【間話】獣人 とは
一旦、この世界の獣人がどんなものか触れておきます。
森の手前で野営をすることになった。
「森の中は死角が多い。森か平原か選べるなら、出来るだけ周りを見渡せて逃げやすい平原が良い。」
「見渡しが良いと逆に見つかりやすいんじゃないの?」
「魔物は嗅覚も敏感だし、夜目もきく。森の中でも探索力は人間の数段上だ。向こうが見えていて、こっちが見つけられない可能性の方が高い。」
「まぁ私達は獣人だから、ブルースは臭いに敏感だし、私は夜目もきくけどね。」
獣人、便利だ。
夕食は昼にとった牡丹肉のグリルだ。
もちろんファイアーウルフが出るのも覚悟の上で。だ。
テントとは離れた場所で肉を焼き、
ファイアーウルフを倒しながらご飯を食べる。
デンジャーなバーベキュー。
ちなみに食事中の討伐はブルースの担当らしい。
ブルースはバーベキューが終わるまでに弓で5匹のファイアーウルフを倒していた。
このパーティのブルースのポジションが今日だけで良く分かった。
ーーーー
ほぼ初対面の獣人夫婦のララとブルース。
夕食後、2人に、獣人について聞いてみた。
「獣の耳と尻尾があって少し毛深い。」
「まんまね。他は?」
「んー、獣人は、人より身体能力が高いわよ。大半の獣人は人より速く走れるわ。」
「ほう。ララは夜目が効くし、ブルースは鼻が良いんだっけ?」
「ブルースは特にって意味ね。大半の獣人は人より臭いに敏感よ。」
「なんだか、獣人って良いことずくめね。」
「いや、鼻に関しては良いことでは無いかもしれねぇな。」
「そうなの?」
「結構キツイのよ。ゴブリンの臭いとか。いくら沢山いて、お金になるとしても、私たちはあいつらだけは絶対狙わないわ。」
「臭いといえば、商業区の飲食店でも結構臭いのキツイ店あるよな。」
「ええ。あと、庭でハーブとか育ててる家とか、怒鳴り込みたくなるわ。」
「結構大変なのね、、」
家を建てても、育てる植物には気をつけよう。
「動物と会話できたりは?」
「会話はできないが、多少の意思疎通はできるぞ。」
「言葉の無い念話みたいなものね。触れて気持ちを感じるのよ。」
「じゃあ、その動物とか魔物を倒すことに抵抗は?」
「無いわね。」
「無いな。これも生きるためだ。遠慮してたら野菜しか食えない。ただ、いつも感謝はしてるぞ。俺たちを生かしてくれてありがとうってな。」
「なるほど。大事なことね。」
「あ、そうだ。ブルースはサモンドの子孫よ。」
「「「えーーーーー!???」」」
さらっとぶっちゃけられた。
エマもアルクも知らなかったらしい。
「ああ。千年以上も前の話だが、獣人からサモンドが出てな。遠い祖先はサモンドだ。王都に住んでる狼の獣人はまず、サモンドの子孫だろう。他の獣人も異種混血なら血が混じってる奴がいるんじゃないか?」
「、、ブルースって、狼の獣人なの?」
「エマ、、、何度もパーティ組んでて、俺の種族知らなかったのかよ、、」
「ごめん、犬だと思ってたわ、、」
「犬の獣人は王都にいない。」
ブルースが言い切った。
「へー。王都以外にはいるの?獣人はどれくらい種族がいるのかしら?」
「あーーー。獣人の種族は10種くらいか?獣人は、王都か、獣人の森にしかいないだろうな。いたとしてもごく僅かだろう。少なくとも俺は他の街にいる獣人の話を聞いたことがない。」
「私も無いわね。」
「俺も見たことないな。」
「言われてみればそうね。」
「何で獣人はその二箇所にしかいないの?」
「知りたいか?長い話になるぞ。」
ブルースは言いにくそうな顔をした。
「嫌なら大丈夫よ。」
「ああ。今日は辞めておこう。満月だ。」
ブルースが月を見ながら言った。
「満月は何かあるの?」
「興奮する。話してるうちに怒り出すかもしれねぇ。」
さすがは狼だ。
「、、、、酷い話なの?」
「過去を辿ればな。まぁ、何千年も昔の話だ。子孫の俺たちにもう恨みは無いけどな。」
「恨み、、誰に対して?」
「、、、人族だ。」
重い!!!
慌てて話を変える。
「えっと、、じゃあ先祖がサモンドってことは、ブルースは貴族なの??」
「いや、その狼のサモンドは、魔王討伐から帰ってこなかった。」
「え、、つまり、、」
「死んじまったんだとさ。その代のサモンドの生き残りは勇者ただ一人だったらしい。」
超重い!!!!
「この話は辞めにしましょ!もう寝る時間。」
ララがパンパンと手を叩きながら、話を中断させた。




