↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
86/89

第86話 M39:森の恩恵(その5)I benefizi dalla foresta:quinto

 第二段階は、地味に消耗する戦闘(batteglia)状態だったが何とか中ボスを倒した。

 お化けワラビさんは、難敵だった。ジョルジュの竪琴が無かったらかなり難しかったと思う。


 苔生す岩壁が続く広場の中、次の段階(fase)へ進む前に回復や装備を確認をする。

 岩壁の中央に一際目立つ苔の塊の部分がある。

 これが次の入口なのは間違いなさそうだ。

「エド、お願い!」

「分かったわ! 連(taglio) (con)断(secutivo)!」

 斧の連続攻撃で苔が剥げ落ち、入口が現われる。

「さぁ、次行くよ! ジョルジュ、念のため防御上げて」

「承知! 防御(canzone)の(di)歌(difesa)!」

「行くわよ!」

 エドを先頭に入口を通過する。


「どうやら第三(terza)段階(fase)開始かのぅ」

「面倒や、はよ終わって欲しいわ」

「悲観するものではありませんぞ。順調に進んでいるではありませんか!」ポロロン♪

「そうよ~、これからが本番よ!」

 気温が少し下がって、爽やかな風が吹いて来る。足元も確りしており安心できる。

 周囲は広く続く草原で、見通しも良い。

 彼方此方に棘のついた二枚の丸葉が見える。

「げっ! 食虫(pianta)植物(carnivora)や!」

「ハエトリグサ(dionea)じゃな」

「お約束とはいえ、強そうですな」ポロロン♪

「しゃーなぃ、ひとつずつ潰すよ」

「時間かかりそうだわ~」


「ワイから行くで~、炎(lancia)の(di)槍(fiamma)!」

 サブの火魔法はハエトリグサ(dionea)に吸い込まれるように消える。

「げっ! こいつ火属性や」

「サブ、降雨(pioggia)おすすめ」

「ことねはん、性格悪いわ」

「いま、気付いたんかぃ?」

 振り返りながらジョルジュへ指示する。

「素早さで!」

「承知! 俊敏(canzone)の(di)歌(agilità)!」

「行くで~、降雨(pioggia)!」

 近くのハエトリグサ(dionea)雨粒が掛かり、嫌がるように葉を震わせる。

 それでも棘の付いた二枚の葉で挟もうと次々に襲って来る。

「これくらい平気よ。挑(provoca)発(zione)!」

 エドに向かうハエトリグサ(dionea)に水魔法を叩き付け、少しずつ前進する。

 毒がないだけ楽だとは思う。


 しばらく進むと、状況が変わって来る。

 二種類の食虫(pianta)植物(carnivora)が居るようだ。

 ひとつは、壺状の捕虫袋が見える。

 もうひとつは、葉の先に細長い棘があり粘液が水玉状に付いている

「壺みたいな袋があるのは、ウツボ(Nepenthes)カ(raffle)ズ(siana)ラや。中に消化液が入っていて触ると危険やな」

「棘の先に水玉があるのはモウセンゴケ(rosolida)じゃな。粘液じゃから、くっつくと動けなくなるぞ」

 二人とも詳しい。みんな物知りだなぁ

 属性は地と水、とてもやり難い。


 ウツボ(Nepenthes)カ(raffle)ズ(siana)ラには、火魔法で消化液の入った捕虫袋を焼き切る。

 現実(reale)と違って、消化液を掛けて来る。

 躱せば問題ないけど、前衛は大変だ。エド、牽制だけで近付かないでね。


 モウセンゴケ(rosolida)は粘液の付いた葉を振り回して来る。避ける場所を間違えると粘液溜に嵌りそうになる。しかも粘液が付くとピリピリする。

 ジョルジュの憩い(canzone)の(di)歌(riposata)で何とか耐え切るけど、状態異常は厄介だ。対策は急務だと思う。

 結局、風(legante)の(da)束縛(vento)で動きを止め、ひとつずつ片付ける。


 低い草に覆われる広場に出る。

 正面には、草の意匠(disegno)をした立派な扉が見える。

 しかし、その前に立ちはだかるオレンジ色の塊がひとつ。

 中央に丸い穴が開いており、周囲を幾つかの平たい花弁が取巻く。全体に小さな突起が付く。

「ここのボスはラフレシア(Rafflesia)かぃ」

 元々、花しかない寄生植物らしい。

「いよいよボス戦よ。楽しみだわ!」

「戦い(canzone)の(di)歌(guerra)!」

「先制行くで~、炎(lancia)の(di)槍(fiamma)!」

 サブの火魔法の直撃を受けたラフレシアの花弁が燃え上がる。

「ワイの思うたとおり、地属性や!」

「エド、牽制しながら動き抑えて! 無理は禁物」

「分かったわ~、挑(provoca)発(zione)!」

 エドは、ラフレシアを牽制しながら正面に立つ。相手は花弁を震わせ、威嚇するように近付く。

「ジョルジュ!」

「承知! 俊敏(canzone)の(di)歌(agilità)!」

 ジョルジュの声に合わせるようにエドがスキルを放つ。

「連(taglio ) (con)断(secutivo)!」

 オレンジ色の花が、スキルを躱すようにエドに飛び掛かる。

 エドは無難に躱すが、敵の動きは予想以上に速い。お前、ホントに植物か?

「炎(muro)の(di)壁(fiamma)!」

 敵の攻撃方向を、何とか限定する。

「炎(cerchio)の(di)輪(fiamma)!」

 はるっちは炎の中に閉じ込めようとする。

 しかし、なかなか捕まらない。

「麻痺(pozione di)剤( paralisi)!」

 奥の手のポーション瓶が飛ぶ。敵の上で黄色の液体が弾ける。

 動きは遅くなったが、停止はしない。

 しぶといなぁ!


 火魔法を集中するが、敵の動きは衰えない。

 手強いわ!

「回復(canzone)の(di)歌(guarigione)!」

 ジョルジュの支援は本当に心強い。攻撃に集中できる。

 

 火魔法を重ねて、ダメージを蓄積させると、ラフレシア(Rafflesia)の行動が変わって来る。

 花弁を飛ばして、激しく切り付けて来る。

 初見だから判断が難しいけれども、弱って来ているのは間違いない。

「たぶん、もう少し、頑張れ~~」

「承知、戦い(canzone)の(di)歌(guerra)!」

「了解じゃ、炎(tappeto)の(di)絨毯(fiamma)!」

「いくで~~ 炎の(serpente)蛇( fiammante)!」

 ラフレシア(Rafflesia)が大きく仰け反る。

「止め~! 地獄(fiamma)の業火(infernale)!」

 敵は炎に包まれ、崩れ落ちて行く。


 生命の腕輪の効果(effetto)音(sonoro)が響き渡る。

 “第三段階(terza fase)クリア:緑の反撃„


「終わったわ~」

「やっとかぁ」

 なんとか倒したけど、ラフレシアって体力どれだけあるん? でもまぁ、結果オーライだな。


「お疲れです。回復(canzone)の(di)歌(guarigione)!」

 ジョルジュの竪琴を聞きながら、ゆっくり息を吐く。

 どれくらいの時間がかかったんだろ?

 とりあえずは、休憩だね。


 焦って進んでも良い結果にはならない。十分に回復してから扉へと進む。

「準備いいよね。行くよ!」

 みんな笑って頷く。うん、良い顔だ。

 扉に触れると、淡い緑光に包まれ、ゆっくり開く。

 次へと足を踏み入れる。

 いよいよ最終(fase)段階(finale)かな?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。