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転移ママの異世界奮闘記  作者: 平館 あや
第2章 『王都散策』
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11話 家電魔道具店

「いらっしゃいませ。あ、アルク様!いつもありがとうございます。」

「うっす。」


店に入るとすぐに女性エルフの店員に声をかけられた。

アルクとは昨日同様、顔なじみのようだ。


店内には冷蔵庫のような魔道具、コンロのような魔道具、炊飯器のような魔道具、洗濯機のような魔道具色々あった。

本当に家電量販店のような感じだ。


そして、生活家電を越えた先、ディスプレイにあったウサギの乗り物にまたがる紗奈を確保した。


「コラ!!!なんで勝手に入るの!急に走るのもダメ!危ないでしょ!それに、お店の物も勝手に触っちゃダメでしょ!!」

紗奈に注意する。


「、、、、ごめんなさい。」

紗奈がブー垂れた。


「ふふふ。お母様ですか?大丈夫ですよ。置いてある物はサンプルですのでご自由にお試しください。」

女性エルフ店員に笑顔で諭された。


「はーちゃん、ほれで遊びたい!」

出た。一度ロックオンしたら離さないやつ。

「サナ、こうやって動かすんだ。」

アルクがサナにウサギの乗り物の操作を教える。


「すいません。。アルクもありがとう。。」

「良いんですよ。このおもちゃ、以前アルク様にもお馬さんの方をご購入して頂きましたね。甥御様もお気に入りなようで、定期的に魔力の充填にいらっしゃいますよ。」

「ども。」


アルクが照れ臭そうに返事した。


「アルクは甥っ子がいるのね。」

「ああ。甥姪合わせて5人いる。」

「5人!!まぁ、4人兄弟ならそうなるわね。アルクはご兄弟とか甥っ子ちゃんとかと仲良いの?」

「あー、まぁまぁだ。」


アルクの隣で女性エルフ店員がニッコニッコしている。

多分、まぁまぁどころじゃなく仲がいいのかもしれない。

それか叔父バカかだ。


私の予想だが多分後者だ。

紗奈がウサギのおもちゃを乗り回すのを、無言ながら上手にサポートするこの勇者、かなり子供に慣れてると見た。


「ママーー!動たなくなったった!」

うさぎの乗り物が動かなくなったらしい。

紗奈が絶望的な顔をしてこちらを見ている。


「しっぽを掴んで魔力を込めるんだ。リサ、やってみるか?」

「あ、うん、こう?」

「ああ。目が緑になれば充填完了だ。」


「アルク様のお連れ様は、もしかして、噂の親子サモンドの方ですか?」

「、、、ええ。」


出た。噂されてるやつ。

一体どの範囲で噂されてるんだ?


「サモンドの方でしたら、こちらの魔道具は充填し放題ですので、買って損はないと思いますよ。」

「この世界には電気がないからな。魔力で動く魔道具が家電みたいなもんなんだ。魔道具を動かすには魔力を溜めておかないといけないが、俺達ならさっきみたいに自力で充填できる。」

「へぇ、、、」


魔道具は基本、魔力を充填して使うものらしく、店には充填カウンターもあった。

魔力を扱えない普通の人たちは、小型の魔道具はこの店や、昨日行ったローブや杖の魔道具店で充填してもらうらしい。

そして持ち運べない大型の魔道具は、エルフに出張充填に来てもらうそうだ。


エマの家は普通に夜も明るく、家電のようなものも沢山あったので気にしていなかったが、魔道具の無い家庭は調理は釜戸、照明は火種のランプ、洗濯はタライなんだそう。


「あ、安い。冷蔵庫5000ルーク!?こっちのコンロは3000ルーク!?水洗トイレ1000ルーク!!!」

「はい。充填でお金を頂いてますので、商品自体はお安く提供しております。」


この店員、今、いかにも私達親切でしょ?風に言ったが、これはあれだ。

0円で携帯電話を売って、基本料金で稼ぐ昔の携帯電話会社の仕組みじゃないのか?

安いから、便利そうだからちょっと使ってみようとかいって買ったが最後、便利さから手放せず、メンテナンスに金をかけていく、、、

絶対エルフが儲かるやつじゃないか!


私がジト目で店員を見ると、

店員は、変わらずニコニコ笑顔でこちらを見た。


あ、違う、これ、あれや。

天然で良いことしてるって思ってる顔だ。



「はーちゃん、ぴょんぴょんほちぃ!!」

紗奈がわがままモードに突入した。


「ダメよ。私たちは今、エマの家にお泊りさせて貰ってるの!他所様の家にこんな大きなおもちゃ置けません!」

「えーー。。じゃあ、はーちゃんのおうち、はって、、、」

「お家は買うわよ。」

「やったー!おうち はったら、ほれ置てるね!」

「そうね。お家買うまで我慢できる?」

「うん!やったーー!!!」


よし。

家を買うのはまだ先だ。

これで後は、この店に近寄りさえしなければ、きっと家を買う頃には忘れてる。



「あ!アイシュ食べりゅんだった!!」


紗奈が急にアイスの方を思い出したので、魔道具店を後にした。


冷やかしでごめん。


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