第63話 M27:幸運を呼ぶ猫 Gatto che porta fortuna
みんなで協力して、絡繰猫を造ることになる。
カタケルススが言うには
「三毛ですから、毛皮は三種類、白・黒・茶のものをお願いします。あと爪と歯です。目にするガラス玉はこちらで探します」とのこと。
うぅむ、なかなか面倒
ディアは絡繰猫の中味を造ると帰って行った。どうも一人では無理らしいので、あちこちと相談するそうだ。普通の猫よりやや大型になるらしい。
なにはともあれ、材料収集のため、わたし、はるっち、サブ、ジョルジュで狩りに出る。
「とりあえず、サバクオオカミやコヨーテを探して毛皮・爪・歯を探すよ」
「おっしゃ、ワイは頑張るで~」
「サブやん、本当に人助けなんですよね」
「お、おぉ、腕輪はん! 世のため人のためや!」
「動機にどす黒いものを感じるのぅ」
「動機はさておき、結果が大切なのです」ポロロン♪
とにかく毛皮とか爪とかを持つモンスターを多数倒さなくてはならない。
それで比較的レベルが低いと思われる町の南側を中心に毛皮を持つ敵を中心に倒して行く。
「炎の槍!」
サブの火魔法がコヨーテに突き刺さり、光の粒と成って消えて行く。
「おっし、毛皮ゲットや!」
「茶と黒は結構集まるけど、白ってのは少ないね」
「茶は狼さんや狐さん、黒は兎さんが結構出すけど、白はねぇ……」
「確かに白はイエロー・ハムスターのみで、しかも半分以上茶ですな」ポロロン♪
「そうじゃのぅ。蛇や蜥蜴、植物モンスターも混じるから面倒ではある」
「んじゃ、ハムスターさんの多い、初めての村に近い所に移動しながら白の毛皮を探そう」
初心者たちの邪魔にならないように、狩りを続ける。
強くなったねぇ、初めての村から希望の町に移動した頃とは見違えるほどの戦力アップになっている。
前衛がいないんだけど、魔法で十分対応できる。
「毛皮は揃ったね。後はゴーレムのモンスター・コアか」
「ゴーレムは希望の町の東側で多く出現しますな」ポロロン♪
町の東側は、岩場が多く、ゴーレムが多く出現する。
ゴーレムのような力が強くて物理攻撃能力の高い敵は、直接殴り合うのは危険なのだが……
「戦いの歌!」
「炎の壁!」
「炎の球!」
「炎の槍!」
脚止めをしつつ、火攻撃を重ねると、割合簡単に倒せる。
それでもモンスター・コアはなかなか出ない。
「なかなか出ないもんじゃのぅ」
「コアはレアものですからな」ポロロン♪
「気合や気合! 気合で出すんや!」
「サブやん、根性ですぅ~」
相変わらず元気な幻影だな。
キャラクタの能力とモンスターの性質によって、得手不得手が出て来るので、この辺はプレイヤー・スキルが重要になる。
“敵を知り己を知れば百戦殆うからず„ というのは戦いに関してはどんな時にでも通用する。
そろそろ次の町への移動も考える必要があると感じる。
“森の恩恵„ というクエストの情報収集は急務かもしれない。
何とかコアを集めて町に戻る。
ディアと連絡を取ったら、自分の所に集合というので、時間を合わせてみんなで集まる。
「ことね! ゴーレムのモンスター・コア集まった?」
「ディア、集まったよ」
「外側の材料、三色の毛皮とか爪とか集まりました?」
カタケルススも来ている。
「大丈夫じゃ、沢山集めたからのぅ」
「えっとね」
ディアは現状を説明し始める。
「絡繰は造れるけど、猫の行動全ては無理! 目パチ、耳ピクピク、尻尾フルフル、後は手を上げるくらいかな」
基本の形状は既に出来てきたけど、まだ時間が掛かるらしい。
「数日はかかるかな。出来たら連絡するよ」
「材料は問題ありません。後は耐久力を上げるために裏地の問題ですね」
ディアとカタケルススが話し込み始めたから、今日は解散にする。
上手くいけばいいなぁ
ディアから連絡があったので、はるっちとサブと一緒に完成品を見に行く。
ジョルジュは付いて来るよね。
「ほぅ~」
「なかなかじゃのぅ」
「いい感じですな」ポロロン♪
絡繰猫は普通よりやや大型、本物と同じという訳にはいかないけれど、良い出来だと思う。
前脚を右左別々に挙げるのも可愛い。
毛並は立派な三毛、ガラス玉の大きな目も愛嬌がある。
「サブ、どうかな?」
「ワイは、これなら行けると思うわ! 早速持って行ってみよう」
ヌーヴォラさんは町の南西側、酒場が並ぶ地区の一角にある。
興味本位で付いて行ったけど、立派な建物で高級なお店らしい。
直接お会いしたけど、綺麗で理知的な女性だった。高級な店では知性と教養がないと務まらないらしい。少し見習おう。
「ヌーヴォラ姉さん、これを」
サブの差し出す絡繰猫を見て、お姉さんは本当に零れるような笑顔で言う。
「有難う!」
数日後、希望の町に噂が流れた。
ヌーヴォラ姉さんの持つ絡繰猫が幸運を呼ぶと大評判らしい。
右手を挙げると、お金が来る。
左手を挙げると、お客が来る。
「はるっち、わたしたち何をやったのだろうね?」
「全くじゃ、一寸先は闇じゃのぅ」




