四十話 平和
謁見の間な連れてこられたエルフ達。
「何の書簡もなく、我が国に武装して攻めてきた。エルフよ、何か申し開きはあるか?」
「人間ごときが、竜を従えているからだ!」
なんだ。その理由は。まるで竜種がエルフの所有物のようではないか。誰のものでもないんだ。勘違いも程々にしてほしい。
「そうか。では、処分はその竜に任せよう。」
「な!?」
「え!?」
クロスのお爺さんも俺も驚いた。俺は政治なんてわからない。だから、クロノアに投げたのに、一周回って俺に戻ってくるなんて思わないだろう。
「良いのですか?」
「殺すも良い牢獄に入れるも良い。好きにせよ。」
ちなみに此のくにに奴隷なんてものは存在しない。俺もそれは嫌だ。牢獄は何年世話をしないといけなくなるかわかったものじゃない。殺すのは俺の経験値になるだけ。一択か。
「俺の経験値になってもらいます。」
「良かろう。」
俺は一瞬でエルフ全員を氷付けにして倒した後、火葬した。
一件落着して、俺の周りには平穏が戻った。そして、俺は暇になった。そう、フェリスドラゴンに進化してから、レベルアップが難しくなったんだ。進化した竜種を倒さないとレベルが上がらないくらいだ。そういえば、エルフでもレベルは上がったな。
ルヴィリカ、フェリスドラゴン、48/100、361934/361934、634230/634235。
これが今の俺のステータス。エルフ戦でかなりレベルが上がったな。だが、それ以来上がっていない。もう十分強くなれたから良いかなとは思ってる。
今は城に居る魔物の世話をしている。当然、人化してだ。人化を知っているのはシヴィ、クロノア以外には王様とその騎士モノスだけだ。だから、ルイと名乗って、竜種であることを隠して働いている。俺は魔物の言葉がわかるから、かなり懐かれている。シヴィと一緒に居ても良いけど、これもこれで幸せだな。
◇シルヴィ日記◇
エルフとの戦いが終わって、ルヴィはルイと名乗って城の魔物の世話をするようになった。俺が「人化してやってみたら?」と勧めたんだ。ルヴィは楽しそうだ。これでルヴィが危ない所に行くようなことはなくなったはず。もし行くようなら心配だ。
それにしても「ルイ」は「るい くきの」の「るい」だろうか?竜種になる前の名前とかかな。竜種にされた?生まれ変わり?何でも良いか。ルヴィはルヴィだから。大切な親友であることに変わらない。
今までこの物語を読下さり、ありがとうございました。この物語はここで完結です。この作品は三作目です。楽しんで頂けていたら幸いです。これからも宜しくお願い致します。




