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「いや~・・・」
もう何度も言ってるけど、ウチの嫁ってやっぱすごいね。
ハヴァマールぶっ放した後、グリームニルでバッサバッサ、○双もびっくりの一騎当千ぶり。
っとと。やべ普通にこっちにも敵来てる!
「リーンベル!いっちょ派手なのよろしく!」
「はい!はぁぁぁあ!!風よ!遍く全てをその暴威にて討ち払いなさい!『アイオリア』!」
轟!!
わー・・・妹もビーム的なの撃てるんだぁ・・・
まぁ横向きの竜巻って感じだけど・・・
大体消し飛ぶからどれも一緒だ。
いいなぁ、そういうの・・・
「よし!」
ガッツポーズ超可愛い。
「お兄様!しばらく護衛をお願いします!」
「はいよ!」
ヒュン・・・ドス・・・ヒュン・・・ドス・・・
と言っても、敵が全ッ然来ない・・・
近づくヤツは片っぱしから脳天に矢が刺さって倒れていく。
『弓鬼』さん、いい腕してますわぁ・・・あんな遠くにいるのに・・・
「はい!じゃあもう一発行きますよ?」
轟!!
う~ん・・・『戦女神』『聖女』『弓鬼』が味方、すなわち無敵でございます。
お兄ちゃんやる事ないんだけど・・・
馬に乗って適当にパカラってこようかな、『暴れん坊』だけに・・・
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「アスモディア様!ドワーフ共が寝返りました!!」
よし!
「速やかに撤退しろ!あの女は弓と魔法で牽制しつつ確実に距離を取って相手どれ!」
「は!総員撤退!総員撤退!」
くぅ・・・想像以上に被害が・・・精鋭のデーモンナイトまで失うとは・・・
魔王様、申し訳ございません・・・
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「あら、撤退を始めましたか・・・思ったより手間取ってしまいましたわ。魔族もなかなかやりますのね。」
「ふふ・・・あの子達も良い動きでした。戻ったら誉めてあげましょう。」
ルルーイエ防衛戦、この戦におけるイリス達の撃破数はおよそ8千程と語られている。
歴史に残る、戦女神の出現、この戦を皮切りに幾度となく女神はその名を轟かせる事となる。
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お?敵が・・・
「リーンベル、どうやら終わったみたいぞ!」
「はい!ふ~、疲れましたぁ・・・」
言ってその場に座り込むリーンベル、こらこらはしたない、今日は水色ですか、そうですか。
「兄ちゃ~ん!大丈夫!?」
「お~う!今日は無傷だったぜ!」
片方の馬車に乗りこちらへ駆けてくるカイム。お前もよく頑張ってくれたな。
「よし!二人共お疲れ様、少しずつ後退しつつ、イリスを待つぞ。」
「「は~い!」」
さて、あの闘いぶりじゃ間違いなく大丈夫だろうけど、早く帰っておいで、イリス。
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「なんとか、終わりましたか・・・・。エルロンドへ伝令を。当方、損害軽微のため、予定通り5日後明朝にてグラスヘイムへ進軍されたし。なお、勝利の女神をお返しする、と。」
安堵も束の間、グラスヘイム進軍のため、兵を整え始めるルカ。
この勢い、鈍らせるわけにはいかない・・・
テレーズもまた、出陣の準備は万全であった。
互いの領主の決断は最善手かに思われた・・・
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「戻りましたわ。」
女神様の御帰還だ。
「お帰り、お疲れ様。無事みたいだね、こっちもなんとか無傷だったよ。」
妹弟の大活躍でね。
「ええ、何度かそちらを確認しておりました。リーンベル、カイムよくやりましたわね。」
「うん!」「はい!」
「特にリーンベル、ひとつひとつが迷いのない、素晴らしい魔法でしたわ。」
「お兄様達が護ってくれたおかげです!心おきなく全力を出す事が出来ました!」
うん、もうテンション上がりまくりだったもんね、カイムもスコスコ仕留めるし。
ちょっとウチの家族、好戦的すぎやしませんかね?主に女性陣。
「今後も期待していますわ。さぁ、ではこのままエルロンドへ帰還し、グラスヘイム奪還作戦へ加勢しますわよ。」
この勢いに乗せて進軍ね、ドワーフを引き入れちゃったから、ルルーイエのキャパ的にもう後戻りは出来ないけど・・・万が一、落とせなかったらどうすんだろ。
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「お帰りなさい!聞いたわよ!?奇襲どころか敵軍殲滅寸前まで追いつめたそうじゃない!」
真っ先に出迎えてくれたテレーズ様、いやそこまではやってねぇよ。え?やってないよね?
