防犯カメラが!
仁保… 仁保 吉継 三中2年1組 コンピュータ好き
(7)証拠品
夜になっていた。1月の夜である。あまりの寒さに、仁保は目を覚ました。
「…ゴホッ、ゴホッ。ウゲッ…。ペッ。」
腹部にえぐられたような痛みが残っている。吐き出したつばは血の味がした。
「…いってぇ。」
(ちっくしょう。きっと、あれが真犯人だ。でも、殺されずに済んだ…。なんで助かったんだろう…。)
真犯人もやはり現場に戻っていた。たまたま後から来たオレと鉢合わせになり、攻撃を加えてきたのだ。でも、殺さずに去っていった。なぜかは分からない。
(まぁ、この証拠品さえあれば…。)
ポケットには、さっき見つけたホイッスルがあった…、はずだった! のに、
「ない! なくなっている!」
右も、左も、後ろも、どのポケットにも、見当たらない。
(ヤツだ! 真犯人だ! オレを殴った後、ポケットから持ち去ったんだ。
ということは、やはり、あのホイッスルが、犯人の決め手になるものだったんだ! オレを殺すことよりも、あのホイッスルの方が重要だったということだ。それほど犯人に迫っていたのか!
しかし、その証拠品はなくなってしまった。)
「どうすればいい…。」
夕闇に月が輝いている。月の光は、住宅街の家の瓦に反射している。光の一つがキラリと輝いた。
(何だ…、あれは…?)
防犯カメラのレンズだった。
電気店の数軒向こうの電信柱に、防犯カメラが設置されている。
(防犯カメラか…。)
「そうか! 防犯カメラの映像だ。きっと、この電気店も映り込んでいるはず! よし!」
仁保は、自転車を家に向けて走らせた。




