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終章

挿絵(By みてみん)

 

 際限なく増殖し続ける人間のエゴが、地球のあらゆるものを破滅へと向かわせています。


 大地は乾き、海は汚れ、大気は熱を帯び、それに人間にとって何より大切な社会までもが、分断と憎悪によって危機的状況にさらされているのです。


 誰もが知っている事実ですし、自分がその危機を招いている当事者の一人である事も、もちろん承知しています。ただ、その上で自分だけは特別でいたいのです。自分一人が変わっても世界は変わらないと、言い訳をしていたいのです。


 しかし、歴史を振り返ってください。アリスの理想も、ラルフの野望も、エディの夢も、すべては情報の波に飲まれ、形を変えていきました。


 今、あなたの手の中にある、世界を映し出す黒い鏡。そこには何が映っていますか?


 無限の情報でしょうか?それとも、ただ欲望に踊らされる自分自身の顔でしょうか?


 老魔導師は最後に、記者に言葉を残しました。


「くれぐれも忘れてはならない。人は自分のためだけに生きているのではないということを。そして情報と欲望の渦中で、他者と世界への責任を持ち続けなければならないということを」と。


 かつて地上から消えたドラゴンが、いつかまた空を舞う日が来るでしょうか。それとも人類諸共、このまま情報の海に沈んでいくのでしょうか。


 歴史書の、次のページを書き記すのは、物語の中の人物ではありません。今を生きる、あなた自身なのです。

 




ALSATORA(アルサトラ) 近代世界史に潜む悪魔の物語   おわり


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