なぜ殺人事件が起きたのか
彩葉 … 気比 彩葉 三中2年1組
仁保 … 仁保 吉継 三中2年1組
千里 … 松原 千里 三中2年1組
和歌 … 野坂 和歌子 三中2年1組
代田先生 … 代田 神楽この4人のクラス2年1組担任
奥山 … 奥山 呉羽 三中2年3組 殺されてしまう
(2)理由
12月、年の瀬に奥山の葬式が行われた。三中の生徒は2年3組以外からも大勢参列し、先生方も、近所の方々も、多くの人々が悲しみに沈んでいた。
その帰り道、彩葉がつぶやいた。
「ねえ、奥山っていう人の、変なうわさを聞いたんだけど。」
「私も聞いた…。」
千里も小声で続く。
「どんなうわさ?」
仁保が聞く。
「なんか、奥山の全国トップっていう成績がウソだったとか…。」
和歌が答える。和歌はそういう情報に、いつも詳しい。
「へぇ。ウソって、どういうこと。」
仁保が聞く。
「なんか、外から通信したとか…。」
千里が答える。千里もうわさには通じている。
「えっ、それじゃ、不正じゃないか。」
仁保は、不正が許せない性質だ。
「そうそう、それで、その不正をバラされるとかで…。」
彩葉は、どうもさらに知っているようだ。
「そうよ、不正をネタにおどされていたとか…。」
和歌の情報は、さらに詳しい。
「でも、殺されたのは奥山だぜ。」
仁保は、奥山と同じ小学校出身だ。
「そうなのよ。奥山が死んじゃったら、おどせないのに。」
和歌が不思議そうな顔で言う。
「通信してたってことは、だれか仲間がいたのかも…。」
千里がつぶやく。
「仲間割れかな…?」
彩葉が不安そうに聞く。
「君たち、凶器のドライバーの持ち主が、犯人じゃないの?」
そう言いながら、彼らの背後から、音もなく近づいた人物がいた。この4人のクラス担任、代田先生である。事件の推理が得意らしい。
「ふっふっふ、君たち! それほど、先生の推理が聞きたいかい? 分かった、分かった。そんなに聞きたいなら、教えてあげよう!」
小さくため息の、4人。
「ふ~、始まったよ…。」
「奥山君の全国トップの成績が不正だと気づいた、ドライバーの持ち主が、世の中の不正をただすために、奥山君の命を奪ったということなのだよ!」
仁保が少しあきれて言う。
「いや、先生、それはあまりに短絡的…。」
千里が質問する。
「じゃあ、ドライバーの持ち主って誰なんですか?」
代田先生、困った顔…。
「いや、それは、ドライバーを普段から持ち歩いている、その…。」
彩葉がたたみかける。
「持ち歩いている人って、そんなに、いませんよ。」
和歌は助け船。
「電気屋さんかな?」
代田先生、顔がパッと明るくなって。
「そう、そうだよ。和歌さん。電気屋さんが犯人だ!」
4人、測ったように角を曲がり。
「先生、さよ~なら。」
「あっ、みんな~…。」
敦賀三中殺人事件の謎は、深まるばかりだった。




