかったな。」


「あ、そうでしたね。失礼しました。

私の名前はエレノアと申します。この新人はリルカです。」


「よろしくお願いします。」


「ああ、俺はヤナギだ。何か用があったら尋ねるとするからよろしくな。」


さてと、やる事はやったな。あとはどうするか?


「エル、何か買い物でもしていくか?」


「うむ!」


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