証を示せ
「アレン船長!一体何がどうなってるんですか!?」
「俺にも全くもってさっぱり分からんよっ」
「分からんって……確かアレン船長の話ではホープ・ブルーを本来在るべき場所に持って行ってそこに宝石を返せばいいって話だった筈ですよね!?」
「確かにそう言いはしたが……」
「それなのなのにどうして……あの鳥は一体何なんですか!?」
今目の前では、突如出現した巨鳥とそれを取り囲むように展開したフィールド内にレイズ一人が取り残されている。
しかも、レイズ達を取り囲む光のフィールドは、まるで他者の介入を阻むかのように、出入口はおろか、押しても引いてもどれだけ攻撃してみても全くもってビクともしない。
つまり現状、フィールド外からの助成は一切不可能。空間は完全に隔絶されてしまった。
私はアレンに対し浮ぶ限り全ての疑問を立て続けにぶつけていた。
けれども、そんな疑問に対してアレンから返って来るのは全て同じ返答のみ。アレンは一向に分からないと首を振るばかりだった。
「『碧き御霊を持つ者よ 此れを解き
導を辿りて彼の地にてその証を示せ
光が汝を導かん 聖なる炎に身を委ねよ』」
そんな中、何を思ったのか。珍しい事にフォクセルが唐突に口を零した。彼が今口にしたのは、地図に書かれていたあの文言である。
「碧き御霊を持つ者よ 此れを解き 導を辿りて彼の地にてその証を示せ……もしかしたら、その“証”ってホープ・ブルーの事じゃなく……」
レイズと巨鳥を見詰めたまま、何かを考えるような素振りをみせていたラックがフォクセルの言葉を復唱する。そして、ラックは何かに思い至ったかのようにアレンの方へと視線を向けた。
「確か、船長言ってたよね?『あるいは、ホープ・ブルーに掛けられた呪いを超えた者こそが願いを唱えるのに相応しいってやつなのかもしれない』って」
「ああ、まあ確かにな。けど、あれはほんの冗談のつもりというか……何の根拠もない只の憶測だ」
「もし、その憶測があながち間違っていなかったとしたら?」
「どういう事?」
私はラックの答えを急かすように2人の会話に割って入った。
「つまりね、もし仮に、船長のその憶測が間違っていなかったとするならば、もしかしたら地図に書かれていた“証”というのは、碧き御霊、ホープ・ブルーその物とはまた別の物。掛けられた呪いをも超える力。ホープ・ブルーを持つ者の力量を今ここであの鳥に証明しろって事なんじゃないかな?」
「力量を証明しろって……」
そんなの一体どうやって……。
「なるほどな。確かにそう考えれば、今のこの状況にもおおかたの説明はつくかもしれないな」
ラックの述べた見解にアレンは納得したように大きく頷いた。
「つまり、レイズが隔絶されこのフィールドから抜け出す方法はただ一つ。あの巨鳥に己の持つ力を示すしかってない」
「己の持つ力を示すって……」
それってつまり。
「あの鳥と戦うって事……?」
「そういう事になるな」
頷いたアレン。私は改めてレイズと巨鳥の方へと視線を戻す。
レイズvs.巨鳥との戦闘の火蓋が今まさに切って落とされた。




