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急な思い付き

『旋風を纏いて現れし者はこう告げた。

 全能たるその御前では誰もが全てを暴かれる。

 汝、心を疑いし者よ。その真を知りたくば行け。――“東へ”と』


 古い石碑から読み取られた謎の言葉。

 新たにホープ・ブルーの中へと宿った淡く黄色い光。その光にまるで連動するかのように地図にもまた新たな魔法陣が出現した。新たに出現した魔法陣はここより更に東の地を指し示す。クロート号はプリフロップ国を出港し一路東へと進路を向けた。

 

 ホープ・ブルーと地図が示した場所。

『ホープ・ブルーが本来在るべき場所』だと思われたプリフロップは、結論から言って旅のゴールではなかった。


 ならば一体何故、地図はあの場所を示したのか?

 光と共に現れたあの巨鳥は一体何だったのか?

『東へ』とただ残されたその言葉。

 あれは一体どういう意味だったのか?


 突き付けられたこの難題にさすがのアレンも困惑し両手で頭を抱え込む。

 謎が謎を呼び、更なる難題にぶち当たる結果に終わった今回の一件。ホープ・ブルーに関する謎は解けるどころか更に深まる一方だった。


 そんな悩ましい事態の最中、忘れ掛けていたある現実を思い出す。

 それは“航海資金”の事。現在航海用の資金がもうほとんど底をつきかけているのである。航海に必要な資金額がどのくらいのなのか、いまいちピンとは来ないのだが、ほとんどのお金は船の修理代として飛んでしまった為、空っけつ寸前というのが今現在の状況。その現実は更にアレンの頭を悩ませた。


「どうする?どうすればいい?しかし、金が……いやしかし……」


アレンは今朝からずっとこんな状態で。まるで呪文のようにぶつぶつと独り言を呟き続けている。

ホープ・ブルーの件や地図の件、これからの事など尋ねたい事が山程あるのだが、そんな状態のアレンを前にして誰もが声を掛けられないでいた。困り果てた私はラックと顔を見合わせる。

しばらくそんな状態が続いていた中、レイズが操舵手に進路を尋ねた。

 彼らの話が聞こえたのかは定かではないが、話が終わるや俯いていたアレンは急にガバッと顔を上げた。


「今、船の進路はどうなってる!?」

「進路は今は予定通り、新たに魔法陣が現れた場所、“フロップ”に向かっている。現在地はアドオン海峡の辺りだそうだ」

「アドオン海峡……つまりリバイの近く。あそこには確かあれが……」


 レイズの報告を聞いて再びをぶつぶつと考え込むアレン。それを唱え終わるや否や、アレンはすくっと立ち上がった。


「取り舵いっぱい!アドオン海峡に入る!」


 そして、大声で乗組員達に急な進路変更を伝える。


「海峡に入るって、一体どこに向かう気だよ?」

「決まってるだろ」


 驚いた顔をするレイズにそう返して、素早い立ち直りをみせたアレンはこう続ける。


「今はマジで金が無い。このままいけばいずれ航海が続けられなくなってしまう。だから金を稼ぐ!」

「金を稼ぐって一体どうやって?」

「こうなればもう“力技”だ。手っ取り早くかつ確実に稼げる場所に向かう!」


 こうして、海賊船クロート号はアレンの急な思い付きにより、前回同様またしても予定の航路を外れ、一路アドオン海峡へと向かい舵を切ったのだった。


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