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ドゥープレックス ビータ ~異世界と日本の二重生活~  作者: ルーニック
第四章 夢のナヴィスハンザ同盟
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閑話 オリヴィア・ダグラス・リンドは何をやろうとしていたのか?

【まえがき】

 いつもご愛読ありがとうございます。

 色々とこの話ではお叱りを受けていますが、確かに伏線として色々な話を出してそれらはここでは回収できていません。自分が読者目線だと考えてみればそういうのって本当にモヤモヤしますね。

 本当に作者の適当さ加減には呆れます。これが書いているというのが実際には嘘であれば、どうしようもないと諦められますが、本当に書いていて、空も飛んでいるしラジオ放送も始まっているんですよ(笑)

(空の話は公開出来ました。この話などはかなり前に書いているので時系列が良くわからなくなります。すみません)


 ビブラートの話や海運業の話、マダガスカルまで足を延ばして探したリンディーの話も全く伏線なままです。

「伏線位は回収して」と結構正論でお叱りを受け、リンディーの話やマルテの海運業の話程度は伏線回収部分としてまとめ公開させて頂きます。(今、書いてて自信があまりなくなって来ました)

 ご不満を募らせ、大変適当で申し訳ありません。

 今回は第三者目線でこの辺りの解説回開始です。


【美男子メアリー・ルード】

 ターオンで生まれたメアリーの生い立ちはかなり特殊な事情であったと言わざるを得ない。

 彼女の母親アマンダは船乗りと結婚し、二人の間には幼い男の子がいた。

 しかし夫は航海にに出て海賊に襲われ帰らぬ人となったのである。


 アマンダに近隣の同情は集まるが彼女もあまり褒められたものでなく、浮気相手の子供が出来た際に息子と田舎で過ごすと実家に引っ越したのである。


 その後、息子を亡くしたがその時の子メアリーが生まれた。

 アマンダはメアリーを男装させ亡くなった男の子として育てたのである。

 そんな事情からメアリーはずっと男装だった。

 

 母親アマンダは子供をまともに育てず祖母に育てられる。後に祖母が亡くなると貴婦人の家に奉公に出されその後海軍の軍艦に乗った。


 メアリー自身は仮に男性であれば美男子になったであろう顔立ちだ。

 何しろ、あの海賊アン・バニーと知り合ったのは酒場で「男前なのがいる」とアンが声をかけたからという逸話がある。


 ずっと男装をして男の子の中で過ごしてもガキ大将だったメアリーはまさに男勝りだ。

 大人になり胸が大きくなっても男装をしその胸を隠していない為、近くで胸を覗き込めば女性である事は直ぐに判った。そう、メアリーは『お前は女にやられたんだぞ』と敢えて死ぬ相手に教えてたのだ。

 アンと知り合ってからは海賊として過ごし、左右の手に剣と単筒という姿がとても似合う男装の令嬢だった。

 そしてその後、リンディーと知り合う事になる。


 その為にはリンディーの生い立ちから話をしなければならないだろう。

 愛情薄く母の都合で男装で育てられたメアリーのリンディーに対する感情はかなり特殊で複雑なものだ。



【女傑オリヴィア・ダグラス・リンドは何をやろうとしていたのか?】


 ソフィアの一世代前、レオノーレと同じ頃に産まれたオリヴィア・ダグラス・リンドは貧しい男爵家に産まれたが小さな頃から聞き分けの良い子だった。

 ポロクム公国は奇跡的に1世紀程の戦争のない状態が続き文化は絶頂期を迎えていた。

 貴族達はこぞってイカリー発のルネサンスを好み、芸術家、建築家、詩人、科学者などさまざまな者を呼び文化の発展を謳歌していた。

 しかし、時代はそこまで発展しておらず、男爵家のオリヴィアの両親は貧乏ではあったが文化の発展と住みやすいポロクム公国の首都クラフトに満足していたが、オリヴィアは常に不満を抱えていた。しかしその不満を家族に漏らす事も無かった。


