お口に蓋を
昨晩眠れない程考えたけど答えは出なかった。男としてって言葉の意味が。
普通に考えたらまるで私のことが好きみたいに感じてしまうんだもの。
でも、どうせまた勘違いで現実をみるパターンだから!を繰り返した。
ああああ!もう考えない!
とにかく蒼大が訓練に行く前にマントを渡そう!
ドキドキしながら扉を叩き「蒼大」と呼びかけると拍子抜けするほどいつも通りの蒼大が出てきた。
「はよ」
やっぱり私が考え過ぎてただけで、男としてって言葉に深い意味は無かったのかも。
「おはよう。マントありがとう」
「ん……」
でも、いつもならポンポンと会話が弾むんだけど私も蒼大も言葉が続かない。
2人無言でダイニングに向かう気まずさに耐えられず、チラッと隣を歩いている蒼大を見ると、バッチリ目が合ってしまった。蒼大もどこか気まずそうで。
あああ!このままサトウ国に行ったらずっと悩みそう。
「蒼大!昨日の男としてってどう言う意味なの?一晩中考えて眠れなくて!」
思い切って本音をぶつけると蒼大は落ち着いた声で返してきた。
「……そのまんまの意味だって」
「そのまんまの意味なんて言われたら勘違いしちゃうんだけど!」
「……勘違いじゃねぇし」
衝撃の言葉に、頭の中が真っ白になって、昨日まで考えてた理屈が全部スポーンとどこかに飛んでいった。
「そ、そそ、それ、どう言う意味か分かってんの?」
「分かってる」
「そんな言い方、まるで蒼大が私の事が好っ……」
言いかけた言葉は、重なるように伸びてきた蒼大の大きな手のひらに遮られた。熱い体温が唇に伝わってきて、心臓が跳ねる。
「まだ」
え。
どういう事なの?何が、まだなの?
蒼大が何考えてるのか分かんない。分かんないよー!




