新しい使用人
先日の新しい使用人の件で、ディナサンが目星をつけてくれていた子に関する書類が届いた。
孤児院での勉強の順位は上から数えたら速い子たちばかりで、貴族の使用人志望の子たちだそうだ。男女で2名ずつ。うち一人はブルーベルの補佐役にもなりそうだ。
通常、使用人の雇用は使用人を取り纏める役職の人間が、志望者に関する書類を見て判断することが多い。雇用主直々判断するケースは、雇用主の補佐的立ち位置にいる使用人以外はほとんどない。
しかし、私の場合は別。私の生活を支えてくれる子を雇う以上、この目できちんとみて、仕事をしてくれる子か確かめたい。
ディナサンに面接をする旨を伝えるとすぐに、返事がかえってきた。
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「というわけだから、ブルーベル。この子たちのこと、よろしくね」
「はい!リーゼロッテ様!」
4人の使用人候補と面談をした。結果は4人共合格だ。家事、雑事一通りできるし、面接での姿勢、私に対する礼儀諸々......見た目だけで相手を侮らない姿勢が気に入った。
それに、人を見る目が人一倍あるディナサンのお墨付きということもあるのも決め手となった。
料理が得意で、護身術の心得もあるレゴ。算術と交渉が得意なシルバー。掃除と雑事が得意なベリーとアイシャ。4人にはそれぞれに役割を与えて、離れの管理と必要であればブルーベルの補佐をしてもらうことにした。
とりあえずお試しで1ヶ月。続けられそうなら本契約を結ぶという形に。契約に立ち会ったディナサンは「その契約方法、僕も真似してええ?」なんて言うが勝手にすればいいと思う。
というわけで、6人の公爵邸生活が幕を開けた。
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「レゴ、食材の仕入れの件ですが、リーゼロッテ様は鯉などの淡水魚はあまり好みません。魚類をお出しするのであれば、海水魚、またはなるべく匂いのキツくないものをお出ししてください」
「わ、わかりました!」
「シルバー、先日あなたに任せた今月分の予算振り分けですが、無駄が多すぎ。この予算の振り分け方ならもう三分の一は抑えることができるはずです。至急やり直してください」
「すみません。すぐにやり直します」
「アイシャ、ベリー、先程頼んだお使いはいってくれました?」
「はい!明日買い込んだ品物の宅配便がこちらに届くはず......」
「お使いで頼んだリーゼロッテ様がお読みになられている小説の新刊とインクは至急必要なものなので、そちらは手で持って帰って来てと伝えたはずです」
「申し訳ございません、」
「しかたないわね......お嬢様には私から話しておくから、次は気を付けてね。インクだけ買ってきてくれる?」
「はい!」
新しい使用人たちと馴染めるのかと心配して、影ながら見守っていたが、心配は杞憂だったようだ。いつもだらしなくゆがめられる幼気な表情は、仕事モードになっており、淡々と部下たちに指示をしていく。
いつもこの調子ならいいのに。と思わなくないブルーベルの意外な一面だ。
ちょっと言い方きつくない?と思うが、まぁ、一ヶ月あるし、様子を見よう。その辺はブルーベルに一任したので彼女に任せるしかない。
......でも、小説の新刊を読むのは明日になるのは残念だな。
柱の影にいても仕事の邪魔になりかねないので、私は自室に戻って読みかけの本を読むことにした。最近はピアノをひくことにハマっているので、楽譜集を呼んで暇を潰そう。