「敵将は取り逃してしまいましたわ。あの兵の用いり方、並みの将ではありませんでしたわね。」
「そう、もしかしたらアスモディアが出てきていたのかもしれないわね。」
噂の三魔神将か、だとしたらイリスに向かってこなくて良かったぜ。
「さぁ、しばらくは疲れを癒しなさい!それと・・・・」
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「お帰りなさいませ。お帰りをお待ちしておりました。」
「ウィルヘルムさん!テレーズ様から聞きました!本当によろしいんですか?」
なんと、宿屋のウィルヘルムさんが我が家の執事に名乗りでてくれたそうなのだ!
「はい、私、以前はテレーズ様の執事を担当しておりまして。宿の経営難を建てなおすため、お屋敷から派遣されておりましたが、旦那様から使用人の御相談を受けておりましたので、自らテレーズ様へ進言させていただいた次第です。」
マジか・・・ついに執事持ちか、ウチもう貴族の仲間入りじゃね?
「ありがとうございます!大歓迎ですよ!」
「恐縮でございます。旦那様、奥様、リーンベル様、カイム様。改めまして、ウィルヘルム・レオンハートと申します。何卒、よろしくお願い申し上げます。」
「よろしくお願いしますわ。」
「よ、よろしく。」「よろしくお願いします。」
初老のジェントル執事ゲットだぜ!
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「それでは皆様、お食事、お風呂のご用意をいたしますので、今しばらくお寛ぎくださいませ。」
と言ってウィルヘルムさんは、早速仕事にとりかかっていった。
そうなのだ、ウィルヘルムさんは不法侵入等せずに、律儀に家の前で待っててくれたのだ。
別に入って待ってても良かったんだけど、鍵くらいテレーズ様も用意してくれただろうに。
「お兄様?あの方はどなたですか?」
「ああ、二人は知らなかったっけ?俺達がこの街に来たばかりの頃、お世話になった宿屋の従業員さん。良い人なんだぜ?仕事出来るし。」
「そうなんですか。突然だったのでびっくりしちゃいました。」
俺もびっくりだよ。まさかテレーズ様の所の執事さんだったとはね。
・・・「ウィルヘルムを雇ってあげてちょうだい!」・・・
いきなりすぎて戸惑ったけど、ウィルヘルムさんならホント歓迎だわ。
「あのさ、姉ちゃん?あの人、多分強いよね?」
「ええ、恐らく、元武人ですわ。」
「え?そうなの?」
すごい物腰柔らかな紳士なのに。
「はい、立ち振る舞いが洗練されすぎておりますもの。優秀な傭兵だった・・・とかではないかしら?」
へぇ~・・・え?もしかしてまた我が家の武力が強化されんの?
「ま、まぁウィルヘルムさんの話はそのうち本人から聞くとして、彼を雇う事に反対は無いみたいだし、仲良くしていこうな!」
「ええ。」「うん!」「はい!」
ふぃ~、みんな本当に順応早いよね、ウチの家族は性格が素直で助かるよ。
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「お待たせいたしました。お風呂の準備が整いましたので、どうぞ。引き続きお食事のご用意をいたします。」
「すいません、ありがとうございます。」
雇ってるわけだけど、なんか申し訳なくなっちまうな。
「ふふ、旦那様、どうぞお気になさらず。なにかご所望の料理はございますか?」
「あ、じゃあ肉料理で・・・」
「かしこまりました。」
は~、ウチがホテルになったみたいだ。
「兄ちゃん!一緒に入ろうぜ!」
「おう!」
ウィルヘルムさん料理も出来るんだな。女性陣に教えてやってもらおうかな。
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「それでは皆様、本日はこちらのお料理となります。お召し上がりください。」
すっげ・・・
「美味そう!」
「これは、すごく美味しそうですね。」
「いただきましょう。」
こんなん毎回出てくんの?太るわ。
「豪華ですね。」
「テレーズ様より、高級な食材をご用意いただきましたので。」
ご褒美かね、ありがたく頂戴しよう。
「あれ?ウィルヘルムさんは?」
「私は後ほどいただきますので、お気になさらず。」
「別にいいですよ、そんな寂しい事言わずに、一緒に食べましょう?」
「左様でござますか?かしこまりました。ご配慮いただきありがとうございます。では、用意して参ります。」
「ふふ。」
「どうした?リーンベル?」
「いえ、お兄様はやっぱりお兄様なんだな、と。」
「?」
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「「「「「いただきます。」」」」」
「うっま!」
何この肉!やわらか!
