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前世社畜の俺、スローライフを望んだのに気づけばステータスだけが勝手にカンストしてる件  作者: ローナ


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作者っぽい干渉がありますが、関係ないので寝ています

 朝。


 起きている。


 目は閉じている。


 これは寝ている。


【省エネ成長:上限付近】


「完璧」


 外が静かだ。


 人もいる。


 建物もある。


 神殿もある。


 全部、ある。


 だが――


 “枠”が、少しだけ揺れている。


「……やめてほしい」


 呟く。


 音ではない。


 気配でもない。


 “書き込み”のような違和感。


 現実に、薄く線が引かれる感じ。


【生活最適化:異常認識】


「……知らない」


 知らないことにする。


 だが。


 ――“それ”は、消えない。


 視界の外側。


 認識の外側。


 何かが、“決めようとしている”。


「……やめて」


 先に言う。


 沈黙。


 そして。


 “文章”のようなものが、流れる。


『主人公は、ゆっくりと目を開け――』


「開けない」


 即否定。


 流れが、止まる。


『……』


 数秒。


『驚きの展開が――』


「いらない」


 いらない。


 流れが、歪む。


『ここで新たな敵が――』


「出さない」


 拒否。


 完全に拒否。


【無意識スキル発動:物語最適化】


 空気が整う。


 いや、違う。


 “流れ”が整う。


 書かれようとしていたものが、滑る。


『……進行不能』


「いい」


 それでいい。


 沈黙。


 そして。


『……別ルートを提案』


「しない」


 提案はいらない。


『日常回を強化――』


「もうしてる」


 十分だ。


『ヒロインを追加――』


「いらない」


 これ以上は無理だ。


『バトル展開――』


「しない」


 絶対にしない。


 沈黙。


 長い沈黙。


『……制御不能』


「そう」


 それでいい。


 “文章”が、少しだけ薄くなる。


 だが消えない。


『観測対象、物語拒否』


「してない」


 ただ面倒なだけだ。


『……新しい枠組みを構築』


「やめて」


 やめてほしい。


 だが。


 何も起きない。


 起きようとして、起きない。


 進もうとして、進まない。


 ただ――


 “ここにある状態”が続く。


「……いい」


 これでいい。


 そのとき。


 ドアが開く。


「ユウトー!」


「いない」


 ミリアだ。


「なんか今日、変じゃない?」


「知らない」


 セリスも続く。


「物語の流れが、妙に平坦よ」


「いい」


 それでいい。


 ルナが首を傾げる。


「お兄ちゃん、なにも起きないね!」


「いい」


 それが一番いい。


 リィナは困惑している。


「師匠……山場が……!」


「いらない」


 山はいらない。


 ナギが静かに言う。


「展開、止まってる」


「止めてる」


 初めて認めた。


 ほんの少しだけ。


 ナギは小さく頷く。


「安定してる」


「いい」


 それでいい。


 外を見る。


 人はいる。


 巡礼もある。


 神殿もある。


 だが、何も起きない。


 増えない。


 減らない。


 ただ、ある。


「……完璧」


 これがいい。


【省エネ成長:到達】


「いいね」


 これ以上、いらない。


 そのとき。


 “文章”が、最後に一行だけ流れる。


『……この物語は、ここで安定する』


「そう」


 それでいい。


『進行しないまま、続く』


「いい」


 それがいい。


 “文章”が消える。


 完全に。


 静寂。


「……終わり」


 終わらない。


 だが、終わっている。


「寝る」


 目を閉じる。


 外は静かだ。


 何も変わらない。


 何も起きない。


 それがずっと続く。


「……知らない」


【最終状態:安定】

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