新たな始まりのその前に
「これはここで…これはこっちで…」
「ノア〜この魔導具は君のだよな」
「ああごめん。すぐ片付けるよ、プレン」
プレン・ノマルトン
学院の寮は二人一部屋なのだが、僕はプレンと同室になった
彼の両親は飲食店を経営している一般の家庭だが、地元の先生に魔術の才があると言われて
猛勉強してこの学院に来たようだ。
今日は学院の説明と自身の寮への案内で終わっていたため
自身の寮の部屋で荷解きをしていた
「それにしてもいいな〜この魔導具…」
「泥落ちの扇子は便利だよね。欲しいなら今度作ってあげようか?」
「マジで!ありが…」「じゃあ5000フォンね」
「金取るのかよ〜」「これでもかなり良心的だよ」
師匠にお願いして送ってもらっていた魔導具を片付けている
かなりの量があって整理するのは大変だ
「それにしてもこんな量の魔導具を何に使うんだ?」
「一応全部僕が制作を手伝った魔導具だから研究成果みたいなものだし、
改良案を考える中で何かひらめきがあるといいな〜って」
初心に向きあうことは昔からずっと師匠に言われて続けてきた
昔の作品の改良が初心に向き合うことになるかは不明だけど
「こりゃ指輪か?……おお〜ノア!どうだ似合うか!」
「あ!プランそれは!」
突如プランが部屋の壁に飛ばされる
「痛ってぇぇ!何だこれ…」
「風衣の指輪の試作品…失敗作のひとつだね。理由は装着者の意思関係なく発動しちゃうこと…」
「…今度からはお前の魔導具は勝手に触らないことにするわ」
衝撃で散らかってしまった部屋を二人で片付けた後に昼食を食べに食堂に移動した
「う〜んどれにしようかな」
「学校側で負担してくれるのは助かるよな〜」
雇っている料理人はどれも本場で働いていた人たちが多いらしい
「あれ?ノアじゃん!やっほ〜」「やあマリー、それにハイヴァ」
「おはようノア、そっちのは…」
「どーも!俺はプレン、よろしくな」
プレン…なんか元気だな
「お嬢さん俺と一緒にお茶…」
ハイヴァが彼の頭にチョップをかます
「悪い、マリーをお前みたいな奴とはお茶はさせん」
「アンタはこの子の保護者か!」
案外仲良くなりそうだなこの二人
「はぁ冗談はここまでにして飯にしようぜ」
「そうだね。もうお腹が空いて仕方ないし」
四人で昼食を取ることになった
「あ!マリー!食いたくないからって勝手に俺の皿に野菜を…」
「いいじゃん!ちょっとくらい…だってまずいんだもん」
こういうやり取りを見るのはとても懐かしいな
「…なぁさっきも思ったけど、ハイヴァって本当にマリーの兄じゃないのか?」
「違うけど、マリーの無鉄砲さに昔から振り回されて来たらしいし…」
小声で話しかけてきたプレンに僕も小声で返す
「…?お前もマリー達とは長い付き合いじゃないのか?」
「違うよ。時間にしたらほんの少ししか遊んだことなかったし…」
納得するような表情をした後、再びご飯を口に運び始めるプレン
「そういえば、男子寮で何か大きな物音がしたって聞いたけど何かあったの?」
「確かに…なんかドン!って音がしてたな…ノアは何か知ってるか?」
「ああ、あれはね。プレンがね‥」
ハイヴァとマリーに起きたことを話した
「ハハハ!お前が吹き飛ばされた音だったのかよ!」
「くそ…笑うんじゃねぇ‥ハイヴァ」
大笑いするハイヴァと恥ずかしそうなプレン
「プレン君大丈夫だったの?怪我とか…」
「あーん、マリーちゃんの優しさが傷に染みる〜コホン…ああ、全然大丈夫!」
「一応僕が作ったポーションを飲んでもらったし問題はないはずだよ」
「ああ!もうピンピンだよ!少し眠いけど…」
即効性がある代わりに副作用がきつい物にしたけど、普通なら寝落ちしててもおかしくないのだが…
「なんで少し眠くなる程度なんだろ。もう少し強くしてもよかったかな…」
「嫌々!もうこの程度で十分だから!」
その後もみんなで楽しく雑談をしつつ、昼食を終えるのだった
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