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だるまさんは転ばない 〜蜜柑山 博のリトプス1施工日誌〜  作者: 蘭鍾馗


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【改良ダリアン暦1年104月12日】内殻を作ろう

 本施工区にガラスの天窓が付いた。そのおかげで溶岩洞窟の中は、結構明るくなった。


 溶岩洞窟の壁面は、玄武岩を使った黒灰色のコンクリートで覆われ、そこには、コロニーの内殻を固定するための無数のアンカーが、既に設置されていた。これがコロニーの外殻になる。外殻については、工事はほぼ終了している。

 そして、この外殻の内側に、これから気密構造の内殻を作っていくのである。


 ◇


 外殻の入口近く、コンクリートで固められた広いヤードには、プレキャストで作られた、スイカの皮のような内殻の部品が積み上げられていた。これから、これを組み立てて、饅頭のようなな形の内殻を作る。


 え?

 気密構造にするんだったら、こんなに細かく分けずに一体構造にした方が良いんじゃないかって?


 それをやるには、外殻の中に大きな内殻用の型枠を組み立てて、その中にコンクリートを打設しなければならないが、内殻は外殻の内側結構一杯一杯の大きさなので、打設用の機械や打設作業のためのスペースが足りないのである。あと、大きな一体構造にしてしまうと、温度変化や打設時の時間差でヒビや隙間が出来やすくなる。その点、分割構造にしておけば、間にシリコンゴムなどの緩衝材を挟むことができるから、ひび割れの危険は少なくなるし、何より修理がしやすい。ここ大事。


 そして、組み立てた内殻は、外殻に設置済みのアンカーとの間に太いワイアを何本も張って、宙吊りにするようにして固定する。こうすることで、外殻との接触部分を最小限にし、20℃付近を保つ内殻の熱が出来るだけ逃げないようにする。


 大体こんな感じなのである。


 ◇


 で、お前は今何やってるのかって?


 今、この内殻を吊るすワイアを巡視するための専用のドローンを、オプロンさんと一緒に作っている。いつものコンビのいつもの仕事だ。


 ◇


「全体を球形にしようと思うんですよ。」


 球形に?

「球形のフレームの中にプロペラもカメラも全部納めてしまえば、ワイアの間をすり抜けられるかどうかの判断が簡単になるでしょ?」

 なるほどそうか。

「ヒントは、ある漫画だったんですよ。」

 ある漫画?

「ゴ◯ゴ13。」

 ええ?

「あれに銃を備えた球形の軍用ドローンがでてきましてね。これはいいなと。」

 オプロンさん、ゴ◯ゴ読むんだ。

「全巻持ってますよ!」

 あれ全巻はすごいよ?


 ◇


 そんな感じで、今日も一日仕事で日が暮れる。


 大規模砂嵐で太陽光が届かない「明けない夜」が始まる前の火星の春は、建設作業や調査や資源採掘のハイシーズンでもある。今のうちに作業を進められるだけ進めておきたい。

 ブルーローズのお陰で電気の心配は無くなったけど、外が暗くなると建設作業にはやはり影響が出るからね。


 さ、今日はもう上がりにして、夕食にしよう。

 その後は、ビールのみながらオプロンさんと漫画談義だね。






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