↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移ママの異世界奮闘記  作者: 平館 あや
第2章 『王都散策』
13/298

12話 アイス屋に着いたものの

魔道具店でかなりの時間を費やした後、やっとアイス屋に着いた。


「マーマーー!アイシュやたん!!はーちゃんピントゥー!」

紗奈はまた猛ダッシュだ。


紗奈のアイスを買い、ベンチに座る。

「紗奈、たくさん歩いたけど疲れたんじゃない?」

「ばいぼうぶ!」

“大丈夫”だ。


だが、アイスを食べている途中で紗奈が船を漕ぎはじめた。

「もういらない」

アイスを半分程食べたところで私にアイスを渡し、膝の上で寝始めた。


「電池切れね。」


あれだけ水場ではしゃいで、魔道具店で散々遊び、沢山走り回れば当然こうなる。

ちゃんとアイス屋までたどり着いたのが奇跡だ。

アイスの力は偉大だ。



「おんぶするよ。」

「大丈夫よ。慣れてるから、私が抱っこで帰るわ。もうすぐ近くだし。」

「どうせ家が隣なんだ。それに俺の方が手ぶらっていうのも嫌だ。」

「じゃあ、お願いしていい?」

「ああ。」


アルクは紗奈を部屋のベッドまで運んでくれた。


「よく寝てるな。」

紗奈はベッドにゴローンと転がされたが、

起きる気配は全くない。


「これは多分朝までコースよ。楽チンだわ。」

でも、アイスを食べた直後だ。

親としては内心、『虫歯菌がー!!』という状態だ。


ちなみに、この世界の魔術は、治癒魔法もあるが、虫歯などの“欠損”の状態は回復できないらしい。

毎日歯磨きが基本だ。


「重かったでしょ。お茶どうぞ。」

「ありがと」

私はアルクにお茶を出し、

そのまま2人で紗奈の寝る部屋の椅子に腰掛けた。


「よかったら、勇者のサモンドについて聞かせて。魔王が出てくるまで何をやるの?」

「ああ。基本は鍛錬だ。あとは冒険者として活動して実戦経験を積む。ランクも勇者ならA級まで上げろって言われてる。」


勇者の素質はチートだ。

全ての身体能力が高いし、技術の吸収力もすごい。

強い人に教えてもらったり、強い魔物を倒したりすることでみるみる強くなる。


それでもサモンドになって20年、アルクが未だにB級なのは、本人のやる気の面もあるが、魔物が減って、討伐する魔物があまりいないという事もあるらしい。



「魔物の減少は魔王復活の兆候なんだそうだ。」


一説では、世界の魔物を吸収して魔王が復活するらしい。

魔王が復活すると、魔王が魔物を生み出し、魔物が大量に増えるそうだ。


「魔王っていつ現れるかわかるの?」

「それはわからないが、過去の記録によると、勇者素質のサモンドが現れて20年〜30年くらいらしい。」

「アルクが転生してきてもう20年経つのよね?もう復活してるとか?今日もラビットベアの大量発生があったって言ってたし。」

「それはない。魔王が復活したら、空全体が雲に覆われて、魔物が降ってくるからすぐわかるらしい。」

「実にわかりやすいわね。。」

「ベタだよな。。」


コンコン


部屋がノックされた。

「リサ様、紗奈様、お食事のご用意ができました。アルク様もよろしければどうぞ。」


ーーーー


紗奈は起きる気配がないので、アルクと2人で夕食をとることになった。


アルクは、自宅のメイドに、夕方の時点で帰っていなかったら食事は用意しなくて良いと普段から伝えているそうなので、遠慮なく食べて行ってもらうことにした。

ここはエマの家だが。


アルクは普段は無口だが、2人きりだったり、話題さえあれば普通に話してくれる。

ツンデレさんを少しずつ攻略しているようで楽しい。


「アルクのお世話係って誰だったの?」

「エマと同じギルバートだ。」

「あー、魔王討伐の魔術師の。私が魔術を教わる予定の。」


御年200歳のおじいちゃんエルフだ。


「俺が今期1人目のサモンドだからな。150年も経つとあいつしかサモンドがいなかった。むしろ一番最初に現れる勇者のサモンドに、お世話係のサモンドが付くこと自体が普通はない。」

「お世話係ってどういう基準で選ばれるの?私がエマだったのは?」

「性別とか性格だな。リサ達の場合は性別でエマになった。もしリサ達じゃなく、男のサモンドが現れてたとしたら、またギルバートだっただろうな。俺の性格じゃ選ばれないだろう。」


確かに、転移していきなり無口で無愛想な人がお世話係になっても、相手がよっぽどの聞き上手じゃないと成立しないだろう。



そのまま夜遅くまでアルクと話した。

私の前の世界の話もした。

もちろんアルクの前世の話はもう聞かない。



「ただいまーー!」

エマが帰ってきた。


「エマ様、お帰りなさいませ。お食事はお済ませと伺いました。お風呂はいかがいたしますか?」

「大丈夫。自分で用意するわ。今日はもう休んでいいわよ。」

「ありがとうございます。失礼します。」


エマは一通りメイドと話し終わると、リビングに入ってきた。


「リサ、たっだいまー!あ、アルク、まだいたの?」

「お帰り。まだって、、ずっと話し相手をしてくれてたのよ。」

「そう。アルクと話してて楽しい?」

「ひどっ!楽しいわよ。」

「さすがリサね。じゃ、ちょっとお風呂に入ってくるわ。うさクマが50匹もいてね。もう血まみれよ。」

「じゃあ俺は帰る。」

「え!!私の武勇伝聞かないの?」

「聞かない。」

「ほら、楽しくなーい!じゃ、おやすみ!」


そう言いながらエマは部屋を出て行った。


「あれは、嵐だ。」

「ふふっ。言えてる」


玄関でアルクを送り、エマのお風呂に乱入し、寝ている紗奈のほっぺをグリグリふにふにチュッチュし、私も眠りについた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。