 ルネサンスを代表するような建築物はあるが、書籍も手書きで天文学も天動説だった。

 それまでも宗教的な理由で地動説が弾圧されてた事も理解した。ここポロクム公国では宗教による弾圧は酷くはない。



 まず、オリヴィアが手掛けたのが「活版印刷」だ。しかしオリヴィアの知識では材質や細かい部分も判らず、大まかな構想を描き商人と取り引きした。

 原理としては正しい知識だった。この世界でまだ産まれていない技術だ。しかしこの原理を正しく使い、考えれば凄い技術者が作ってくれる事は判っている。


 当時のポロクム公国には幾人かの大商人がいた。文化の発展を最も謳歌するのが商人達だ。

 バネル家やマンテルピ家、メラヒントン家、ムーア家などはこの時代に際立った商家である。

 ムーア家の若き主人トーマスはこの技術にいたく感動し結構な高値でオリヴィアから買い取ったのである。

 貴族家ではあるが、幼い子供に対しては破格である。


 但し、他にもあれば買うが他の商人に持ち込まずムーア家に持ってこいと専属の約束をしたのである。


 高値で買ってくれた事に気をよくしたオリヴィアはまず、貸借対照表、複式簿記をトーマスに説明した。


 トーマスはこの有用性に気が付き、直ぐに極秘で自らの店舗に広めたが、口の軽い店員も多く直ぐに幾つもの商人が利用し始めた。トーマスは慌てて王家に報告し、その功績を持ってして商爵から男爵へと昇爵したのだった。

 言わばムーア家が貴族になれたのは幼い頃のオリヴィアのおかげだった。



 その後、オリヴィアは上水道の為に手動ポンプの原理を説明するが、これも詳細には判らずとも理論的には10m程度使えるが実用可能なのは7~8mだというような詳しい事も最初から知っていた。


 トーマスは複雑な事を考える事が好きで、オリヴィアの様々なアイデアを高く評価し商人の権利は保持していたが第一線からは退き自らは科学者として生きる事にした。


 極めつけは地動説だ。トーマスに説明された理論は万有引力に始まり、非の打ちどころがないが、今の科学では検証が出来ないとオリヴィアは言う。

 この話題をトーマスが貴族や科学者の交流で話し、後のポロクム公国のニコラウス・カスペルニクスが地動説を唱える事となる。

 この時期に地動説を唱える事が出来たのは教会による圧力が比較的少ないポロクム公国かグレースフェール帝国くらいだろう。



 オリヴィアが成人する頃には地元の聖職者や知識人にも尊敬される存在になっており、金銭も人望も持ち合わせていた。

 聖職者達によくある腐敗などとは縁遠く『人は皆平等だ』とあたかも宗教のような事も唱え始めたのである。

 これも一部の聖職者達からは絶大に支持された。


 財力を使い、船の建造、武器の生産を手掛けたが、時代は平和を謳歌していたので貴族達もあまり感心は示さなかった。

 しかしポロクム公国は東の大国、ルジア(モスクマ大公国)、南のアウストリア、西のグレースフェールと強国に挟まれオリヴィアは必ず戦争になると常に言っていた。


 しかしここでオリヴィアに転機が訪れる。


 大商人達が少数ではあるが奴隷貿易を始めたのである。


 古代から戦争奴隷は慣習としてあるが、罪のない黒人がアフリークから連れて来られたのだ。


 オリヴィアが「人は皆平等だ」と唱えるのはそれを防ぎたいからでもあった。


 この頃のオリヴィアは既に女傑と言われ、数多くの付き従う者達がいた。

 彼女に心底惚れ込み造船でも世話になっている海賊達も付き従った。


 オリヴィアという名は聖人の名ではないが、オリーブの名称から取られたもので教会を連想させる為、教会嫌いな本人がとても嫌っていた。

 彼女に付き従う者達はリンドの苗字をもじり、「リンディー」と呼ばせていた。


 メアリー・ルードがリンディーと知り合ったのはこの頃だ。


 オリヴィアの作った船で一緒に世界を駆け回り、メアリーの思い描いていた最高の時間を数年過ごし、メアリー・ルードは一生リンディーと生きていくと確信したが、ヌーワールドの南カリブーの海を駆け巡り、インディアへ航海した後、リンディーは自分の船で数名を引き連れて海の彼方へと消えてしまったのだ。


 メアリーはアン達と慌てて後を追ったが、西へ行ったことしか判らず、後に船をアフリークの「マダガスカルで見た」という情報を聞くまで、「裏切られた」「捨てられた」と思い込んでいたのである。


 メアリーの想いは一方的なもので、恐らくオリヴィアにはより優先すべき事があったのだと思われる。



 その優先すべき事。女傑オリヴィア・ダグラス・リンドはいったい何をやろうとしていたのだろうか?