「これは、本当に美味しいですわ。」
「お誉めに預かり、光栄でございます。」
「すごいよ!ウィルヘルムさん!」
「今度お料理を教えていただきたいです!」
若者の好感度を掴むには、胃袋から、ですかね。
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「Aランク傭兵!?」
「はい、若かりし頃ではございますが、引退し、テレーズ様に引き取っていただいたのですよ。」
イリス、ビンゴじゃん・・・
「やはり、今でも劣りは見せておりませんわ。鍛練なされていますのね。」
「いやはや、奥様にはかないませんな。さすがでございます。」
「それすごいの?」
君らもBランクからだもんね、ギルド最高ランクだよ、俺も最近なったけどさ。
「めっちゃすごいから、あ、そうだ!カイム、明日ウィルヘルムさんとギルド行ってきて。」
「なんで?」
「ウィルヘルムさんも俺達のお金を受け取れるように、シャルロッテちゃんに頼んできて欲しいんだ。」
執事になってもらったんだし、生活費を工面してもらわないとね。
「ご信用いただけますのは大変ありがたいのですが、よろしいのですか?」
「ええ、我が家を今後とも是非よろしくお願いします。」
「旦那様・・・・かしこまりました。カイム様、よろしくお願いいたします。」
「わかった!」
「あんまり節約とか考えなくていいですから、100万セル以上使う時は教えてください。」
「は?はぁ・・・いや失礼、かしこまりました。」
こないだのスパルタ修行でさらに稼いだから、当分は大丈夫だと思うけど。
「あ、ウィルヘルムさん、そういえばお給料とかってどうします?」
「住み込みを許可いただいておりますので、あまり望んでおりませんが・・・」
「じゃあ、欲しい物があったり、お金が必要な時は相談してください。」
「かしこまりました。」
嫁を得て、家族を得て、執事を得た。絆っていいなぁ・・・・
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「旦那様、奥様、食後のワインでございます。」
「ありがとう。」
酒か・・・この世界で初めて飲むな、前世ではあまり飲まなかったんだけど・・・
「頂戴しますわ。」
妹達は部屋に戻ってしまった、さすがに疲れてたんだろう。
「テレーズ様よりお伺いしております。また、近く戦争に発たれるそうで・・・」
グラスヘイムの奪還。先のルルーイエ防衛でイリスを出しても何の問題もなかった。
あの違和感は気のせいだったのかな?
「ええ、まあ俺達は大丈夫ですよ。イリスがいますから。」
「はい。次回は突出しませんので、あなたのお傍で、お守りしますわ。」
「今やグラスヘイムは魔族の領土、どうかご無理をなさいませぬ様、お気をつけくださいませ。」
「ウィルヘルム殿?あなたも来られますか?」
「このような老獪など、足手まといになります。」
「あら?今だ一軍程度、率れると思いますわよ?」
「お戯れを。」
「イリス、ウィルヘルムさんには家を守ってもらおうぜ。それにイリスもテレーズ様もいない時、エルロンドを防衛出来る人も必要だよ。」
「旦那様まで、都市の防衛等、身に余ります。ですが、この屋敷、皆様の帰る場所は責任を持ってお守りいたしましょう。」
安心感があるね。
「さぁ、あなた?そろそろ・・・」
ん?もう寝るのか?
「ウィルヘルム殿?ひとつお願いがございます、夜は私達の寝室近づかぬように。」
「かしこまりました。それでは、お休みなさいませ。」
イリス・・・わざわざ釘を刺さんでも・・・
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ドン、ドサ・・・
「あのね?イリス、押し倒すって普通男の役割・・・」
「久方ぶりの戦で昂っておりましたのよ?もう我慢等出来ませんわ。」
「それに・・・あなたは先の戦争で何もしていなかったのでしょう?『暴れん坊』の名が泣きますわよ?」
だからってベッドの上で『暴れん坊』しろってか。そっちのが泣くだろ・・・
「俺も疲れてるから、ほどほどにね?」
「『ヴェルスパー』」
問答無用ですか、そうですか・・・・
これ、子供が出来るまで続くのかなぁ・・・
ひと時の安息、歴史が動くまであと4日、新たな仲間とともに、夫婦はその時代の流れに呑まれていく。
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