【ソフィアとの接点】


 ソフィアは直接会った事はないが実は接点があった。


 貴族学院のサロンには、主人(サロンマスター:ユリアーナ先生)が様々な著名人を呼んで話を聞く機会がある。

 これは、詩人であったり、科学者や芸術家であったりする場合もある。これがサロンの正しい使い方だ。


 ソフィアがプラマーリアの一年の際の招待客で、以前、ソフィアが少しだけ「気になった」事があった。


 ポロクム公国からの科学者達がゲストに来た時の事だ。

 ポロクム公国科学者 トーマス・ムーアとフィリップ・メラヒントンで、彼らは科学者と言っても商売もやっている商人でもあった。

 

 ポロクム公国は東の大国ルジア(モスクマ大公国)、南のアウストリア、西のグレースフェールと強国に挟まれ、現在は東の大国と戦争中だ。しかし商人はグレースフェールとも取り引きがあり、パープラングのカーディナル公爵の領地と取り引きをしている。

 ユリアーナのパープラングの知り合いの伝手で実現した事だ。


 トーマスとフィリップは現在のポロクム公国は東の大国と交戦中だけど、少し前まで奇跡的に100年程戦争がなく、文化が進んだそうで、ルネサンスと呼ばれるイカリー発祥の様式がとても流行して繁栄の限りを尽くしたと言う。


 ルネサンスはこの辺りの国々エウロパ全域で流行していたが、この背景を考えればソフィアがいかに異常な事をやっていたのかは筆舌に尽くしがたい。


 その際にポロクム公国で商人として大成功したムーア家とメラヒントン家は国への功績によって貴族に昇爵し、その後科学者として研究に明け暮れ今回のサロンへの招待となったのだ。


 様々な面白い話を聞かせ、ルントシュテットの生徒達は目を輝かせて質問し楽しい講義の時間を過ごした。


 時間が結構余り、トーマスはオリヴィアに聞いた活版印刷の話を始めた。


 学生達やルントシュテットの人間に話しても自分達の方が研究が進んでいて追いつけないから平気と思っていたようだ。


 現物は全く作れていなく研究を重ねているそうだ。

 活版印刷の文字の金属は銅か鉛が良いかと考えているのだと言う。


 科学者トーマスの言う「これ」はまだ出来ていないのに、実物どころか既に大量の印刷が始まっている状況に、ユリアーナが驚きソフィアを見る。

 ソフィアはコクリと頷く。恐らく「良いですよ」の合図だろう。

 「既にグレースフェールにあり、動いている」事をユリアーナが説明するとトーマスは驚愕の表情を浮かべていた。

 

 後で見せて欲しいと言い既に印刷されている書籍を見せて額から冷や汗を流した。

 ソフィアとしては「現物を買って行って貰って広めて貰えば」のように考えているようだ。

 ポロクム公国にも書籍が広まる事を優先に権利を売っても良いとまで考えていのだ。

 

 実はそれだけではない。

 更に驚くべき事は、

 複式簿記、ガチャポンプまで研究しているという。

 複式簿記を国中で使い、ガチャポンプは研究中で、あまりの事にソフィアが質問すると、考案者は「オリヴィア」という有名人が考案しているという。

 勿論、ソフィアは既に全て行っている。


 結構不思議な事ではあるが、活版印刷も、ガチャポンプも、複式簿記も地球では過去の時代のどれかでは考案され作られている事を考えれば、それがたまたまポロクム公国で考案された偶然と言う事もあり得るかとソフィアは少し気にはなったがそう考えたようだ。


 極めつけは「地動説」だ。


 地動説は今、貴族学院では「そういう説がある」とユリアーナがまとめて説明を始めた所だが、普通の国では宗教的に弾圧がある。

 グレースフェールやポロクム公国は比較的弾圧が少ない為、科学者がそういう話をしていても処刑されるような事はない。

 この世界で地動説が正式に発表されるのは恐らくこのどちらかの国からだろう。


 地球ではコペルニクスはポーランドで、コペルニクスは人望もありあの時代でも地動説が唱えられたというだけの話だ。


 ユリアーナがとても楽しそうに、重力、楕円軌道の話や地動説の話をトーマス達と延長して話したが、ソフィア達貴族学院の学生たちは講義の時間が終わりそのまま終了となった。


 この答え合わせはソフィアに任せる事にしよう。


 続く。(と思いたいです)


任されてしまいました。org

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